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イトーキ関東工場(千葉市)――「建材で減災」需要開拓(創るちばの戦略拠点)

[ 2019年10月2日 / 日本経済新聞 地方経済面 ]

 イトーキ関東工場(千葉市)は、主力製品の1つのオフィス向けパーティション(間仕切り)の国内唯一の生産拠点だ。開発部門を併設し「変化する顧客の働き方に寄り添う」(中村吉宏工場長)新たな高付加価値製品を提供し続ける。地震に強い「減災建材」など安心・安全の空間作りにも挑み、競争が厳しい市場で差異化を図る。

 オフィス家具や建材、設備機器などの製造・販売を手がけるイトーキは6カ所の国内生産拠点を持つ。関東工場は京都府八幡市と千葉県野田市の生産機能を集約し、2008年12月に稼働。従業員数は約90人だ。

 一部2階建ての建屋は生産ライン、倉庫エリア、事務所のほか、15年2月に新設した試験センターで構成。1日当たり47都道府県・100社以上の取引先への出荷に対応する。台風15号による大規模停電では協力工場の生産停止により、一部製品が出荷できなくなる事態も発生したが、現時点では完全に復旧した。

 試験センターでは人の衝突を50キログラムの砂袋をぶつけて再現する衝撃試験や、日本工業規格(JIS)が求める2倍の20万回繰り返す扉の開閉試験などを実施。耐久性に優れた新製品を生み出す拠点だが特に近年、開発部門が力を入れるのは震度7の大規模地震でも倒れない「減災建材」だ。

 「高耐震間仕切G」も東日本大震災をきっかけに開発された減災建材の一つ。イトーキが所有する3次元の振動試験機で性能を確認し、震度7の地震が2回連続で発生しても倒壊しないパーティションを実現した。

 昨年8月には「パーティションの前に安全にキャビネットを設置したい」という顧客の要望に応え、後付け施工も可能な転倒防止ユニット「エルフォース」を発売した。天井の崩落につながる壁面の上部への固定が不要なのが特徴だ。大規模地震発生時に被災対応の司令塔となる自治体庁舎での活用も期待される。

 オフィス向けパーティションを巡る最近のトレンドはスチール製から、開放感を得られるガラス製に移行しているという。「顧客ニーズの変化に柔軟に対応し、常に新しい付加価値を提案できる生産体制に変えていきたい」(中村工場長)。安心・安全な空間づくりの挑戦に終わりはない。

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