連載コラム

第39回 焼き鳥・からあげ専門店

[ 2012年3月27日 ]

 今回は、①150万円から開業できる焼き鳥専門店、②(串に刺さない)バラ焼きでうまさ引き出す炭火焼き鳥専門店、③大手牛丼チェーンの創業メンバーが立ち上げたからあげ専門店を取り上げます。

[事例①] 焼き鳥専門店「やきとり大吉」

(フランチャイズ本部:ダイキチシステム株式会社 http://www.daikichi.co.jp/dokuritsu/
~150万円から独立OK!全国802店舗(※)!10坪の小型店~

※:2011年12月末現在

 大吉のメニューは、全店共通の52種類と店舗ごとの独自メニュー5品目。食材のロスや調理の手間などの効率と利益のバランスを考え、メニューを絞り込んでいます。食材は各店舗が地元で仕入れるので、配達時間、品質面などで、常に自らの店にとってベストな業者と取引できます。新鮮な料理提供のために、鶏肉は店でさばいて串刺しします。炭火と比べ、煙が出にくく、焼きむらもない、独自開発の焼き台「ダイキチグリラー」で、スピーディーに焼き上げます。主なメニューは焼き鳥では、きも(レバー)84円、ゆず胡椒焼147円など。ご飯ものでは焼きおにぎり210円など。店舗は、「駅から少し離れた通りにある10坪程度の一階の店」が基本。競合回避目的で、一等地を避けて出店。小規模店にこだわるのは、家賃・光熱費・人件費などの経費を抑制する一方、「いつもにぎわっている店」にするためです。小規模店の方が、満席になりやすい。混み合った店のにぎわいが、さらに客を呼び込みます。また小規模店だからこそ、個々の客に細かい気配りも可能。大吉は、お手頃価格で鮮度抜群の焼き鳥と行き届いた気配りで、802店舗まで成長してきました。中心客層は30代~50代の男女。平均客単価は2,500円。
 大吉には、レギュラー、ユーザー、グループの3種類の開業システム(※1)があります。ユーザー方式(本部の所有する店舗を借り受けて開業)する場合、150万円(※2)から開業可能。研修は、研修店で、1ヶ月ごとに約3店舗で実施(約3ヶ月間)。店舗運営、調理技術、接客など習得。加盟店オープン後は、地元の事情に精通した取引酒販店の担当者が加盟者の相談などにきめ細かく対応したり、加盟店と本部をつなぐ役割を果たします。

※1:レギュラー(見習い)方式の場合、見習いとして店舗運営を店主(店長)とともに行いながら資金を貯め、ユーザー方式で独立。ユーザーからグループ(最初から店舗オーナーになる)方式に移行可能。
※2:150万円の内訳:入会申込金150万円=加盟金70万円+加盟保証金80万円。別途開店費用として、開業月の食材、食器、転居費用などの実費70万~100万円必要。

加盟店オーナーからひとことコメント!

「未経験で、本部から店を借りてオープン。4年後に店を買取りました」
■やきとり大吉 分倍河原店オーナー 糸川武志さん
「32歳でユーザー方式で店をオープン。研修で学んだ店舗運営を徹底的に実行しました。でも忙しいと注文を間違えたり、対応が遅かったりなど失敗します。こんな私なりに、いつも『お客様に喜んでいただくためにどうすればいいか』を考え、一生懸命やってきました。おかげさまで毎年5%ずつ売り上げが上がり、オープン後4年で店を買い取りました」

フランチャイズ展開開始年 1978年
直営店舗数 / 加盟店舗数(2011年12月末現在) 0店舗/802店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人100%
業界未経験者の加盟比率 70%
標準開業資金(グループ方式(最初から店舗オーナーになる)
の場合、店舗取得費込み)/標準店舗規模
約1,350万円/10坪

ダイキチシステム 店舗開発部長(宣伝部長兼任) 池 努氏

やきとり大吉

[事例②] 炭火焼き鳥店「浪花屋鳥造 」

(フランチャイズ本部:レゾナンスダイニング株式会社http://resonance-dining.com/ag/
~他店では味わえないうまさで、常連客増やし安定経営~

 浪花屋鳥造では、月1回以上来店する常連客が、客の半分以上を占めるため、経営が安定しており、景気の影響も受けにくくなっています。常連客が多いのは、他店では提供が難しい看板メニューがあるから。その一つが「親鶏もも炭火焼」。鳥造では、生後1年以上たったメスの親鶏を使用。親鶏には若鶏にはないうまみ成分があり、噛むほどにうまみが増しますが、焼き方が難しいと言われます。そのため一般の焼き鳥店では、親鶏をあまり扱っていません。一方、鳥造では、自社開発の炭火焼装置を使い、通常の炭火焼きより高温で焼くので、肉汁を閉じ込めてうまみを逃さないようにしながら、炭火の遠赤外線効果で中まで火を通します。この装置を使うと、素人でもカンタンに、炭火で焼くよりおいしく焼けます。「親鶏もも炭火焼」(大)1,029円に加え、「チキン南蛮フライ自家製タルタル掛け」714円、「名物きゅうり漬け」399円が鳥造の3大看板メニューです。ドリンクでは鳥造オリジナル焼酎「んまっ」を開発。一升瓶キープで顧客化を促進。常連客を飽きさせないよう、年4回季節メニューを導入し、新鮮さを打ち出しています。中心客層は30代以上の男性。平均客単価は3,200円。
 親鶏の消費量が多いため、親鶏は他店より安く仕入れられます。また常連客が多いので、小さな町の雑居ビルの地下や2階など2等立地に出店しても事業として成立します。一等地の店舗と比べ、かなり家賃を抑えられます。オープン前研修は50日。直営店に入って作業しながら店舗運営、調理技術、計数管理などを学びます。オープン前後は、基本的に合計11日間、担当トレーナーが店に入って指導。オープン後はSV(スーパーバイザー)が必要に応じて随時訪問指導。

加盟店オーナーからひとことコメント!

「『親鶏』目当ての常連客が約7割。売り上げは昨年を上回っています」
■浪花屋鳥造 千葉富士見店オーナー 内山幹二さん

「初めて親鶏を食べた時は、『酒好きが好む味』かなと思いました。他店ではあまり扱わない食材で、串に刺さない焼き方も珍しいと感じ、4年前にオープン。調理は難しくありません。現在、大半のリピーターは、親鶏目当てで来店されます。常連客が7割程度。売り上げは昨年度を上回っていますし、景気の影響はあまりないと思います」

フランチャイズ展開開始年 2005年
直営店/ 加盟店舗数(2012年3月21日現在) 3店舗/ 34店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人20% 法人80% 
加盟者における業界未経験者の比率 約80%
標準開業資金(店舗取得費別)/標準店舗規模 2,000万円/約20坪


レゾナンスダイニング 店舗開発部部長 渡邉 光典氏

浪花屋鳥造

[事例③] からあげ専門店「とり多津」

(フランチャイズ本部:株式会社エフアンドビー・プロジェクト http://www.fb-p.jp/franchise/tori_tatsu/index.html
~大手牛丼チェーンの創業メンバーが開発!弁当も売り上げ拡大中!~

 とり多津のからあげは、数十種類のスパイスを使った「秘伝のたれ」に8時間以上漬け込み、全て自然の穀物粉を使った独自ブレンドの粉をつけて揚げます。独自のブレンド粉により、冷めてもカリッと感を保てます。ゴルフボールよりやや大きいぐらいの大きさにして、食べ応えを出すと共に、肉のジューシーさを中に閉じ込めています。主なメニューは、「ハーブ塩味もも」100㌘230円、「にんにく風味もも」100㌘230円などの他、北海道チーズコロッケ180円、からあげそぼろ弁当550円、チキンカツそぼろ弁当620円など。主力のからあげだけでなく、弁当類も売り上げを拡大中。周囲にコンビニや総菜専門店が出店している立地でも、弁当の売り上げは全体の3割以上を占めています。子どもから高齢者まで幅広い客層。平均客単価は、550円~600円。
 漬け込んだ肉が店舗に届けられるため、店舗での仕込み作業はスパイスをかけるなどの仕上げのみ。後はオーダーに応じて揚げるだけ。調理はカンタンなので、飲食業未経験のバイトスタッフでも、店に入って3日もすれば調理可能。和風の高級感ある店構えですが、テイクアウト店舗なのでローコストで開業、運営できます。オープン前研修は、5日間、直営店で企業理念やオペレーションを学びます。オープン前後7日間、スーパーバーザー(SV)が、店に入ってオープン準備、バイトスタッフの教育をフォロー。オープン後は、加盟者の希望に応じ、SVが臨店指導。既存店との複合化、駐車場の一角を使った出店も可能。イートインスペースとの併設店も計画中。本部代表は、牛丼店をゼロからトップクラスの全国チェーンに育て上げた経験を持っています。現在、その経験に基づき、より高い利益と顧客満足を目指して、店舗運営の一層の効率化に取り組んでいます。

加盟店オーナーからひとことコメント!

「まんじゅう店との複合業態で出店。『とり多津効果』でまんじゅうも売れました」
■とり多津 茅ケ崎店オーナー 伊藤和明さん

「本部代表との面談で、牛丼店をトップクラスのチェーンに育てた人ならではのオーラを感じました。『この人と一緒に仕事をしてみたい』と思いました。オープンして2カ月弱ですが、初月は行列が絶えない状態。お待ちいただいているお客様には、とり多津と複合化して出店した、まんじゅう店の試食品を配るなどサービスに努めました。おかげで、まんじゅうの認知度も上がり、よく売れました」

フランチャイズ展開開始年 2012年
直営店舗数 / 加盟店舗数
(2012年3月21日現在)
1店舗/ 3店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース)
法人100%(個人での加盟も可能)
業界未経験者の加盟 約30%
(未経験での加盟は可能)
標準開業資金(店舗取得費別)/標準店舗規模 約1,100万円/7坪~10坪

エフアンドビー・プロジェクト 店舗開発課長 棚瀬 亮氏

とり多津

注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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