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仙台マンション販売復調、震災後に住み替え需要増、地価下落歯止めの兆し。

[ 2011年7月21日 / 日本経済新聞 地方経済面 ]

ライフライン復旧早く 高い耐震性

 東日本大震災から4カ月がたち、仙台市中心部で新築分譲マンションの販売が復調してきた。仙台はマンションの供給過剰で販売が低迷していたが、震災後は住み替え需要が増えており、販売開始当日に完売した物件もある。建物の耐震性の高さに加え、中心部はライフラインの復旧が早かったことも背景にある。仙台ではオフィスや賃貸住宅の入居率も上昇しており、地価下落に歯止めがかかる兆しが出ている。

 JR仙台駅から徒歩10分の場所にある森トラストの地上29階建てマンション「ザ・レジデンス一番町」(244戸)。昨年6月に入居開始となった同マンションは震災前は成約率が約7割にとどまっていたが、震災直後から6月末までの間に約9割まで埋まった。

 地震の揺れを軽減する免震構造を採用しており、震災の被害は小さかった。完成済みですぐに入居できるため被災した住宅から移り住む富裕層の購入などが増えている。仙台でも沿岸部は電気の復旧が遅れたが、オール電化対応については「中心部は震災翌日に電気が通ったため、抵抗感が小さい」(同社)という。

 大京が来年1月の入居予定で昨年6月に発売した「ザ・ライオンズ定禅寺タワー」(192戸)は、震災後の1カ月当たりの成約戸数が震災前に比べ約6割増の15件で推移している。モデルルームへの来場数も約5割増加。地上29階建ての免震構造で備蓄倉庫には食料や水を完備している。大京によると「震災前から入居を検討していた人が防災性の高さを再評価して購入を決める例が目立つ」という。

 野村不動産が今年11月の入居予定で販売した「プラウド仙台榴ケ岡」(54戸)は震災後の4月末に第2期販売を行い全住戸が完売した。7戸の募集に対し11件の申し込みがあった。来年3月入居予定の「プラウド長町南ガーデンズ」(40戸)も5月に実施した第1期販売の29戸が即日完売した。

 仙台市では2007年前後の「不動産ミニバブル」でマンションが盛んに建設されたが、08年秋のリーマン・ショックで販売は落ち込んだ。同市に事務所を構える不動産鑑定士の千葉和俊氏は震災後のマンション市場について「購入者は災害リスクへの見方を厳しくしており、物件の立地や構造によって売れ行きが二極化する」とみている。


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