エコプロ

2023年12月6日(水)〜8日(金) 2023/12/06〜08 東京ビッグサイト 東ホール
日経メッセ > エコプロ > パームホルツ

出展者情報

パームホルツ

小間番号 : F-02
マレーシアやインドネシアで主要産業となっているパームオイルは、植林木であるオイルパームの果実を搾取してできる世界最大級の植物性食用油である。しかしながら、オイルを搾取した後のオイルパームは、伐採し放置され、利用されていないのが現状である。未利用資源のオイルパーム樹幹を原材料として利用し、圧密化、分離技術を施した建材。

出展内容の分類

  • SDGs
  • 建設、建築・建材
  • 住宅・住宅設備・インテリア
  • 廃棄物処理・リサイクル
  • 環境配慮・エコ活動

企業情報

担当部署 技術部
住所 〒484-0086
愛知県 犬山市松本町二丁目63番地
電話番号 0568-62-3859
e-mail contact@palmholz.co.jp
URL https://www.palmholz.co.jp
英文社名 PALMHOLZ

環境に配慮しているポイント

  • 製造過程で使用する素材を改善
  • 使用時に低公害・低エミッション
  • 廃棄時に排出される有害物質・環境汚染物質を削減
  • 製品・サービスの機能が環境を改善

SDGsの取り組み

未利用資源を原料とする人と地球環境に優しい建材
オイルパームをコアに表裏面にスギを配置して圧密化したベンチで、愛知県大学大学構内に設置され4年が経過している。
特許取得の分離装置で分離されたオイルパーム材。木質ボードの原材料として利用。

事業内容

オイルパーム(アブラヤシ)は、パームオイル(パーム油)の搾油を目的としてマレーシアやインドネシアで多く植樹されている。果実に含まれる油脂は、石鹸や植物性食用油、化粧料などの生産に使われており、パーム油の世界生産量は植物性食用油の中で最多である。
オイルパームは、1900年代にマレーシアに持ち込まれ、広大なプランテーションで植樹が行われ、その結果、同国の主要農産物の一つとなり、その量は世界生産の51%を占めるまでの生産国となった。
オイルパームは、3年程度で果実が実りはじめ、パーム油の搾油が可能となるが、年月とともに果実の収穫量が減少するため、パーム油を安定的に搾油するために、25〜30年で伐採して植え替えを行っている。
果実や空果房は、資源としての価値が見出されていたが、オイルパームの樹幹(Oil Palm Trunk = OPT)は強度や剛性が低く、建材としての利用は殆どなされていなかった。そのため、植林地には多量の伐採されたOPTが放置されている。パーム油を安定的に搾油するために、オイルパームの伐採と植樹が繰り返されているが、利用価値が低いOPTは土壌破壊の一因となって、オイルパーム農園を悩ませている状況にある。そのため、現在はそれを利用する研究が進められている。
当社は、ある日、マレーシア以上にオイルパームの植林が盛んなインドネシアの大学教授から、OPTの利活用の相談が持ち込まれた。OPTの利活用が実現できれば、オイルパーム農園の新たな価値となり、伐採・放置による土壌汚染の軽減に貢献できるのではないかと考え、OPTの利活用の研究を始めた。研究は、20人ほどの専門家とともに「TEAMパームホルツ」を結成し行ってきた。
そこで、OPTの利活用の研究として、スギの圧密化技術が応用できるのではないかと仮定した。圧密化技術は、元来、日本に戦後多く植樹され、伐採期になって利活用が問題となっていたスギの利活用研究で開発された技術で、当社の前身企業、マイウッド・ツー株式会社が特許を取得した技術である。床材には利用されていなかった軽軟なスギを高温高圧の圧密化技術で改良し、強度や硬度を高めて床材として利用できるようにしたものである。この技術によるスギ床材の施工実施例は、豊田市役所(愛知県)や綾てるはドーム(宮崎県東諸県郡)、吹上図書館(鹿児島県日置市)など全国600カ所以上に上る。
その仮定を元にOPTの圧密化の研究を開始した。スギと性質が全く異なるOPTは、加圧調整に苦戦したものの、OPTに含まれる成分が接着剤の代わりとなり、石油化学系接着剤を使用しなくとも自己接着により合板となる特徴があることが判明した。度重なる研究の末、圧密化技術によってOPTを高強度・高剛性の高付加価値合板に生まれ変わらせることに成功した。
価値ある資源となりえたのかを検証するため、日本で3件のOPTを利用したモデル施工を行った。一つは温泉ホテルの日本庭園にかかる池の橋と同ホテルのパウダールームの壁面や洗面カウンター、もう一つは大学中庭のベンチである。その結果、他の建材と同様に利用できる成果を得ることができ、OPTが価値ある資源に生まれ変わったことが証明されたと考えている。
OPTの利活用について12年間の長期にわたり研究開発を行ってきた。結果、圧密合板製造技術の確立の他、OPTの骨格をなす維管束と柔組織を分離して、維管束を主成分とする木質ボード化や糖分やデンプンを多く含む柔組織の飼料への利用など、OPTの包括的な活用を目指し、未利用資源のOPTを価値ある資源に生まれ変わらせることができている。
OPTの利活用をビジネスとして展開していくために、OPTの安定的な供給ルートの確保、OPT合板やOPT木質ボードの量産技術支援、OPTを利用したものづくりのための研究開発とその事業化を積極的に進めている。OPTを使用した製品の販売を目的に、パーム油の生産が盛んでありOPTの利活用に悩んでいるマレーシアを中心に、2022年には共同事業体、合弁企業を設立する予定である。これらの事業体を通じて、互いに学び、互いに課題を乗り越えながら、マレーシアの未利用資源OPTの活用でオイルパーム農園と木材加工産業にイノベーションを起し、SDGsの多くの目標に貢献する事業をしようとするものである。
OPTを利用した建材等の量産化により、マレーシア木材産業の活性化と未利用資源OPTの活用を図り、日本とマレーシア側の双方企業が、Win-Winの関係になることを目指す。その過程で新事業による農村部での雇用の創出、貧困層の減少、環境保全対策などSDGsに掲げる多くの課題を解消実践する事業である。