出展者ブログ

「Beesight」の開発秘話。認識システムの様々なニーズと活用法、今後の展開

顔認識アプリケーション「Beesight」は、スタンドアローンで運用でき、システムの提供価格が10万円~(税別)という、
今までの常識を覆す業界最安値(多分)の顔認識アプリケーションである。
2016年6月にβ版完成のリリースを行い、無謀にも10月に開催されたアジア最大のエレクトロニクスショーの
シーテックジャパンに出展したところ予想以上の反響となり、様々なお問合せと宿題をいただいた。

そもそもなぜ、当社が顔認識のアプリケーションを開発したというと、ヨーロッパのベンチャー企業が開発した
最先端のAI顔認識技術の開発キットと縁があって出会ってしまった事からである。

例えで言えば、立飲み屋で独りでビールを飲んでいたところ、隣の女性と意気投合してしまい、
その後、幾多の困難を乗り越えて結婚に至った言うところであろうか。
当社も顔認識開発キットと出会ってからは、順風万般での開発とはいかず、様々なハードルや、トンネルを抜けたら
またトンネルだったという状況が続いた。

しかし、当社が以前から手掛けているデジタルサイネージへの課題を解決するソリューションに顔認識機能は
最適だと思いこみ、神のお告げの如く、当社のスタッフは楽しい怒涛の日々に突入する事になったのである。
2015年秋の事である。

【デジタルサイネージへの課題を解決するソリューション】

・デジタルサイネージをオーディエンス(広告メッセージの受け手)は本当に視聴しているのか?
・オーディエンスの属性にあわせた最適なコンテンツを放映したい・
・視聴者のマーケティングデータはビッグデータになり得るのではないか。
・ネットワーク環境がないところでも運用ができる事が望ましい。
・そもそも既存の顔認識システムは高性能だが、コストもそれなりにかかる。


そもそも、アーツエイハングループが開発した顔認識アプリケーション「Beesight」の
顔認識【face recognition】と、現在、様々に普及されている顔認証【face authentication】はどのように違うのだろうか。

様々な諸説があるが、ウィキペディアによると「顔認識システム」も「顔認証システム」も同一の記述で、
「監視カメラのデジタル画像から、人を自動的に識別するためのコンピュータ用アプリケーションである。
ライブ画像内の顔と思われる部分を抜き出し、顔面画像データベースと比較することで識別を行う。」と記されている。

あたりまえであるが、「顔認識」であれ、「顔認証」であれ、カメラから取得したデジタル画像から人の
顔があるかどうかを調べて顔の場所を検出する「顔検出」を行い、検出した顔のデータを解析するところから始まる。
「顔検出機能」はコモディティ化されており、現在のデジタルカメラやスマートフォンなどには標準で備えられている。
その検出した顔からデータを抽出し解析をするのだが、当社の考え方は、「顔認識」は、検出された人間の顔から「性別」「年齢」「気分」などを識別することであり、「顔認証」は、その検出、識別したデータを事前にデータベースに登録されている顔データと「照合」し合致させることであり「顔認識」より一歩進んだ技術である。
現在、犯罪捜査やチケットの転売防止、流通店舗では万引防止などでも利用されている。
当然、プライバシーに関する「顔認証」は高い精度が求められており、サーバーを介した大規模なシステム構築が必要であり、相当の費用が必要であるのは言うまでもない。

また、顔データがサーバーに保存されていることで、個人情報保護法を遵守はもちろんのこと、
「顔認証システム・監視カメラ作動中」の表示も必要である。当社で開発した顔認識アプリケーション「Beesight」は、
「顔認証システム」と比べると精度は劣るが、ネットワークを必要とせず、価格も十分の一程度で、本当に気軽に活用できる顔認識システムである。

寿司屋に例えると、昔からある敷居が高く気軽に通えない寿司屋と、子供連れで楽しく通える
最近の回転寿司チェーン店くらいの差があると考えている。個人的には最近の回転寿司店のトロは侮れない。

※「顔認識システム」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2016年12月30日 (金) 15:08 UTC、URL: http://ja.wikipedia.org

これらを解決するために、「顔認識システムBeesight」は最適なアプリケーションである
一般的に顔認識や顔認証は、画像解析システムのテクノロジーによる通称AIと呼ばれる人工知能であり解析技術である。

カメラから⼊⼒された顔の画像を、数十箇所の特徴点(トラッキングポイント)から対象の顔の特⻑を捉え、
年齢層や性別、ムード(感情)のほか、顔や左右の目の座標、頭の回転、傾きなどの情報を取得、
そして辞書ファイルにあるデータと照合する事により識別するのだ。辞書ファイルは、
膨大なサンプリングデータからの深層学習(ディープランニング)であり、人間が普段行っているような
学習能力を持たせる機械学習から生成されたものである。この顔認識技術をスタンドアローンのAndroidで動かす事により、
下記の様な事に手軽に運用が可能である。

・マーケティングデータとして、コンテンツや商品などに興味を持って視点を移す人々に関わる情報を、高速で収集し、分析する。

・ネットワーク接続を必要としないスタンドアローン運用であるが、認識された取得データはSTBの端末にCSVの形式で保存されるので、 後々のデータ解析が可能になる。解析用のWebサーバを構築する事で、、グラフィカルな形でレポー可能になる。


・サイネージプレーヤ機能を設ける事により、デジタルサイネージと組み合わせ、オーディエンス(広告メッセージの受け手)の
属性に最適なコンテンツの表示が可能。

・解析した人々の顔面画像等は⼀切保存しないため、個人情報法には一切抵触しない。

・既存のサーバ運用型に比べるとコストは十分の一程度


以上の様な特長で、既存のサーバー型の顔認識システムに比べると非常に優れたコストパフォーマンスのシステムである。
当社の開発も順調に進み2016年6月に初期版が完成しプレスリリースを配信した。
反響のあった数社へデモンストレーションを行うと、数々の問題点が指摘された。

・認識の速度が遅い。
・性別判定、特に40代以上の女性の認識率が良くない。
・Beesightと他のアプリケーションとの連動はできないのか。
・ソフトの単価はローコストであるが、流通の複数店舗で数多くの端末で運用する場合
(1000ライセンス以上)で運用する場合のコストはもっと安価にならないのか。

このような課題を解決するために、様々なトライアンドエラーや「トンネルを抜けたらまたトンネル」だったというような日々が続いた。
また、開発の醍醐味と同時に、本当に販売できるのか!?という大きな不安が脳裏を過るのであった。

「認識速度が遅い」最適なハードウエアを探さなければ


「Beesight」のβ版での「顔認識速度が遅い」という課題をどう解決したらよいのか、
この課題は使用するハードウエアに依存するため、スペックの高い製品を使用しなければならない。
Androidは、一般的にはタブレットやスマートフォンに使用されているOSであるが、
顔認識のハードウエアとして使用する場合は、デスクトップ型PCの如く、
通称セットトップボックス(STB:Set Top Box 以下STB)と呼ばれている弁当箱程度の大きさのマシンを使用する。

通常Android版のSTBはケーブルテレビの受信端末やデジタルサイネージプレーヤーとして使用されており、
特に高いスペックを必要とされている訳ではなかった。
仮にスペックの高いSTBが見つかったとしても、当社のシステムとして販売する場合は、継続して安定供給される製品が不可欠であった。
当時テストしていたSTBは台湾製のAndroid のバージョン4.2 (通称KitKat版)であり、そこそこのスペックがあるSTBだったが、メーカー不詳で供給元の体制も不安の為、
信頼できるSTBを早急に探す必要があった。Androidの STBのマシンスペックの測定は、ベンチマークというアプリでグラフィックステストなどのスコアを計測する事で、「BeeSight」の安定稼動が出来るか否かの大雑把な判断ができるのである。

様々なSTBを探し計測した結果、日本製の4K映像再生用のSTBにたどりついたのである。
価格は高いもののマシンスペックは今までの製品の中では最高で、メーカーの信頼性もあり、この日本製のSTBを使用する事に決定した。同時に画像の解析に重要なカメラにおいても、
様々な製品をテストした結果、ツァイスのレンズを使用したUSBカメラを用いる事にした。

やはりツァイスレンズの性能は素晴らしく、高性能なSTBと組み合わせる事で「顔認識速度が遅い
」と言われた「Beesight」の認識速度は改善に至った。
しかし、まだ様々な課題が残っている。10月にある展示会「シーテックジャパン」には最善のシステムで出展したい。
解決しなければならない課題はまだまだ続くのである。熱く暑い夏となった。

続く


※セット トップ ボックス (STB:Set Top Box) は、ケーブルテレビ放送や衛星放送、地上波テレビ放送、IP放送などの放送信号を受信して、一般のテレビで視聴可能な信号に変換する装置。ブラウン管時代に「テレビの筐体(TV)の上に置く箱」だったことからこの名がある。

※ツァイス:カール・ツァイス社のレンズの総称


「セットトップボックス」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2016年10月4日 (火) 15:15 UTC、URL: http://ja.wikipedia.org





顔認識イメージ
シーテックジャパン2016に出展の模様

お問い合わせ

出展者名 アーツエイハン
担当部署 エイコム事業部
電話番号 03-3355-1241
E-mail face@eihan.com
URL http://eihan.com

このブログの出展者

アーツエイハン

「BeeSight」はカメラ画像に映し出された顔の画像から性別、年齢、そして気分などを瞬時に取得することが可能なシステムである。
付加価値のある顔認識機能付きデジタルサイネージ機や、集客や滞留などのマーケティングデータ取得に最適で、今までネットワークを介さないと稼働できなかった「顔認識技術」を「BeeSight」ではスタンドアロンでローコストで手軽に活用できる画期的なシステムである。