開幕初日のフランチャイズ・ショー2021 をチラ見せ!会場レポート(前編)
コロナ禍で注目を集める業態など152社が集結中
3月9日(火)に東京ビッグサイトで幕を開けた「第38回フランチャイズ・ショー2021」。日本最大級のフランチャイズの祭典にふさわしく、会場には152のフランチャイズ本部・代理店などの企業が集結。フードサービスや学習塾・美容系・コインランドリーから、コロナ禍需要で関心が高まっている抗菌・抗ウイルス対策ビジネスやゴーストレストランまで出展内容は多岐にわたります。
この記事では、初日となる9日(火)の会場の様子をレポートしつつ、いくつかの出展社にアポなしで突撃インタビュー! ビジネスの特徴やコロナ禍における現状などを根掘り葉掘りヒアリング。そして来場者にも話を伺ってみました。
新型コロナの感染防止対策もばっちり!
フランチャイズ・ショーの開場時刻は朝の10時。最寄り駅である東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ)の東京ビッグサイト駅に到着すると、開場前にもかかわらず多くの人が足早に東京ビッグサイトへと向かっていました。
みなさんお急ぎのようすでした
気になる新型コロナウイルス対策もばっちり。例年、用意されているペンは見当たらず、持参したペンで用紙に記入してプレス受付をし、さらに進むと......
検温をしないと入場できない仕組みになっています
また、会場のいたるところに消毒用のアルコールが設置されているなど、十分なコロナ対策を講じて開催しているようすでした。安心。
「これでもか!」というくらい設置されていました
検温とアルコール消毒を済ませたら、いざ会場内へゴー!
どんなフランチャイズビジネスがあるのかわくわく
受付で会場マップを配布しているので、これを片手に気になるブースまで行くのがおすすめです。150社以上も出展しているので、マップを見ずには効率的にまわれません。
マップがないと迷子になっちゃうほど広いんです......
出会いがいっぱい!歩くだけで楽しめるフランチャイズ・ショー会場内
西ホール3の入退場ゲートを潜り、いざ会場内へ。
入り口で大きな注目を集めていたのは、試食に行列、そしてイメージキャラクターである彦摩呂さんがお出迎えしていたMIGホールディングスのブース。
試食の行列ができていました
MIGホールディングスのイメージキャラクター・彦摩呂さんも会場にいらっしゃいました
じゃん!
ブースに展示されていたキッチンカーは、コロナ禍によって需要が拡大しているビジネスのひとつですね。こちらは、MIGホールディングスが展開する「カリガリ」のキッチンカーで、2019年の神田カレーグランプリで優勝したカレーが看板商品ですこの日(3月9日)がフランチャイズ展開スタートということで、インタビューをお願いしてみました。
お話を伺ったMIGホールディングス株式会社の山中勇毅さんによると、「カリガリは今回がフランチャイズ展開の0次募集ということで、北海道から九州までおよそ100カ所にもおよぶ最高の物件を抑えてお待ちしております」とのこと。
しかし、コロナ禍に飲食系のフランチャイズに加盟するのを悩んでいる方もいるはず----そんな方のために、コロナ禍における現状をストレートに質問してみました。
「確かにコロナによる影響はゼロではありません。でも、カリガリは直営店ですでにブランディングされていることもあり、カリガリを目的にご来店いただくことも珍しくありません。しかも、キッチンカーなので人の集まるところに出店できるのがメリットなんです」
誰もが大好きなカレーライス。しかも、神田カレーグランプリで優勝している味を自身でも販売できるなんて......考えただけで夢がいっぱいです。
巣ごもり需要で人気を博している「から揚げ専門店」もズラり
数ある飲食ブースのなかでも、取材班が気になったのはからあげ専門店の数。例年はほとんど目にすることのなかったから揚げ専門店ですが、2021年のフランチャイズ・ショーには5ブランドにもおよぶから揚げ専門店が出展していました。
試食に人が集まっていた「からあげの匠」
中津からあげ専門店「吉吾」
ハイブリッド型から揚げチェーン「からあげ原人」
原価率29.6%、営業利益26.6%を誇るからあげ専門店「鶏富士」
じつは、居酒屋さんで知られる「ワタミ」も唐揚げ専門店をチェーン展開しているって知っていましたか。そう、タレントのテリー伊藤さんが"大社長"を務める「から揚げの天才」です。
イメージカラーの黄色が目立ちまくりでした
どうしてから揚げがここまでブームになったのか。そして、各から揚げ専門店はいかにして差別化を図っているのか。気になったので「から揚げの天才」に直撃してみました。
対応してくれたのは、ワタミ株式会社の米塚圭太さん
2018年11月に「からあげの天才」の1号店がオープン。2020年1月にフランチャイズ展開をスタートすると、たった1年で加盟店がおよそ70店舗まで増えたそうです。街を歩けばから揚げ専門店をよく見かけますが、なぜここまで急激に増えたのでしょうか。
「たとえば、タピオカは急激にブームになりましたよね。一方、から揚げは一過性のブームではなく、常に人気がある食べ物。コンテンツ力が強く、流行り廃りがありません。そういった理由もあり、いま急激に増えているのではないでしょうか」
確かに、熱々のから揚げは日本人なら誰もが大好き!見つけるとついつい買っちゃうのは筆者だけではないはずです。では、数あるから揚げ専門店の中でも「から揚げの天才」の特徴とは。
「まずは値段の安さです。から揚げの天才のから揚げは、1個60グラムで、値段が99円なんです。100グラム換算すると165円ぐらい。ほかよりも圧倒的に安いはずです。それでいてそこそこおいしい。圧倒的においしいとまではいいませんが、そんなにおいしくないから揚げはむしろありませんからね(笑)」
安くてそこそこうまい----そんなから揚げがウケて人気を獲得している「から揚げの天才」。コロナ禍の巣ごもり需要により、テイクアウトが大きな注目を集めていますので、ぜひから揚げ専門店を検討してみてはいかがでしょうか。
フードにテクノロジーを掛け合わせた「フードテック」とは!?
コロナ禍にふさわしく、非接触で本格的なハンバーガーが買える「ブルースターバーガー」も注目のフランチャイズのひとつ。こちらは「焼肉ライク」などを手がけるダイニングイノベーショングループの新業態です。
ブルースターバーガーのコンセプトは「フードテック」
ブースの四方田豊さんにブルースターバーガーの特徴を聞くと、「まずは支払いです。専用のアプリを使ってご自宅でも職場でもどこからでもご注文でき、決済まで済ませられます。いわゆるモバイルオーダーを導入しています」とのこと。
でも四方田さん、モバイルオーダーなら最近よくありますよね......
「それだけではないんです。店内に番号を振った棚(ロッカー)があるのですが、その棚からお客さまご自身でハンバーガーを取っていただく。なので、完全に非接触でご購入いただけるんです。もちろん、モバイルオーダーではなく店内でもご購入いただけるのですが、その際もモバイルからオーダーしていただき、セルフレジでお会計をしていただきます」
コロナ禍ということもあり、買い物ですら人と接触することを避けている方も少なくありません。そんな方にはぴったりのビジネスではないでしょうか。
「非接触にすることで、スタッフはキッチンにしか配置しなくていいんです。いまは多くの飲食店が人手不足に悩まされていますし、人件費が上がって採用が厳しくなっています。でも、ブルースターバーガーなら最低限の人件費で済むだけでなく、イートインスペースもありませんので、箱も小さく賃料も安く抑えられます。なので、コンセプトにも掲げている本当に美味しいハンバーガーをファストフード価格でご提供できるんです」
フランチャイズ展開は2021年4〜5月を予定。続報に期待!
もっと詳しく知りたい方は、3月10日のセミナー当日、フランチャイズ・ショー内のセミナー会場で、立ち見もできず入場制限が敷かれるほど盛況だった、『Dining Innovation Investment Founderの西山知義氏の会場セミナー』が、4月30日までフランチャイズ・ショーOnlineのセミナー会場で、アーカイブ配信されていますので、是非お聞きください。
<セミナー>フードテック×ニューノーマル時代の新業態
●講師:西山知義氏
Dining Innovation Investment Founder
ひとりで行ける相席屋「THE SINGLE」がFC展開スタート
コロナによってわたしたちの生活が一変しましたが、中には変わらないものもあります。それが、男女の出会いです。
「オンラインお見合いなどがトレンドになりましたが、オンラインだけでは物足りず、その後は絶対に会いたいので、カフェや居酒屋さんなどで会ってるんです。なので、出会いの形は増えましたが、"会う"という点では変わりありません」
そう語るのは、「相席屋」を展開する株式会社セクションエイトの太田光則さん。
「オフラインでも最終的には直接会いたいんです!」
相席屋といえば、知らない男女同士が相席する出会い・婚活応援酒場。そんなセクションエイトの新業態が「THE SINGLE」です。
「相席屋は2人以上でないと入店できません。でも、いまはコロナ禍ということもあって誰かを誘って相席屋に行きづらいですよね。そんな時は、ひとりでも行ける『THE SINGLE』がおすすめです。システムは相席屋と同じですが、1対1に限定しているので、コロナ禍でも出会いの場をご提供できるんです。もちろん、飛沫シートやモバイルオーダーなどを導入しているので、コロナ対策も申し分ありませんよ」
フランチャイズ展開は2021年3月1日スタート
営業時間の短縮などにより、苦戦を強いられている居酒屋さん。そんな居酒屋さんにとくにおすすめのフランチャイズだそうで、「THE SINGLEは業態変更を考えている方に最適な業態です。空中階など立地条件が良くなくても集客できる業態なので、集客にお困りの居酒屋さんなどはぜひご検討いただけると幸いです」
営業利益率30〜40%で、1年で投資回収も可能
3月11日(木)11時からの40分間、フランチャイズ・ショーの会場内で「THE SINGLE」の出展社ワークショップが開催されます。無料で参加できますので、気になる方はぜひご参加を。
11:00~11:40
THE SINGLE
FC加盟企業新規募集!非接触業態でコロナに強いソロ活相席屋
クラウドキッチンとはいったい!?
コロナを境によく耳にするようになったのが「ゴーストレストラン」や「バーチャルレストラン」という業態。実際の店舗はなく、キッチンで調理した料理をデリバリーのみで販売する手法で、東京都内を中心に加速度的に増えています。
そんなゴーストレストラン用の「クラウドキッチン」を提供しているフランチャイズを発見。こちらの「Our Kitchen株式会社」です
クラウドキッチンってなんだろう......
「ひとつの場所を区切り、6個のキッチンをレイアウトしています。そこに6組の飲食店に入っていただき、デリバリーやテイクアウト専門店として運営していただきます」
そう教えてくれたのは、Our Kitchenの代表取締役・須藤真希さん。確かに物件を探すのに手間がかかるのは否めませんが、ゴーストレストランなら二等立地や三等立地でも開業できます。つまり、はじめて開業する方でも物件探しはできるはず......。
「でも、物件を借りると保証金が10カ月分必要になるなど、初期費用が莫大に必要になってきますよね。たとえば港区白金(東京都)だと、毎月の家賃は安くても30万円や50万円、高いと100万円ほどになることも珍しくありません。さらに内装工事などで数百万円かかるので、安くとも物件取得費だけで500万円ほど必要です。一方、Our Kitchenのクラウドキッチンなら初期費用が100万円で、白金店なら月々20万円の家賃で借りられます。しかも、Uber Eatsや出前館などの登録もすべてこちらで代行しますので、はじめての方でも低リスクで、かつ手間もなくスタートできるんです」
できるだけ初期費用を抑えて開業したいのが検討者の本音......。それを叶えてくれるのが、Our Kitchenが展開するクラウドキッチンなんです。
「初期費用だけではありませんよ。退去するとき、普通ならスケルトンにするための費用やクリーニング代が必要です。でも、クラウドキッチンならそれらがすべて必要ありません。入居時はもちろん退去時もコストを抑えられるんです」
飲食系のフランチャイズに加盟を検討している方の中には、不安を感じている方もいるかもしれません。しかしそんな中でも、新たな切り口で需要を獲得しているブランドも数多くありますので、引き続き検討してみてはいかがでしょうか。
コロナ禍で重要な感染防止対策商材をアピールするブースも
コロナ禍で新たな需要が誕生し、急激に成長を遂げているビジネスがあります。それは、抗菌・抗ウイルス対策ビジネスです。
このご時世、とくに店舗などの施設ではこまめな消毒や除菌が必要不可欠。しかし、スタッフの負担を考えるとそう簡単なことではありません。そんな時に活躍してくれるのが、株式会社ブレスが販売するAT254チタンコートです。
「このAT254は無色透明の液体なのですが、新型コロナウイルスに対する不活化の実証実験を行ない、98.8%不活化することに成功しました」
そう話すのは、株式会社ブレスの執行役員・熊手えりさん。ブレスではこのAT254チタンコートを飲食店や病院、学校、老人施設などの壁や家具にコーティングする事業も展開しています。
「新型コロナを機にコーティングのニーズが急激に増えました。弊社は東京と大阪、名古屋、福岡に直営店があるのですが、とてもじゃないけど対応し切れないほどの問い合わせをいただき、代理店展開をスタートしました。それが『空気の王様』です」
驚くべきことに、2020年に代理店を募集して以降すでに100を超える法人や個人が加盟。今後もニーズが増え続けることから、フランチャイズ・ショーへの出展を決めたそうです。
ニーズはいまもなお拡大中
「飲食店とお取引があるおしぼり業者さんや、お酒のルートセールスをしている会社さんなども加盟しています。すでに事業を展開していて、さまざまな企業さまとお付き合いのある法人・個人のかたにおすすめのビジネスです。副業でも大歓迎です!」
コロナ禍にベストマッチなビジネスとはまさに「空気の王様」のこと。まだまだ代理店を募集中ということですので、気になる方はぜひフランチャイズ・ショーの会場で直接お話を聞いてみてはいかがでしょうか。
今年は美容・健康系のフランチャイズが人気!?
フランチャイズ・ショー2021の会場内を歩いていて気になったのは、例年よりも美容・健康に特化したブランドが多く出展している点。毎年、一定数のブランドが出展していますが、今年は例年以上に多いのが印象的でした。
その中でも取材班が気になったのは、平均粗利益率70〜80%を誇る「ミスエステ」。なぜ、ここまで高い粗利益率を実現できるのでしょうか。
「ミスエステはエステサロンのフランチャイズなのですが、化粧品などの物販をベースとしているので高い粗利益率をキープできるんです。いま、エステティック業界は二極化していて。技術だけを提供するサロンがある一方、技術と化粧品を提供しているサロンがあります。ミスエステもですが、圧倒的な成長を遂げているのは後者なんです」
化粧品はすべて自社で開発、製造しているそうです
化粧品はリピートして買うことが多く、継続的な利益が見込めます。つまり、利益が固定化するとも言い換えられ、その結果、コロナ禍のいまでも化粧品の売り上げはまったく落ちていないそうです。すごい!
圧倒的に成長中のミスエステについてもっと知りたい方は、3月12日(金)12時から開催されるワークショップに参加してみてくださいね。
12:00~12:40
ミスエステ
コロナに左右されない!高収益約7割〜のエステティックビジネス
コロナの影響を一切受けない「ワーカウト」
コロナの影響を受けていないビジネスはほかにもあります。株式会社アニスピホールディングスが展開する「WORKOUT(ワーカウト)」です。アニスピホールディングスといえば、ペット共生型障害者グループホームの「わおん」を全国に400事業所以上展開している企業でもあります。
驚異のスピードで成長中
そんな同社が2020年11月にフランチャイズ展開をさせたのが「ワーカウト」。運動療法をメインとした障害者デイサービスです。
アニスピホールディングスの代表取締役・藤田英明さんによると、「医療法人や建設会社など、すでに5社が加盟しています」とのこと。
「コロナによる影響はまったくない」ということですので、新規で事業スタートを検討している方は、社会的にも意義のあるワーカウトも検討してみてください。
来場者の方にもインタビュー
会場内をひと通りまわったところで、お次は来場者にお話を聞いてみました。まず立ち止まってくれたのは、ベーカリーを経営している50代のこちらの男性。
千葉県から参加。ご協力ありがとうございました!
フランチャイズ・ショーには、「毎年来てるので、もう10回とか15回とか来ているはずですよ」とのこと。目的としては、「いまはこんな状況なので、ベーカリー以外にも別の柱を作りたくていろいろ見てまわっていました。ベーカリーとはちょっと違いますが、から揚げ専門店が気になりましたね」。
やっぱりから揚げが大人気!
フランチャイズ・ショーなどリアルのイベントに足を運ぶ目的としては、「ネットだといいことしか載ってませんからね(笑)。ネットだと本部の温度感も分からない一方、リアルの場で担当者と話したらレベル感も分かる。こっちは命をかけてやってるので、やっぱりネットよりもリアルのイベントのほうがいいですね」。
そして、顔写真は残念ながらNGでしたが、不動産会社に勤務する36歳の男性にもお話をお聞きすることに成功。
フランチャイズ・ショーにははじめて参加したそうですが、「情報収集のために埼玉県から参加しました。コロナで辛い時期だとは思いますが、飲食関係がかなり盛り上がっていて、活気を感じました」。
おふたりとも、ご協力ありがとうございました!
フランチャイズ・ショー気になる!となったらぜひ会場へ
他にも会場にはメディアで話題のブランドも出展していましたよ。
ひとり焼肉で人気の「焼肉ライク」
なかにはお店を再現しているブースもありました
また本編では紹介しきれませんでしたが、LINEで画像を送れば5分でノベルティを作れるというショップインショップ型の「すまでこ」というフランチャイズの出展もありましたよ
繰り返しになりますが、「第38回フランチャイズ・ショー2021」は3月12日(金)まで開催中です。もしお仕事などでどうしても都合がつかない場合は、オンラインでも開催中ですので、お時間を見つけてオフライン、オンラインともにアクセスしてみてくださいね。お待ちしております!
(※会場レポートをpdfでご覧になる場合はこちら)