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西松建、新事業へM&A、インフラ運営や再エネ視野。

[ 2019年11月5日 / 日経産業新聞 ]

 西松建設は本業の建設以外の新事業の育成に本腰を入れる。同社はコンセッションなどの枠組みを活用したインフラ運営や再生可能エネルギーなどの環境分野などが視野に入る。これに向け、スタートアップ企業への出資やM&A(合併・買収)に5年間で計30億円を投じる計画を発表した。収益源を多様化し、2028年3月期の連結営業利益を現状の2割増となる300億円に拡大する。

 同社の19年3月期の連結売上高は3493億円で前期比2割超の大幅増収だった。ただ売り上げのほとんどを景気動向などに左右されやすい建設事業で占める。同事業は東日本大震災からの復興需要や東京五輪・パラリンピックに向けた建設特需で近年は好況だったものの、20年以降の需要には不透明さも残る。

 そこで西松建設は建設事業以外の収益源を模索する。1つは足元で年間100億円弱の売上高を抱える不動産開発事業だ。12月に完成予定の東京都港区のオフィスビル「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」に事業参加するほか、金沢市ではライブホール「Zepp」の開発に取り組む。6月には富山市でホテル事業に参入すると発表した。22年に「ホテルJALシティ富山」を開業する。

 同社はこれに加え、建設などの既存事業とシナジー(相乗効果)が高い新事業を3つの柱で育成していく。1つはインフラ分野だ。公共施設などの運営権を国や自治体から取得する「コンセッション」などの枠組みを通し、インフラ施設などの企画・設計から建設、運営・管理までを手掛ける体制を整える。

 2つ目は環境分野だ。再生可能エネルギーなどの開発プロジェクトの運営のほか、ITを活用して快適な住環境を実現するスマートハウスなどといった生活環境の向上に資する分野も視野に入る。

 3つ目は自社が抱える資産を活用した事業だ。西松建設は建設関連の特許など知的財産を約2000件保有する。独自技術を他分野に応用し新事業として育てる。またタイなどの現地法人を活用した、外資規制のある海外での異業種との合弁事業も想定する。

 収益源の多様化に向け、西松建設が始めるのがスタートアップ企業への投資だ。新事業でシナジーを発揮できる新興企業への出資やM&Aに、今後5年間で計30億円を投じる計画を明らかにした。1社あたりの投資額は最大5億円程度を想定する。年度内にも第1号の投資を実現させる。

 28年3月期までに営業利益を300億円まで拡大させる計画。景気に左右されにくい不動産開発も含めた建設以外の事業で、全体の4分の1となる75億円程度の営業利益を稼ぎ出す考えだ。(高尾泰朗)

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