事業内容
株式会社アダムスセキュリティは、滋賀県草津市に拠点を置き、警備実務の提供と警備業に特化したシステム開発を両立させる「現場主義のDX(デジタルトランスフォーメーション)企業」である。同社は「ADAMS(Active and Action Modern Specialist)」というブランド精神を掲げ、能動的かつ最新のテクノロジーを駆使する専門家集団として、警備業界の近代化を推進している。
事業の核となるのが、交通誘導警備を中心とした警備実務である。現場での豊富な実務経験は、単なる労働力の提供に留まらず、システム開発における強力なドメイン知識(現場の知見)の源泉となっている。
同社のビジネスにおいて最も特徴的なのは、自社で警備業を営みながら、その課題を解決するために開発された管制システム「警備管制奉行」の展開である。これはSaaS(Software as a Service)形式で提供されており、以下の3点を主要な提供価値としている。
・管制業務の劇的な効率化
従来、警備業界では朝夕のピーク時に隊員からの電話連絡(上番・下番報告)が殺到し、管制官が疲弊することが常態化していた。本システムはスマートフォンによるGPS打刻を採用することで、電話連絡をほぼゼロにし、管制官が画面を見るだけで全現場の状況をリアルタイムに把握できる環境を実現している。
・事務負担の軽減とミスの極小化
現場での打刻データが日報、勤務実績、給与計算、請求処理へと一本の線で連動する仕組みを構築している。これにより、手書き日報の転記作業を排除し、事務員の物理的な負担(肩こりの軽減と表現される)と人的ミスの双方を解決している。
・警備業法への完全準拠と安全性
複雑な警備業法に準拠した帳票出力や、アルコールチェック管理、応援業者管理などの機能を備える。特に、2026年6月の大幅アップデートではアラート機能が強化され、配置漏れや確認漏れをシステムが自動検知して警告する機能が追加されるなど、安全性のさらなる追求が進められている。
同社の最大の強みは「警備会社による警備会社のための開発」という点にある。システム開発会社が作成する理想論的なソフトではなく、実務で直面する「これがあれば助かる」という細かなニーズを即座に反映できる体制を持つ。
また、独自の管制ロジックについては特許取得が確定しており、他社には真似できない技術的優位性を確保している。価格体系も、初期費用10万円、月額1.5万円(隊員30名まで)からの従量課金制を採用し、中小規模の警備会社でも導入しやすい設定となっている。
株式会社アダムスセキュリティは、現場での警備実務から得た課題を、自社のIT技術で解決し、それを同業他社へ提供するという循環型のビジネスモデルを確立している。人的ミスを極小化し、事務効率を最大化させる同社の取り組みは、人手不足が深刻化する警備業界における「持続可能な経営」のロールモデルを目指すものであると言える。