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新宿中央公園、防災で存在感、活性化策や周辺再開発、施設と一体で一大拠点に。

[ 2019年10月4日 / 日本経済新聞 地方経済面 ]

 東京都新宿のランドマークの1つ、「新宿中央公園」の周辺で再開発が進んでいる。大手デベロッパーが相次ぎ大型物件を設置。公園自体の活性化策も始まっている。その結果、街の防災への対応力の強化にもつながっているようだ。これまで新宿エリアの西端とさえ見なされがちだった公園だが、防災面でその名にたがわぬ中心的な存在になろうとしている。

 公園の北側に位置する西新宿6丁目に、住友不動産が33階建てのビルを完成させた。4〜9階は全102戸の賃貸住宅「ラ・トゥール新宿アネックス」とし、中高層階はオフィスフロアになっている。隣には同社の「新宿セントラルパークビル」が稼働済みだ。「ニューヨークのセントラルパークのような、職住接近の街を目指す」(住友不動産)

 公園北側での開発はまだある。西新宿5丁目地区では中央南、北の地区で再開発事業が進む。それぞれ三井不動産系、住友不が開発に関わる。すでに同地区では三菱地所が60階建てのタワーマンションを完成させており、財閥系デベロッパーが軒を連ねることになる。

 新宿中央公園は旧淀橋浄水場跡地の再開発の一環で1968年に開設した。約8万8千平方メートルの広大な敷地に緑が生い茂る豊かな環境だ。ただ新宿駅から徒歩10分以上かかることもあり、にぎわいでは新宿の他地域に譲るところが大きかった。かつてはホームレスが集まっていたことでも知られる。

 だがここに来て周辺の再開発が相次ぎ、中央公園の存在感が高まる可能性が出てきた。

 南西部で始まるのが、野村不動産などによる「西新宿三丁目西地区」の開発だ。約4・8ヘクタールの敷地に2棟のタワーマンションを軸にした再開発で、住宅は3200戸と大規模を予定している。

 こうした開発がもたらすのは防災機能の向上だ。再開発地ではそれぞれ、公開空地を設けるなどして災害時に逃げ込めるようにしている。公園自体にも帰宅困難者の受け入れなどを含めた避難場所運営のガイドラインを設けている。公園を中心に周囲の施設も一体となった「一大防災拠点」としての様相を見せ始めている。

 住宅のみならず、訪日客を受け入れる態勢も強まる。公園南部では英インターコンチネンタル・ホテルズ・グループ(IHG)の「キンプトン東京・新宿」が20年に開業する。IHGのブティックホテルのブランドの1つ。すでに南部にある「パークハイアット東京」と並ぶ形で高級ホテルが登場することになる。

 中央公園周囲の魅力を高めるには、公園自体にも集客力を高める取り組みが欠かせない。ここでも変化が起こっている。

 9月下旬の夜、公園をのぞくとイベントが開かれていた。野外の映画上映で、この日は仕事帰りの人らが屋台の飲食とともに米作品「JUNO/ジュノ」を楽しんでいた。

 新宿中央公園では2020年5月をめどに、2階建てのカフェ・レストランが開業する。新宿区が設置等予定者に選んだ民間事業者が運営する。公園の池に子ども連れが訪れることが最近では多くなったが、より家族でも安心して訪れることができる公園へと変わる。

 変わる公園だが、課題もある。西側にはまだ木造住宅が密集する地域が残っており、大規模災害時の危険性が指摘されている。真の「セントラルパーク」への道はまだ終わらない。

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