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石垣島で牛ふんメタンガス発電、テクノシステム。

[ 2019年11月1日 / 日経産業新聞 ]

 浄水装置や再生エネルギー発電を手がけるスタートアップのテクノシステム(横浜市)は、牛のふんを使ったバイオマス発電所を沖縄県石垣市に建設する。投資額は15億円で2020年8月の発電開始を目指す。発電能力は約550キロワットで、1300世帯の消費量に相当する。沖縄電力と売電の契約を結んでおり、年間1億6000万円の収入を見込む。

 牛ふんを直径26メートルの大型のタンクに集めて1カ月以上かけて発酵させ、取り出したメタンガスを燃焼して発電する。1日あたり約2500頭分の牛ふんを処理できる。ふんは周辺の農場などから提供してもらい、ガスを取り出した後の廃棄物は肥料として農場に提供するという。

 石垣市には年間130万人以上の観光客が訪れる。ブランド和牛「石垣牛」の需要が高まる一方、牛ふんの処理が課題となっていた。農家は排せつ物を有料で処分している。テクノシステムは当面無償で引き取り、知名度を高める方針だ。

 発電した電気は固定価格買い取り制度(FIT)により20年間、沖縄電力に1キロワット時39円で販売する。テクノシステムの生田尚之社長は「FIT期間だけで十分な採算性がある」とみる。稼働期間は35年間となる見通しだ。

 タンクはオランダのホストの製品を採用した。同社は欧州を中心に100カ所以上のバイオマス発電所を手がける。日本では今回が初めての導入になるという。牛ふんからメタンガスを取り出すには槽内の温度をセ氏35度前後にする必要がある。ホストの担当者は「温暖な石垣島は発電に適している」と話している。

 テクノシステムには他の酪農地からも家畜のふんを使った発電所の引き合いがあるという。数年以内に東北や北海道でも稼働を目指す。同社は09年に創業し浄水装置や飲食店向けの食品供給装置に独自技術を持っている。国内各地で太陽光発電施設や木質バイオマス発電施設を手がけており、その知見を石垣島の事業に生かす。(新田栄作)

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