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日経の紙面から

東急不動産HD社長大隈郁仁氏、大阪IR構想に期待、東急電鉄とは共存共栄。

[ 2019年5月14日 / 日経産業新聞 ]

 東急不動産ホールディングス(HD)は地方主要都市や海外へ事業展開を拡大している。本拠地である東京・渋谷の再開発だけでなく、大阪やインドネシアでも開発事業を積極的に展開していく。大隈郁仁社長に2019年度以降の戦略について聞いた。

 ――19年以降の新築マンション市場をどうみていますか。

 「大きな変動はない。ただ、売れる物件、売れない物件の二極化がはっきりとするかもしれない。駅への近さや再開発、タワーマンションといった特徴がある物件は強気な価格設定でも売れる。駅徒歩10分や郊外で特徴がない物件は苦戦するのではないか」

 ――東京・豊洲のマンションではエリアマネジメントに取り組んでいます。

 「ハードを作ってハードを売るという時代ではなくなった。エリアマネジメントとは、現在の住民と新しい住民がうまく交流することができるようにする仕掛け。そのマンションや街の価値となる。住民がマンションを売る場合、リセールバリュー(新築時からの価格維持率)も高くなる」

 ――競合他社が地方でのマンション開発事業を強化しています。

 「地方では、特に札幌駅の周辺で再開発を仕掛けていきたい。もう一つは大阪府だ。25年の大阪・関西万博やカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致によって盛り上がりを期待することができる。19年11月には大阪市内で『ブランズタワー梅田 North』(地上50階、653戸)が竣工する。当社のマンションとしては2番目に多い戸数だ」

 ――ホテル事業を積極的に展開しています。

 「洗濯乾燥機やミニキッチンが付いた客室で長期滞在可能なホテル『東急ステイ』は地方展開も進めている。20年度で29店、4700室程度になる見込み。軽井沢や沖縄で外資系の高級ホテルが開業している。時間はかかるが、ノウハウを吸収し蓄積したら、自社ブランドで高級ホテルを展開したい」

 ――海外事業はどう拡大していきますか。

 「インドネシアと米国を中心に事業を拡大する。21年末に総戸数約600戸の分譲マンション竣工のほか、23年に総戸数482戸の分譲マンションや商業施設の竣工を予定している。インドネシアを深掘りしていきたい。米ニューヨークではオフィスビル(地上47階)が竣工する予定だ」

 ――東京急行電鉄と事業の重複が多いです。

 「東急電鉄は渋谷駅を中心に沿線の価値向上にフォーカスしている。当社も渋谷駅周辺の再開発を手掛けるが、沿線にこだわらない。いくつか事業の重複はあるが、エリアが違う。共存共栄でお互いが伸びている間は(再編などの)調整を行う必要はない。もしその必要性が出てきたら、きたんなく議論すればいい」

記者の目
利益率維持へ正念場

 新築マンション市場は頭打ちになってきた。2018年の首都圏の初月契約率はリーマン危機があった08年(62・7%)を下回り、バブル経済が崩壊した1991年(58・3%)に次ぐ低水準だった。好不調の境とされる70%を3年連続で下回った。

 発売戸数は17年比3・4%増の3万7132戸と2年連続で前年を上回ったが、00年代前半に比べ半分以下。市場の先行き不透明感は強まっている。東急不の全国の発売戸数は1426戸と住友不動産の約5分の1だ。大隈社長は「量を追わず、利益率を確保する」戦略を取る。付加価値の向上が求められる。

 (小田浩靖)

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