連載コラム

第37回 リサイクル(4)

[ 2012年2月7日 ]

 今回は中古衣類・服飾雑貨店と中古子ども服店をご紹介します。注目していただきたいのは、リサイクルショップの生命線である、商品買い取り(仕入れ)。各フランチャイズで買い取りのスタイルが異なっています。どのような仕組みで仕入れているのか、仕組みに無理はないか、コラム末尾の「加盟店オーナーひとことコメント」も読み合わせ、検討してみてください。

[事例1] 古着店「モードオフ」

(フランチャイズ本部:株式会社ハードオフコーポレーションhttp://www.hardoff.co.jp/shop_mode.htm
~300円のTシャツから数十万円のブランド時計、バッグまで販売!~

 モードオフの主な取扱商品は、メンズ、レディス衣類、及び時計、靴、バッグなど服飾雑貨類の中古品。ノンブランド、ブランド品ともに扱っています。1点当たり数万円~数十万円するブランド時計やバッグは、1店舗当たりおよそ20点が店頭に並びます。首都圏など人口密集地域では10万人に1店舗、地方の場合は50万都市に1店舗出店と考えています。主要客層は、10代後半~40代前半の、ノンブランド、ブランド品を取り混ぜておしゃれを楽しみたい層。客単価は約1,000円。
 モードオフは1品ずつ査定した上で、全品買い取り。最低価格1円で買い取ったものは、リサイクル業者に引き渡され、車のシートなどに加工されます。持ち込まれた商品のうち、ブランド品は独自開発の「買い取り査定システム」で参考価格をチェックし、買い取り、販売価格を決定します。参考価格の基になるデータは、モードオフ本部が展開する別業態、パソコン・オーディオ・ビジュアルなどのリサイクルショップ「ハードオフ」、総合リサイクルショップ「オフハウス」の直営店110店舗(ハードオフ54店舗、オフハウス56店舗(※))からも吸い上げています。同様に、別業態の店舗で蓄積してきたブランド品の真贋見極めノウハウを、モードオフマニュアルに反映させています。複数の業態から提供された情報が、モードオフの査定を早く的確なものにしています。一方、ノンブランド品は、店舗スタッフが汚れ、人気など6つの査定基準をチェックし、値決めのガイドラインに照らし合わせて価格を決定します。アルバイトスタッフが商品査定(ブランド品の真贋を除く)に慣れるには半年ぐらいかかります。加盟者には本部研修7日間(店舗実習4日間含む)が用意されています。開業後のスーパーバイザー訪問頻度は年に2回。必要に応じて別途指導します。

※2011年12月末現在の店舗数

加盟店オーナーからひとことコメント!

「景気低迷が続きますが、客数、買い取り、販売全て微増」
■ モードオフ八王子大和田店店長 目黒公晴さん
「景気のせいか、これまで古着店を利用しなかった人が、来店するようになりました。高額品の売買は減りましたが、手頃な価格の商品が増え、結果的に、客数、買い取り、販売全て微増です。買い取りたい商品が持ち込まれるようにするコツは、商品陳列。目につくところに欲しい商品、例えばブランド時計を並べて置くと持ち込まれるようになります」

フランチャイズ展開開始年 2006年
直営店舗数 / 加盟店舗数
(2012年1月23日現在)
11店舗/3店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
法人:100%(法人のみ募集)
業界未経験者の加盟比率 100%(現在の加盟社は1社)
標準開業資金(店舗取得費別)/標準店舗規模 約3,600万円/50坪〜100坪

ハードオフコーポレーション常務取締役
経営企画室長 山本太郎氏

モードオフ店舗

[事例2] 古着店「キングファミリー」

(フランチャイズ本部:株式会社クロカワhttp://kingfamily.co.jp/fc_recruit/
~古着1㌔150円の大量・安価買い取りで、粗利80%を実現!~

 キングファミリ―では、シャネルやヴィトンなどの高級ブランド品を除いた、ベビー服、子供服、メンズ、レディス衣類、靴、バッグなど服飾雑貨類(以下雑貨類)の中古品を扱っています。持ち込まれた衣類・雑貨類は、全品キロ単位で買い取り。店頭では、持ち込まれた品を売れるもの、売れないものに分け、重さに応じて買い取ります。買い取り価格は古着1㌔当たり150円、古着としては売れないリサイクル資源用衣類は同1円など。買い取り作業はシンプルなのでスピーディーです。例えば、45㍑のごみ袋2袋程度の量でも、ベテランスタッフなら、2分程度しかかりません。一品一品査定して買い取る店と比べ、かなり速い対応なので、商品を高く売るより、速く一括して処分したい層がキングファミリーに衣類・雑貨類を持ち込んでいます。客が持ち込む商品量は1件当たり平均12㌔。Tシャツ1枚当たり0.1㌔、ジーンズ1本0.5㌔で考えると、1㌔150円で大量に安く仕入れていることになります。安価・大量仕入で平均粗利80%が可能となっています。全品買い取りで幅広い品ぞろえができるため、商品点数は1店舗平均1万点、多様な客層を集客可能です。買い取った商品は季節外れのものを除き、即日店頭に並べ、品揃えに新鮮さを出しています。衣類の価格帯は180円~4,980円。他店で数万円する商品が、数千円で手に入る宝探しの楽しみがあります。主要客層は40代~50代主婦。平均客単価は新規客約1,000円、会員約2,000円。なお古着として売れなかったリサイクル資源用衣類は、海外で中古衣料として販売したり、工業用ウエス(ぞうきん)などにリサイクルします。
 リサイクル事業の知識などを学ぶ16日間の開業前研修。開業後のスーパーバイザーによる訪問指導は必要に応じ随時実施します。

加盟店オーナーからひとことコメント!

「一日当たり60件~70件の商品買い取り。仕入れとしては十分な量」
■ キングファミリー福岡東店オーナー 井上凡夫さん
「開業から2カ月足らずですが、十分な持ち込みがあります。1件当たり45㍑のゴミ袋にして平均3袋ぐらいでしょうか。まだ買い取りや、買い取った商品の即日品出しに手間取っていますね。特に品出しは大変ですが、慣れてくると思います。リサイクル資源用衣類は、こちらの希望に応じて本部に引き取ってもらっています」

フランチャイズ展開開始年 2001年
直営店舗数 / 加盟店舗数
(2012年1月24日現在)
3店舗/ 78店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人50% 法人50%
加盟者における業界未経験者の比率 80%
標準開業資金(店舗取得費別)/標準店舗規模 約1,780万円/約100坪

クロカワ開発担当課長 瀧上直氏

キングファミリー店舗

[事例3]リサイクル子ども服店「ECO&KIDS AKIRA」

(フランチャイズ本部:株式会社城東工業
http://ecoandkids-akira.com/
~商品買い取り金を本部が支給するので、運転資金を抑制できる~

 ECO&KIDS AKIRAの主な商品は、0歳から12歳の子ども服、靴、帽子などの服飾雑貨、ベビーベットなどの家具、玩具類の中古品。100円の靴下、ガラガラ、ミニカーから、12,000円のチャイルドシートまで扱っています。400円~500円の子ども服が売れ筋ゾーンですが、1,000円以上する人気ブランド品も取り揃えています。中心客層は30代の母親、50代の祖父母。平均客単価は1,200円。
 オープン時の商品は本部が揃えます。本部は直営店、自社ホームページなどを通じた買い取り、富裕層が多い幼稚園への出張買い取りなどで、ノンブランド品からブランド品、小物から、衣類、大型遊具まで幅広く中古品を集め、加盟店に搬入します。これまでに、人気ブランド品が手に入りにくい地域の加盟店が、本部仕入れにより、オープン時から「ブランド品のある店」として人気を集め、客がブランド品を持ち込んでくるようになった例もあります。オープン後、加盟店では客から商品を買い取る形で商品仕入れを行います。十分な買い取りができるよう、本部は買い取りに充てる買い取り金を加盟店に支給します。加盟店は、商品を販売した時点で、売上の20%を商品代、10%をロイヤルティとして本部に支払います。残り70%が粗利です。なお不良在庫などは、本部が引き揚げて専門業者に買い取ってもらっています。約10日間の開業前研修では査定、レジ打ちなどを指導。買い取りマニュアルに従った査定は、未経験者でも1週間でできるようになります。開業後のスーパーバイザー訪問指導は店の状況に応じて随時実施。集客力あるショッピングモールへの出店案件の紹介が可能です。

加盟店オーナーからひとことコメント!

「オープン当初は持ち込みの少ない高級ブランド、大型商品も揃えてあった」
■ ECO&KIDS AKIRAイトーヨーカドー津田沼店オーナー 秋山与志子さん
「オープン時の商品は5,000点ぐらい(津田沼店は約22坪)。本部は、高級ブランド品を含む1,000円以上のブランド品、約500点を集め、店内に『ブランドコーナー』を作ってくれました。ベビーカー、チャイルドシートなどはそれぞれ4点ぐらい。開業から約2年半たった今考えてみると、量、質ともに十分な品揃えでスタートできたと思います」

フランチャイズ展開開始年 2010年
直営店舗数 / 加盟店舗数
(2012年1月16日現在)
4店舗/ 8店舗
加盟者における個人加盟者数、法人加盟者数
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース)
個人5名 法人2社(合計7加盟者)
業界未経験者の加盟 約90%
標準店舗規模 / 標準開業資金(店舗取得費別) 25坪/約650万円

城東工業 FC事業部 今野博貴氏

ECO&KIDS AKIRA店舗

注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

バックナンバー

PAGE TOP