出展者と来場者にインタビュー!3日間で2万3千人以上が駆けつけた「フランチャイズ・ショー2023」をレポート<後編>
記念すべき40回目となる「フランチャイズ・ショー2023」が、3月1日(水)〜3日(金)の3日間にわたって開催されました。会場となった東京ビッグサイトには、219の企業や団体が一堂に集結。3日間合計で23,000人以上が足を運ぶなど、日本最大級のフランチャイズの祭典にふさわしい盛り上がりとなりました。
この記事では「フランチャイズ・ショー2023」の会場の様子をインタビュー付きで徹底レポート。出展者には「出展したきっかけ」や「出展した感想」を、来場者には「来場した感想」などをお聞きしました。
2023年の東京開催は終了しましたが、7月20日(木)〜21日(金)にはインテックス大阪で「フランチャイズ・ショー大阪2023」が、2024年3月には再び東京で「フランチャイズ・ショー2024」が開催されます。ぜひチェックしてみてください。
来場者数は昨年の約132%!大いに盛り上がった「フランチャイズ・ショー2023」
今年で40回目の開催となった「フランチャイズ・ショー2023」。会場には、毎年多くの来場者を集める飲食系はもちろん、コロナ禍以降、需要が拡大しているフィットネス・美容系サービスなど、じつに219のフランチャイズや代理店本部などが集結しました。2022年開催の出展者数は177社なので、23%も増えた計算です。
しかも、そのうちの96社ははじめての出展。「フランチャイズ・ショー2023」を契機にフランチャイズ展開をスタートさせる本部もあるなど、コロナ禍が落ち着き、経済活動が活発化していることを実感する結果となりました。
気になる来場者数は、3日間合計で23,644人。2022年は3日間で17,831人だったことを考えると、会場の盛り上がりをイメージしていただけるのではないでしょうか。実際、インタビューに応じてくれた出展者からは「去年3日間分を初日の1日だけで集客できた」「今年の盛り上がりはすごい!」などというポジティブな声が聞こえてきました。
一方、来場者からも「2022年開催よりも活気がある!」「コロナ終息が見えてきて盛り上がっていた」という声をいただいています。
出展者にインタビュー!フランチャイズ本部はもちろん、集客支援のブースも
日本国内だけでなく、海外からも多くのフランチャイズ・代理店本部が戻ってきた「フランチャイズ・ショー2023」。ここからはその様子をレポートしていきます。
日常はすぐそこ、昨年にも増して飲食系が大盛り上がり!
数ある業種・業態のなかでも、毎年大きな盛り上がりを見せるのが飲食ゾーン。圧倒的な出展数を誇るだけでなく、各ブースの威勢の良いかけ声により、会場内の熱気を一気に引き上げてくれます。コロナ禍の影響が強かった2021年と2022年は少し寂しさを感じることもあった飲食ゾーンでしたが、2023年の今年はコロナ前と遜色ないほどに熱気が復活。多くの本部が実店舗さながらにブースを設計するだけでなく、来場者に試食を配るなどしてアピールするなど、大いに盛り上がっていました。
「淡路島バーガー」
「高木珈琲」
「IVO ホームズパスタ」
「コロッケのころっ家」
「小麦の禁断症状」
「レックス・ベリー」
「フラワーおはぎ専門店 Oh!huggy!! 」
なかでも多くの来場者が足を止めていたのが、"0秒レモンサワー"でお馴染みの「ときわ亭」のブース。じつは「ときわ亭」は、2019年の誕生からわずか2年半で70店舗を達成しただけでなく、コロナ禍にもかかわらず月商1,000万円を記録する店舗が続々誕生したとのこと。
「0秒レモンサワー®仙台ホルモン焼肉酒場ときわ亭」
そんなときわ亭に「フランチャイズ・ショー2023」出展の手応えをインタビュー。GOSSO取締役でコーポレート本部長 兼 CFOの多和 好人さんにお聞きしました。
多和さん、よろしくお願いします!
「フランチャイズ・ショーにはコロナ禍を含め、今年で4年連続出展しています。まだ2日目ですが、現段階で想定していた以上に名刺の交換ができている状況です。フランチャイズ・ショーは日本最大級のフランチャイズの祭典ということもあり、来場者が圧倒的に多いだけでなく、決裁権者とダイレクトにお話できるのも魅力のひとつ。実際、確度の高い商談が1日目だけで3件もできました」
フランチャイズ・ショーには脱サラ組の個人はもちろん、企業の担当者が多く訪れます。なかでも経営層と直接話ができることから、その場で契約につながるケースも珍しくありません。キーマンに会えずに悩んでいる加盟店開発担当者にとっては、フランチャイズ・ショーのような巨大イベントがその悩みを解決するかもしれません。
「担々香麺 アカナツメ」
続いて話を聞いたのは、ブース内にトレーラーハウスを乗り入れていた「担々香麺 アカナツメ」。入り口の近くに大きなブースを構えていたこともあり、多くの人が興味を示していました。いったい、どんなフランチャイズなのでしょうか。本部のトレーラーハウスデベロップメント 店舗開発部部長の青谷 隆行さんにお話を伺いました。
「担々香麺 アカナツメは直営店を3店舗展開中で、このフランチャイズ・ショーではじめてフランチャイズ募集をスタートしました。自慢の坦々香麺は、本場中国のシェフが20種類以上のスパイスをブレンドして作っています。日本人の口にも合うよう、スパイシーなだけでなく、旨味も感じられる味付けに仕上げているのが特徴です」
左がシェフの徐志平さんで、右が執行役員 外食事業部 店舗開発部 部長の青谷隆行さん
「また、初期費用の安さが魅力で、通常、飲食だと1,500万円から2,000万円を必要とするのは当たり前。なかには3,000万円以上必要なことも珍しくありません。ただ、それだけの金額を投資しても集客できなかったらすべてが水の泡になってしまいますよね。一方、担々香麺 アカナツメの場合、たとえば700万円でこのトレーラーを作り、商業施設の駐車場などに出店する。もし人気が出たらその商業施設のフードコートに店舗を構えることもできます。仮にそこの駐車場で集客ができない場合は、集客できるところを探して移動すればいいだけなので、常にリスクヘッジをしながらビジネスできる点も魅力です」と青谷さん。
コロナ禍で悲痛な声が聞こえていた飲食ゆえ、興味がありながらも加盟に足踏みしている人も少なくないはず。そういった人はリスクを抑えて加盟できる「担々香麺 アカナツメ」を検討してみてくださいね。「担々香麺 アカナツメ」も「ときわ亭」と同じく、来場者から多くの反響をいただいたそう。
「初日だけで4組の方と深い商談をすることができました。そのうちの1組が坦々麺の本場中国の方で、アカナツメの坦々麺を試食して『この味をぜひ母国に持って帰りたい!』と絶賛していただきました!その場で試食をしてもらえて、深い商談につながるのもフランチャイズ・ショーの魅力ですね」
スタッフいらず!無人店舗経営できるジムやエステも多数登場
飲食とは対照的に、コロナ禍で大きな需要を獲得したビジネスもあります。それは、フィットネスジムや、美容・健康に関するビジネスです。とりわけ、緊急事態宣言により多くが休業を余儀なくされたフィットネスジムですが、その後の健康ブームの影響もあって需要がV字回復。今後も安定した成長が見込まれるなか、「フランチャイズ・ショー2023」でも多くのフィットネスジムがブースを構えていました。
「9ROUND(ナインラウンド)」
「FIT-EASY」
一方、多くのオーナーが人手不足に悩まされているのも事実......。そこで注目されているのが、無人で運営できるフィットネスジムやセルフ型の美容エステです。消費者としても比較的リーズナブルな値段で利用できるだけでなく、非接触でサービスを完結できるなどのメリットがあります。「フランチャイズ・ショー2023」でも多数の無人店舗経営できるフィットネスジムやエステが出展していました。
「NATURE FITNESS」
「Beauty Place」
「LifeCoach」
「じぶんdeエステ プッチ」
そのなかで、コロナ禍よりも以前からセルフエステティックサロン「DiDiA」を運営しているb diamondの喜多 恭央代表にインタビュー。出展したきっかけやフランチャイズ・ショーに出展するメリットなどをお聞きしました。
喜多代表、よろしくお願いします!
「去年に続いて今年で2回目の出展です。去年はコロナ禍でいつもより来場者数が落ち込むことが予想されていましたが、そんななかでも反応が良かったんです。そういうのもあり、今年も出展することにしました。今年は去年以上に大盛況で、去年の3日間の商談数を1日目だけで上回る勢いでしたよ。ちなみに、同時出展している『毛穴専門店Bébé』では、初日だけで2件の契約が決まりました」
会場が熱気に包まれるなか、興奮気味に話してくれた喜多代表。最後にフランチャイズ・ショーなどのリアルイベントに出展するメリットを聞いてみました。
「セルフエステDiDiA /毛穴専門店Bébé」
「サービスを実際に体験していただける点も魅力ですね。店舗でサービスを受けていただくのは女性がメインですが、加盟いただくオーナー様はほとんどが男性です。オンラインだとどんなサービスかイメージできませんが、こういったリアルイベントならサービスを実際に体験していただける。つまり、イメージがつきやすくなりますよね。それがフランチャイズ・ショーに出展する魅力のひとつだと感じています」
「100人乗っても大丈夫!」のイナバがフランチャイズ展開!?
会場内をうろうろしているだけでも情報収集ができるフランチャイズ・ショー。ふと歩いていたら、「イナバのトランクルーム経営」と書いてあるブースを発見しました。「イナバ」って、あの"100人乗っても大丈夫!"のイナバでしょうか。
「イナバクリエイト」
「はい、あのイナバです。イナバクリエイトは稲葉製作所のグループ企業で、イナバ物置を使ったトランクルームの運営などをしています。トランクルームのオーナー様になっていただける方を募集中です」
そう話してくれたのは、イナバクリエイトの取締役 営業本部本部長である奥田昇司さん。CM効果もあって多くの人が知るイナバ物置ですが、投資型のビジネスとしても注目を集めるトランクルーム経営のフランチャイズ募集をしているとは知りませんでした。
「じつは、すでに全国に250店舗、7,000室を展開しているんですよ。日本はまだトランクルームのシェア率は低く、世帯に対して1%くらいしか供給されていません。一方、日本を除く先進国では、世帯に対して10%くらいが供給されていて、現在も右肩上がりで伸びているビジネスになります。日本は先進国でモノがあまっている状態ですよね。かつ、高齢社会で、モノを持っている方々の比率が増えていることからも、まだまだ伸びる事業だと考えております」
訪日メディアが「フランチャイズ・ショー2023」に出展!?
続いて気になったのは、訪日・在日外国人向けメディア「MATCHA」のブース。訪日メディアとしては日本最大級で、月間の最高アクセス数は663万を誇るほどだそう。しかし、なぜ訪日メディアを運営するMATCHAがフランチャイズ・ショーに出展しているのでしょうか。気になったのでブースを突撃し、MATCHAの杉崎 健太さんにお話をお聞きしました。
左がアシスタントプロデューサーの木野本賢さんで、右がインバウンド実務主任者の杉崎健太さん
「出展の目的は大きく集客とPRの2つです。1つ目の集客については、2022年の冬ぐらいにMATCHA Contents Managerというサービスをリリースしました。たとえば、インバウンドの集客をしたくてもできない事業者の方などが、 セール情報などをMATCHAに自由に投稿できるサービスです。日本最大級の訪日メディアなので、広くアピールできるのが魅力です。PRについては、インバウンド集客のコンサルなども展開しているので、MATCHAというメディアおよび会社を知っていただけたらと考えています」
2日目に行われたMATCHAのセミナーには多くの方が参加
フランチャイズや代理店募集以外にも、集客やPRなどで「フランチャイズ・ショー」に出展する企業も珍しくありません。3日間で23,000人以上が訪れるだけでなく、多くの事業者が一堂に会する貴重な機会。新たな集客チャネルを探している企業も出展を検討してみてはいかがでしょうか。
来場者にインタビュー!「フランチャイズ・ショー2023」の来場者の声
去年よりも5,000人以上多く訪れた「フランチャイズ・ショー2023」。出展者の数も去年よりも2割以上増えているので、情報収集もはかどったはず。ここからは、当日会場に来ていた来場者にインタビュー。フランチャイズ・ショーに来てみた感想などをお聞きしました。
「シミュレーションゴルフの情報収集をしに札幌から来ました」
「活気にあふれ大変参考になりました!」
まず足を止めてくれたのは、札幌からお越しのこちらの男性。LPガスを販売する会社を経営しているそうですが、「業界の将来を考えて新規事業を展開しようと考えています。2022年の11月に24時間営業のコインランドリーをオープンさせたので、併設できる無人のシミュレーションゴルフの事業展開も検討しています。今日は、シミュレーションゴルフの情報収集に札幌から来ました」とのこと。
スケッチブックには、「活気にあふれ、大変参考になりました」と感想を書いてくれました。フランチャイズ・ショーの会場は終始熱気に包まれ、さながらお祭りのような雰囲気。一度に多くの情報を得られることから、毎年日本全国はもちろん、海外からも多くの方が足を運びます。
「新規事業として店舗型ビジネスを探しています!」
続いては、3年連続フランチャイズ・ショーの会場に足を運んでいるという男性。東京と千葉県内で複数の飲食店を経営しているとのことですが、「飲食ではなく、フィットネスジムなど同じく店舗型のビジネスをフラットな目線で探しにきました。飲食はやはりコロナ禍で売り上げが不安定だったので、不測の事態があったときにも補えるようなビジネスを探しています」と答えてくれました。
「思いもよらぬビジネスの情報を収穫できました」
「とても参考になりました」
次に足を止めてくれたのは、医療系の会社に勤めているというこちらの男性。将来的に脱サラすることを念頭に入れ、今のうちから情報収集をしているそう。
「もともとパンが好きで、パン屋さんで独立しようと考えていました。でも、今日こうして会場を歩いていたら、これまでの経験をいかせる訪問看護のフランチャイズもいいなって。ネットだと自分の興味のある情報にしか目がいきませんが、フランチャイズ・ショーなどのリアルイベントだと、さまざまな情報が得られて選択肢が広がります。とても参考になりました」
フランチャイズ・ショーの会場内にはさまざまな業種・業態のフランチャイズ・代理店本部がブースを構えています。ネットだと能動的に情報を得にいく必要がありますが、フランチャイズ・ショーなら受動的にでもさまざまな情報が得られます。これもリアルイベントの大きなメリットといえます。
「インバウンド向けのビジネスを探しに来ました」
続いてインタビューに応じてくれたのは、浅草でゲストハウスを運営している男性。大阪開催のフランチャイズ・ショーに続いて2回目の来場ということで、リアルイベントの魅力を聞いてみました。
「フランチャイズ・ショーなどのリアルなイベントは対面で話ができたり試食できたりするのがいいですね。こちらの質問に対する返答や、そのリアクションなどで"会社のほど"が知れます。ネットだと平面的な情報なので、どういう本部なのかが分かりませんからね」
「異業種での事業展開を検討しています」
「コロナ終息がみえてきて盛り上がってました」
来場者インタビュー5組目はこちらの男女2人組。ビルや店舗の修繕など、メンテナンス系の会社を経営しているそうで、新規事業の情報収集としてフランチャイズ・ショーに来場したそう。まったくの異業種でビジネスを探しているそうですが、その意図とはいったい!?
「コロナの影響もあって、異業種で事業をスタートさせることで国から補助金が出たりするんですよね。なので、まったくの異業種でビジネスを探していました。コロナ終息がみえてきて会場内も盛り上がってましたね」
フランチャイズであればノウハウなどがパッケージ化されているので、異業種での事業スタートに打って付け。異業種で事業を検討している企業は、いっきに情報収集できるフランチャイズ・ショーに足を運んでみてはいかがでしょうか。
「フランチャイズを活用して新規事業を立ち上げ予定です」
「withコロナを経て業界の復興・盛り上がりを感じました」
続いて話を聞かせてくれたのは、アウトソーシング系の企業に勤めているこちらの女性。フランチャイズを活用した新規事業の立ち上げを検討しているそうです。
「海外向けのビジネス、もしくはフィットネス系、美容系で探しています。もう4社から話をお聞きしましたが、時間の許す限りたくさんの本部からお話をお聞きする予定です。コロナも落ち着き、盛り上がりを感じますね」
「本部を構築するための勉強として名古屋から来ました!」
フランチャイズ・ショーには、フランチャイズや代理店に加盟したい人だけが足を運ぶわけではありません。こちらの男性は、また違った目的でわざわざ名古屋から会場に足を運んだそうです。どんな目的でしょうか。
「じつはフランチャイズ展開を考えていて、ロイヤリティなどをどうしていくべきか勉強するために来ました。フランチャイズ・ショーの会場に来ればいっきに情報収集できるだけでなく、最近のトレンドなども分かっていいですね。今年は無人で経営できるビジネスの出展が多いように感じました」
次回は7月に大阪、2024年3月に東京で開催
今年も大盛況のうちに幕を閉じた「フランチャイズ・ショー2023」。次回は7月20日(木)〜21日(金)の2日間、インテックス大阪で第3回目となる「フランチャイズ・ショー大阪2023」が開催されます。
そして、2024年の東京開催は3月13日(水)〜15日(金)の3日間を予定しています。新展示会の「街・店・観光トレンドEXPO(仮称)」も併設して開催予定です。「店づくり新業態」「観光・インバウンド」「アウトドア・サウナビジネス」「NIPPONフードトレンド」の4つのカテゴリーで構成。「コト消費」「ストーリー消費」の最新情報を含め、話題のビジネストレンドを集中してご紹介予定だそうなので楽しみですね。ご来場お待ちしています。