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建設、DB連携で職歴把握、竹中、技能者の報酬算定に活用。

[ 2019年7月9日 / 日経産業新聞 ]

 ゼネコンが建設作業員の職歴などを記録するオープンデータベース(DB)「建設キャリアアップシステム(CCUS)」への対応を急いでいる。竹中工務店は下請け企業との間で作業員情報の共有に使う現行システムとCCUSを連携させた。年内をメドに全作業所でCCUSを利用できるようにする。飛島建設も連携を目指す。就業状況を正確に把握して報酬に反映することで人材確保に努める。

 CCUSは建設会社が加盟する日本建設業連合会など20以上の業界団体などが活動を支援する建設業振興基金が運営する。4月に本格運用が始まった。作業員にICカードを配布して就労日数を記録してもらい、保有資格や研修の受講履歴なども登録する。2019年度中に建設作業員の約3割にあたる100万人の登録を目指す。

 約330万人いる作業員は様々な現場を渡り歩くため、個別システムでは技能や経験の蓄積を把握しにくい。CCUSと連携させれば、自社で記録していない職歴なども把握でき、優秀な作業員には報酬を上積みするなど待遇改善につながると期待される。

 竹中工務店は下請け企業と共同で作業所情報や技能者の保有資格、就業履歴などを蓄積する「WIZDOM」とCCUSとを連携した。WIZDOMはアウトソーシングテクノロジー(東京・千代田)が開発した情報共有システム。年内に全作業所で技能者の履歴を登録できる環境を整備し、報酬算定に活用する。

 下請けの優秀な人材を報奨する「竹中マイスター制度」や建設作業員の退職金を積み立てる建設業退職金共済制度にも、両システムで集める就業履歴を活用、下請け企業の利便性も高める。

 飛島建設は多用途デジタルサイネージと、三菱商事グループのMCデータプラス(東京・港)が運用する作業所用のサービス「グリーンサイト」を連携させた。デジタルサイネージは飛島が開発したもので、作業所に設置され、電子商取引機能も付いている。

 同サービスでは作業員の社会保険の加入状況の把握や入退場管理などができ、労務・安全衛生に関する管理書類を簡単に作成できる。CCUSとの連携を目指しており、実現すればデジタルサイネージを通して就業履歴を記録し、CCUSとグリーンサイト双方でデータを共有できる。

 CCUSは23年度までに全ての建設作業員の登録を目指す。ただ手続きの煩雑さなどが影響し、6月末時点の登録者は6万1969人にとどまっている。建設業界は人手不足が深刻だ。入職者増加にはCCUSを活用した処遇改善が不可欠でゼネコン各社は自社の作業所でのCCUSの対応を急ぎ作業員の登録を促している。(高尾泰朗)

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