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賃貸住宅に新木質系材料、大東建、工期短縮・コスト削減。

[ 2019年9月30日 / 日経産業新聞 ]

 大東建託は、新しい木質系材料である直交集成板(CLT)パネルを使う賃貸住宅の販売を拡大する。10月にも新ブランドを発売して、年100棟の受注につなげる。来年度以降にファミリー向けの物件を売り出し、数年後に年300棟の受注を目標とする。鉄筋コンクリート(RC)造に比べてCLTを活用する物件は軽量であるため、工期の短縮や人件費の削減といったメリットがある。

 10月から発売するのは木造4階建て物件ブランド「フォルターブ」。1部屋あたりの間取りは1Kもしくは、1DKで、都心部での一人暮らし需要を取り込む。

 CLTは木質材料の繊維方向が直交するように接着させた部材で、金属より軽くコンクリート素材と同等の強度がある特徴がある。木質素材独特の暖かさなどが感じられるような物件で、住居の一部や廊下といった共有スペースで、CLTならではの木目がそのまま見られるようにする。

 CLTの活用は工期の短縮や工事費の削減につながる。同規模のRC構造の物件では8カ月かかるという工期を、CLTでは半分の4カ月に短縮できるという。RC構造の物件に比べて建物重量が4割ほど軽量であるため、物件を支える基礎工事の工期を短縮できる。地盤の条件などによっては地中に打ち込むくいの数を減らしたり、作業を簡略化したりできる。そのため通常は1カ月半ほどかかる基礎工事の工期を3〜4割短縮できるという。

 このほかに柱など建物の構造部を組み立てる作業では3カ月と最も工期が長いが、これを6分の1に縮められるという。あらかじめ工場でCLT部材を組み立てるため、工事現場で必要な作業員の人数や工程を減らせる。全国的に職人の人数は減少し、作業者の負担軽減が課題だった。CLTを活用する物件では夏場での長時間の作業を減らせ、施工業者は請け負う物件数を増やすメリットがある。

 工期短縮は近隣住民の負担軽減にもなる。工事中にトラックが行き来する回数が減ったり、騒音を少なくしたりする効果が見込める。近隣住民とトラブルになる可能性を減らせる。工期短縮で早期に物件を引き渡し、通常の物件に比べて賃料収入を早めに支払うことで、物件オーナーの不安払拭にもなるという。

 新ブランドのフォルターブの平均の受注額は1億1000万〜1億2000万円ほどを見込む。工期短縮や人件費の圧縮などにより、これまでの物件より利益率が3ポイントほど改善するという。来年度にも発売するCLTを活用する賃貸物件は1部屋あたり2DKなどを想定しており、2〜3人暮らしのファミリー需要を取り込む。(亀井慶一)

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