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連載コラム

第45回加盟者事例(4)「フランチャイズで成功するには、伸び盛りのフランチャイズに加盟することが重要。ただし注意点があります」(有限会社エバーグリーン代表取締役会長 伊藤尚文さん)

[ 2012年10月1日 ]

 49歳で脱サラし、フランチャイズに加盟した伊藤さん。現在、フランチャイズ6社に加盟、15店舗を展開中。伊藤さんに、フランチャイズ選びのポイントを中心にお話を伺いました。

脱サラから12年。現在、6業態、15店舗の加盟店展開中

写真1エバーグリーン代表取締役会長 伊藤尚文氏

――エバーグリーンとは、どういう会社ですか。
伊藤 外食、教育、健康、介護分野の事業を、東京・武蔵野市を中心に展開している会社です。
 フランチャイズ事業としては、焼肉店「牛角」、アイスクリームショップ「サーティワンアイスクリーム」、オムライス店「ポムの樹」、ラーメン店「らあめん花月嵐」、個別指導塾「ITTO個別指導学院+7つの習慣」を手掛け、グループ会社で、女性専門フィットネスクラブ「カーブス」を展開しています。加盟店舗数は合計15店舗。
 オリジナル業態としては、お茶漬けバー、ハンバーグ&ステーキ店などがあります。正社員約50名、パート・アルバイトスタッフ約250、2011年度年商は約9億円です。
――脱サラして、フランチャイズに加盟されたと伺いました。その理由をお聞かせください。
伊藤 義父の経営するビルのテナントを探していた時、偶然、牛角を知り、「これはいける」と思いました。勤め先の状態も芳しくありませんでしたから、牛角との出会いを機に脱サラ、フランチャイズに加盟することにしたんです。

写真1オリジナル業態のお茶漬けバー「ZUZU」

成功するフランチャイズ選びの3大条件

――なるほど。牛角から始まって、現在ではフランチャイズ6社に加盟されています。伊藤さんのフランチャイズ選びの条件は何ですか。
伊藤 キーワードで言いますと、他にない感動できる店、伸び盛り、しっかりした本部です。
 まず、他にない感動できる店とは、商品、商品構成、店舗の内外装や雰囲気、接客サービスに、他店では味わえない感動できるものがあるかということ。次に、伸び盛りかどうかは、出歩いた時に、あちこちで、そのフランチャイズの店を見かけるようになることで、当たりをつけています。それから、しっかりした本部とは、加盟者サポート体制が確立している本部のこと。本部のしっかり度は、本部訪問の際に、目安をつけます。私の経験では、サポート体制が充実している本部は、分かりやすい加盟者向けのフランチャイズ関連資料を用意していましたし、反対に、サポート体制が整備途中の本部は、受付やトップの机上が雑然としている場合が多かったように思います。自分の推測が正しいかどうかは、本部や加盟者訪問を通じて確認します。

伸び盛りのフランチャイズに加盟する時の注意点

――挙げていただいた条件を基にフランチャイズを選ぶ時、注意する点などはありますか。
伊藤 ええ。伸び盛りのフランチャイズに加盟する場合、気を付けなければならないことがあります。
 伸び盛りのフランチャイズの知名度は、まだ低いもの。フランチャイズの知名度が上がるにつれ、加盟店の売上も急拡大する傾向にあります。フランチャイズ全体の店舗数がまだ少ないため、自らの狙った地域に出店しやすいメリットもあります。しかし知名度が上がってくるまでは、忍耐が求められることが多々あります。世間に知られていないだけ、集客に苦労しがちなんです。伸び盛りの時に加盟する場合、一定期間売り上げが伸び悩んでも凌げるだけの資金的余裕が必要です。
 また、たとえ伸び盛りのフランチャイズでも、流行ものは避けた方が無難。熱が冷めると急速に売り上げが落ちます。

多店舗化を目指すなら、こういうフランチャイズを選ぶ!

写真1「本部の充実度が重要」

――ほとんどの加盟者は、多店舗化を目指しています。多店舗化を容易にするために、フランチャイズ選びの段階で注意するべき点はありますか。
伊藤 先ほども挙げましたが、加盟者サポート体制の確立した、しっかりした本部を選ぶことです。
 こういう本部なら、店舗を組織的に運営するノウハウ、店舗スタッフへの教育体制なども整っているもの。店舗を組織で回す仕組みができていれば、加盟者は店舗スタッフに安心して店を任せ、多店舗展開に備えた準備ができます。本部の教育システムに則って、アルバイトスタッフの中から優秀なスタッフを選んで、社員にまで育てていくことも容易でしょう。いい社員が育てば、加盟者は一店舗目を社員に任せ、2店舗目のオープンを進められます。サポート体制が整備されているフランチャイズに加盟した方が、加盟者は、ラクに多店舗化できるわけです。
 もう一点、加盟店をオープンしてから、多店舗化を容易にするために心掛けたいことがあります。加盟者が頑張りすぎないことです。加盟者が現場に出て作業したり、口出ししすぎると、店舗スタッフのやる気がそがれ、育たなくなりますから。これでダメになってしまった加盟店をこれまで随分見てきました。スタッフにある程度責任を持たせ、加盟者は一歩引いて見ているぐらいがちょうど良いかと思います。

多業態化成功の秘訣

――さて、多店舗化の次に目指したいのが多業態化です。多業態化についての注意点をお聞かせください。
伊藤 先ほどの、フランチャイズ選びの条件をきっちり守ることです。
 基本をおろそかにすると、上手くいかないものです。実は、私自身、選択の条件を押さえていなかったために、多業態化で失敗した経験があるんです。脱サラから5~6年間は、これといった失敗がなかったので、気が緩んでいたのかもしれません。私の失敗例を挙げると、加盟を進めてくれた本部スタッフへの信頼感もあり、店は一回だけ見て、感動するほどおいしくもなかったのに加盟したり、社長一人で回しているような本部だったのに、自分たちなら何とかなると加盟したりしたことがあります。いずれも結局撤退しました。
――苦い経験も積まれて成長してこられたのですね。最後に、長年かかわってこられた外食フランチャイズ業界の今後について、ご意見をお願いいたします。
伊藤 大変厳しい競合状態にあるので、投資額が少なく、投資回収が早いフランチャイズが良いと考えています。個人的には、高齢者が主役の社会ですから、50代~60代をターゲットにした和菓子関連の業態に興味を持っています。
――貴重なお話をありがとうございました。

写真1「今後は投資額の小さい事業に注目」

注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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