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連載コラム

第1回 個別指導塾フランチャイズA社 加盟者 株式会社 舞 代表取締役 藤巻克永氏

[ 2011年1月24日 ]

 大半のフランチャイズチェーン(以下フランチャイズ)加盟者は、将来の多店舗展開や多業態化などを夢見ながら、事業のスタートを切ります。しかし実際に、事業拡大にまでいたるのは、一部の加盟者だけです。中には、最初の店の経営につまずく事例もあります。何が成否を分けるのでしょうか。
 本特集では、元サラリーマン、元専業主婦の加盟者に、成功のスタートラインに立つためのフランチャイズ選びと、飛躍するための事業拡大のポイントについて伺っていきます。ここから、フランチャイズ事業成功のヒントを学んでいきましょう。

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「㈱舞 代表取締役 藤巻克永氏」

株式会社 舞について
・設立:1995年
・社員数:15人
・2009年度年商:2億8000万円
・横浜市・神奈川区に本社を置き、個別指導塾フランチャイズの加盟者として13教室を展開中。

フランチャイズ選びは、企業理念への共感がカギ

――藤巻さんの独立前の職業と独立の動機からお聞かせください。
藤巻 独立前は、宝飾品関係の会社に勤めていました。
動機というよりは、もっと漠然とした、商売をやってみたい気持ちがありました。この気持ちが、独立を後押ししてくれました。
独立するなら、フランチャイズに加盟して独立しようと考えていました。
――独立を考え始めてから、どのくらいの期間をかけて、どうやってフランチャイズを選びましたか。
藤巻 およそ一年かけて、各フランチャイズの資料を読んだり、関係者に話を聞いたり、事業説明会に行ったりなどして選んでいきました。
――最初から、フランチャイズの分野は個別指導塾に絞っていたのですか。
藤巻 いいえ。コンビニエンスストアも何社か調べました。塾はA社のみ調べました。
コンビニは事業説明会にも出かけて行ったのですが、私には、ピンときませんでした。
A社の方は、塾業界で働く知人から「あそこはいいよ」と聞いていました。
事業説明会で語る先輩加盟者の様子や話の内容からも、事業が上手くいっている印象を受けました。
加盟を決めた最大の理由は、A社の教育理念に共感できたことです。これは社会貢献にもつながると考えました。
開業資金も、予算内に収まるものでした。この事業なら成功できそうだと感じたので、加盟へと踏み切りました。
――これだけは押さえるべきだと思われる、フランチャイズ選びのポイントを挙げてください。
藤巻 まず、フランチャイズの企業理念に、共感できるかどうかを確認することです。フランチャイズ事業は、理念に基づいて組み立てられています。理念に共感できないと、事業運営の中で納得できないことが多くなるでしょう。これでは事業も上手くいきません。
また、フランチャイズの理想の姿は、加盟者と本部が理念を共有し、一丸となって進んでいることです。これについては、先輩加盟者たちに聞いてみることです。一つにまとまっているフランチャイズは、安定した成長力があります。

「着いた船には乗れ!」チャンス最優先で多教室化へ

――初めての教室の成功に、必要なことは何でしたか。
藤巻 まずは、本部の指導通りにやってみることでしょう。
実は、最初に開いた教室は、生徒集めに適さない11月に開校したので、生徒がなかなか集まりませんでした。
私は、本部の指導どおり、チラシをまいたり、ポスティングを行ったりなどして、翌年の冬には、損益分岐点である、生徒数60名を達成できました。
――開業の翌年には2教室目を開き、以降順調に教室数を伸ばし、現在、13教室を展開しています。ここまで多教室化できた理由は何ですか。
藤巻 3教室目までは、主に幸運によるところだと思います。
2教室目、3教室目は、本部から提案されて、買い取った教室です。

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「『着いた船には乗れ』をモットーに多教室化へ」

――短期間に、教室を任す人材をどうやって確保、育成されたのですか。
藤巻 募集広告を出して新しく雇ったり、アルバイト講師を社員に登用するなどして、確保していきました。私のモットーの一つは「着いた船には乗れ」です。チャンスをつかむことが、最優先です。良い話があれば、それに合わせて、人を確保してきました。
人を育てるのは難しいことです。弊社では、人材育成より、良い人材を確保することに力を入れています。良質な人材を呼び込めるよう、雇用条件は、それなりの給与や待遇にしています。

先輩加盟店との交流で経営力アップ

――4教室目以降については、いかがですか。
藤巻 第一に、経営者として生きる決意を固めたことです。
教室長兼経営者として生きていく道もあります。自ら教室長として現場に立つのは楽しいことですし、3店舗あれば食べていくには充分です。でも私は、経営者としての成長を選びました。この決意が多教室化の原動力になりました。
第二に、本部に対し、多教室化の意欲があることをアピールするようにしました。
自ら、新規に教室を出しますが、本部から提案される、既存教室の売却案件なども押さえておきたいところでした。本部も、やる気のある加盟者に任せたいと考えますから、日頃から意欲を示しておいた方が、良い話が持ち込まれやすくなるのです。
第三に、先輩加盟者たちとの交流です。
5教室を数えるようになってからは、教室運営を教室長に任せ、私は経営に専念しました。専念すれば、比較的自由に動けるので、A社でトップクラスの業績を上げている先輩加盟者たちとつき合うようにしていったのです。
彼らの教室運営に取り組む姿を大いに学び、自らの事業に生かしていきました。
こうしたことを積み重ねた結果、教室展開をスピードアップできました。1995年の開業から2002年までの7年間は、4教室の開校にとどまっていましたが、5教室目以降は2010年までの8年間で9教室開校しました。

「上に登ってみて、初めて見える景色がある」

――最後に、フランチャイズ事業を検討中の方にメッセージをお願いいたしします。
藤巻 開業すると、事業経営という大きな山を登り始めます。私もいまだに登っています。ただ一つ違うのは、開業時には山のふもとしか見えませんでしたが、今はある程度登って来て、開業時よりずっといい景色が見えるようになりました。これが事業経営の醍醐味だと思います。

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「山に登るのは大変。でも見えてくる景色は素晴らしい」


執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞った Webサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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