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関電、不動産「域外」で攻勢、横浜で省エネ住宅街。

[ 2019年4月8日 / 日経産業新聞 ]

 関西電力が関西にとどまらず「域外」での不動産事業に力を入れている。首都圏では野村不動産が主体のマンションを含む街区整備でスマートコミュニティーと呼ばれるエネルギーの効率的な仕組みづくりを担当。海外では成長が続く東南アジアのビル事業に進出した。電力自由化で本業の販売競争が激しいなか、不動産業の拡大を進める。

 野村不動産が中心となり横浜市にある慶応義塾大学の日吉キャンパス近くにつくる「プラウドシティ日吉」。関電子会社の関電不動産開発も事業主となり、敷地約4万2千平方メートルの中に住居棟が3つで総戸数は1320戸にのぼる。2020年3月から入居が始まる。保育所やコンビニエンスストア、クリニックなどの商業施設もできる。

 スマートコミュニティーとは街全体でエネルギーを賢く使い省エネと環境配慮を実現すること。防災力向上にもつながる。プラウドシティ日吉の電力を一体管理するのが野村不からエネルギー活用の打診を受けた関電だ。東京ガスと組んで、子会社の関電エネルギーソリューションが担う。

 住宅にガスを使う家庭用燃料電池システム「エネファーム」や、省エネ型電気給湯器「エコキュート」を設置。エネファームの余った電気をエコキュートに回す。太陽光発電も使い敷地内で電力を効率よく使って不足分だけ外部購入し、全体の電力コストを下げる。従来型に比べ二酸化炭素(CO2)の排出量を3割近く減らせるという。

 関電の松下隆一マネジャーは「首都圏で大規模なスマートコミュニティーを構築するのは関電として初めて。今後も事業主と連携したマンションなどの開発案件で、スマートコミュニティーを提供していく布石としたい」と意気込む。

 首都圏以外では仙台市で大きな案件がある。関電不動産開発が同社の「シエリア」ブランドとして中心部の青葉通り沿いに23階建て約90戸の高層タワーマンションを建てる。オール電化による省エネが売りで、21年3月の入居開始予定だ。

 海外でも積極的だ。関電不動産開発は昨年12月、不動産ファンド運営のケネディクスの子会社が組成したシンガポールのオフィスビルに25%出資する私募ファンドに約17億円出資したと発表した。東南アジアのビル事業は初めてとなる。

 東南アジアでは分譲住宅開発にも参画しており、3月中旬時点で海外投資の累計残高は約100億円。ビル事業で東南アジアにも照準を広げ、今後も案件を積み増し海外の成長力を取り込みたい考えだ。

 関電は新中期経営計画で不動産を含む生活関連部門の経常利益を18年度までの3カ年平均の180億円から28年度には350億円以上にする目標を掲げる。本業のノウハウもいかせる不動産事業の存在感を今以上に高めていく。(中西誠)

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