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連載コラム

第2回女性加盟者事例:「子どもとの時間を増やすために、自宅起業を選びました」(Ly-Bright(リーブライト)代表取締役社長 森美木氏)

[ 2012年2月10日 ]

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Ly-Bright (リーブライト)代表取締役社長森美木氏

 株式会社Ly-Bright(リーブライト、茨城県水戸市)代表取締役社長森美木さんは、3人の子どものお母さんであり、要介護者対象出張美容・理容サービス (※)フランチャイズの加盟者です。未経験で出張美容・理容業に飛び込んだ森さん。営業しても「門前払い」の日々を乗り越え、現在は、自宅に会社を置き、パート社員6名と力を合わせて事業を行っています。2010年度年商は約1000万円。森さんに、新興フランチャイズ本部の力量の推し量り方、苦しい時も支えてくれるスタッフを選ぶコツなどを伺いました。

※要介護者対象出張美容・理容サービス:要介護者(介護を必要とする人)の暮らす施設や自宅に理美容師を派遣し、カット、パーマ、ヘアカラーを行うサービス。利用者やその家族の希望を聞き、利用者の健康状態や生活環境を考慮した上で、可能な限り希望に沿ったサービスを提供する。

新興フランチャイズの力量を推し量る方法

――まず、加盟者としての仕事内容からお聞かせください。
 主な仕事は、介護施設や病院を回っての営業、理美容師派遣の手配です。カットなどのサービス提供は、理美容師であるパート社員が行います。
――どういう経緯で加盟されたのでしょう。
 子どもたちと接する時間を増やすために、自宅で出来る仕事はないかと考えていた時、自宅開業可能な出張美容・理容フランチャイズのことを聞きました。子どもたちにも「こういう仕事があるの」と伝えました。ちょうどその頃、たまたまテレビで、手術のために長い髪を切らなければならなかった、中学生の女の子を目にしました。髪を切るのを嫌がる彼女の気持ちに何の配慮もないまま、女の子は、ただバッサリ切っただけの散切り頭にされてしまいました。手術後の、散切り頭でやつれた姿の女の子を見て涙が出ました。すると、一緒にテレビを見ていた中学生の長女が「ママ、出張美容・理容を仕事にして!こういう女の子をもっとステキな髪形にしてあげて。私もこういう仕事がしたい」と言い出しました。娘の言葉に、私も出張美容・理容は自分のやりたい仕事なのではと感じました。常々、私はその人なりの魅力を引き出すことを、仕事にしたいと考えていたからです。
すぐに出張美容・理容フランチャイズの事業説明会に行き、本部に依頼して、研修生という形で現場見学することになりました。現場で強く印象に残ったのが、ご利用者さんと本部スタッフの信頼関係です。サービスを受けていた車いすの女性は、会話もままならない状態でしたが、スタッフに向ける視線にはスタッフへの信頼や感謝がありました。女性の視線を受けとめたスタッフは、しっかりうなずいて作業を進めていきます。二人の信頼関係を目にして胸が熱くなりました。「私もこんな風に信頼される仕事がしたい」と加盟を決めました。
――森さんが加盟された出張美容・理容フランチャイズは、当時、スタートしたばかりのフランチャイズでした。実績がほとんどない本部の力量をどうやって見極めましたか。
 現場見学で分かったことや出張美容・理容業界での実績などを判断材料にしました。現場に行くと、利用者さんからの評価、サービスの充実度がよく分かります。また、本部としての実績は乏しくても、一企業としての実績はありますから、これを参考にしました。

苦しい時も支えてくれるスタッフを選ぶコツ

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スタッフは全員大事な仲間


――加盟、開業間もない頃は、どういう状況でしたか。
 開業から2カ月ぐらいは、介護施設や病院を回ってもなかなか仕事が取れず、不安でした。運転資金が足りなくなるのではないかと心配でした。でも辛いというほどではありませんでした。スタッフのおかげです。
――スタッフは、例えばどのように森さんの不安や心配を軽減してくれましたか。
 仕事がない時の暇つぶしに、スタッフは私といっしょになって、「繁盛しててんてこ舞いになっている私たち」のふりをして盛り上がってくれました。皆でそれぞれの役になりきって、大笑いしながら遊んでいました。
――理想的な職場ですね。頼もしいスタッフは何を基準に選んだのですか。
 仲間を集めるつもりで直感で選びました。スタッフを直感で選ぶのが適切かどうかは、事業の内容や規模にもよると思います。ただ、仲間意識があるので、辛い時も一緒にがんばれましたし、良い職場の雰囲気を保てました。普通なら、理美容技術や経歴などを重視して「できる人」をスタッフに選びます。ただ、できるスタッフが厳しい状況でも職場に踏みとどまって、一緒に笑い飛ばしてくれるとは限りません。こうしたスタッフの存在は、私のモチベーションアップにもつながりました。
――スタッフの存在が森さんのモチベ-ションにつながったとは。
 スタッフは私にとって大事な仲間。「仲間のためにがんばって仕事を取ろう」と意欲が高まりました。高い意欲を持続できたので、起業から1年後、計画通りに理美容師派遣エリアを拡大できました。

本部からのメールにショック!?「突き放されたようで...」

――起業してからの一年間で、その後の事業や経営者としての成長につながったと思われるエピソードをお聞かせください。
 はい。起業から数カ月後にもらった本部からのメールは、成長のきっかけを作ってくれました。大口の受注があった時のことです。本部に応援を頼んだところ、「森さんたちだけでやってみては。無理なら応援に入る」とのメールが届きました。突き放されたようで、ショックでした。起業から数カ月の経験しかない私と2人のスタッフだけで対応できるのか...結局、不安を胸に、自分たちだけで挑戦。てんやわんやの対応でしたが、自信がつきました。いつのまにか本部に依存し、経営者としての自覚が足りなくなっていたことにも気付きました。それからは、自分たちだけでサービス提供するようになりました。本部から教えてもらうより、試行錯誤しながら自力で仕事をする方が、多くのことを身に付けられます。自力対応を心掛けてからは、一層の自信が生まれ、実体験を基にした説得力ある営業ができるようになり、経営者として自立できました。今では、本部からのメールは加盟者の自立を促す親心だったと考えています。
――起業からおよそ2年半たった現在の心境はいかがですか。合わせてフランチャイズ起業を目指す女性に向けて、メッセージもお願いします。
 起業して、目的の一つだった子どもと過ごす時間を増やすことができました。長女は、高校入試の面接で「尊敬する人は母です。好きなことをいくつになっても追及しているから」と答えてくれたそうです。子どもが理解してくれているのは、嬉しいことです。今後は、これまでキャリアを積んできていない女性を受け入れて、育てられるような職場にしたいと考えています。そのためにも一層売上を伸ばしていきます。起業を目指している女性は、本気であれば夢は叶いますからあきらめないでチャレンジしてください。
――ありがとうございました。

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子どもと過ごす時間を増やせました


執筆者:フランチャイズ選びから、一号店を軌道に乗せるまで

松本陽子
ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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