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医療併設、高松で再開発、分譲マンション「安心」前面、穴吹興産やJR四国など、集約型街づくりに一役。

[ 2019年2月22日 / 日本経済新聞 地方経済面 ]

 高松市中心部で分譲マンションと医療施設などを組み合わせた再開発が相次ぎ動き出した。穴吹興産などは「医食住」がそろう街づくりを目指し、製紙工場の跡地で大規模な複合開発を開始。JR四国などは高松中央商店街の一角にある商業施設の跡地で分譲マンションや診療所などを整備する。超高齢化社会に対応した再開発で市内中心部に人を呼び込む。

 穴吹興産などは2016年3月に製紙事業から撤退した讃州製紙の工場跡地を再開発する。高松琴平電気鉄道(高松市)の主要駅「瓦町駅」の北東に位置し、瓦町駅からは約1キロメートル離れているが、志度線で一駅の今橋駅からは徒歩3分で着く。近くにスーパーがあり、高松三越も徒歩圏内と生活の利便性が高い地域だ。

 全体の敷地面積は約2万5500平方メートルで、穴吹興産は約4700平方メートルを活用して10階建ての分譲マンションを建てる。総戸数は99戸で工事費は17億円程度を見込み、20年3月の完成を目指す。

 分譲マンションの北側の土地では、社会福祉法人すみれ福祉会(同市)が事業主体となり、特別養護老人ホームや放課後児童クラブなどを建てる。穴吹興産によると、内科などの診療科が入る医療施設の整備も計画されている。

 穴吹興産などがこうした再開発事業を立ち上げたのは、二次取得者の需要を取り込むためだ。国土交通省の17年度住宅市場動向調査によると、分譲マンションの二次取得者の平均年齢は59歳だった。病気や将来の介護が気になる年齢層が中心となるため、医療・介護施設の隣接が分譲マンションの購入の後押しになるとみる。

 高松中央商店街でも医療施設を取り入れた複合開発が決まった。JR四国と阪急阪神不動産(大阪市)が共同で、高松常磐町商店街にある商業施設の跡地に分譲マンションを建てる。敷地面積は約1900平方メートルで、診療所や保育所も整備する計画だ。

 19年度に設計に着手するため事業費などは未定だが、既存の6階建ての商業施設は撤去し、10数階建ての分譲マンションを建てる。総戸数は100戸程度で、22年度の完成を目指す。

 高松市で動き出した2つの再開発は、同市が進める「コンパクト・エコシティ」の取り組みを踏まえている。同市は04年に市街化区域と市街化調整区域の区分を廃止したことで、都市が無秩序に拡大するスプロール現象が起きた。生活の利便性の低下が懸念され、13年に集約型の街づくりを目指した推進計画を策定し、中心部を活性化させる動きを強めている。

 国立社会保障・人口問題研究所の予測では、市内の65歳以上の高齢化率は15年の27・1%から、25年には29・9%へと上がり、その後も上昇を続ける。こうしたことも背景に、分譲マンションと医療施設などを組み合わせた再開発が動き出した。(辻征弥)

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