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連載コラム

第52回 保育園フランチャイズ:加盟者事例(7)「オープンから15日。定員29人中、すでに19人の園児が集まりました」(スクルド エンジェル保育園 北馬込園理事長 大塚たいぞうさん)

[ 2013年4月25日 ]

スクルド エンジェル保育園は、幼児教育と食育が特長。保育業未経験で加盟した大塚さんに、どうやってスピーディーに園児を獲得しているのかなど、加盟園運営について伺いました。

「近くに競合」の立地だが、開園から15日で定員の3分の2達成

スクルド エンジェル保育園 北馬込園理事長 大塚たいぞう氏スクルド エンジェル保育園 北馬込園理事長 大塚たいぞう氏

――経営されているスクルド エンジェル保育園 北馬込園についてお聞かせください
大塚 北馬込園は、東京・北馬込に、2013年4月1日に開園しました。21坪で、園児は0歳~5歳、開園時間は月曜~土曜7:30~21:00。実は、昨年9月にスクルド エンジェル保育園 八王子駅前園を開園したのですが、より自宅に近い場所に園を置きたかったので、八王子駅前園を別の加盟者さんに譲渡して、北馬込で新たに園を開いたんです。

 北馬込園は最寄駅から徒歩約6分ですが、駅から1~2分のところに別の保育園、道を挟んだ向かい側には幼稚園があります。近隣に競合はありますが、オープンから15日現在、定員29人中、19人の園児がすでに集まりました。
 私は、保育業未経験で加盟しました。私が理事長、妻が園長を務め、アルバイトスタッフである6人の保育士さんと園を運営しています。理事長の仕事は、園児募集、保護者対応、スタッフ管理など、園の運営全般。現場は保育士さんにお任せしていますが、必要に応じ、保育を手伝うこともあります。

幼児教育と食育が特長の保育園

――スクルド エンジェル保育園の特長は何ですか。
大塚 幼児教育と食育です。
 一般に、認可保育園は料金は安いのですが、預かっているだけで、幼児教育に力を入れていません。また認可外保育園(※)の中には、アニメビデオがつけっぱなしだったり、食事が仕出し弁当だったりなど、保育の質が問われる園が目立ちます。一方、スクルド エンジェル保育園は認可外保育園ですが、幼児教育と食育を充実させています。
※認可外保育園:児童福祉法に基づく認可を受けていない保育園

 スクルド エンジェル保育園は、モンテッソーリ教育(※)をベースに、リトミック(※)、幼児英会話、キッズ絵画・造形などの幼児教育を行っています。各クラスは、リトミックの有資格講師、幼児英会話専門の外国人講師、美術大学出身の講師が担当します。講師は本部から派遣されます。
 食育は、昼食から、おやつ、補食(夕方の軽食)、夕食まで、フランチャイズ本部の管理栄養士による献立を、主に国産食材を使って、園内で調理しています。
 ※モンテッソーリ教育:イタリアの女性医学博士マリア・モンテッソーリが提唱。子どもには、本来、自ら成長・発達する力が備わっていると考え、子どもの自発的な活動を支援し、成長・発達を促す教育。
 ※リトミック:音楽に合わせて動いたり、歌ったりなどして、音感、リズム感はもとより、集中力・表現力・協調性なども養う音楽教育の手法


 こういった保育内容ですが、料金は周囲の認可外保育園と同等。仮に、安い認可保育園を選んでも、幼児教室に通わせれば、結局高くつくし、送り迎えの手間が倍になるので、保護者の方は、スクルド エンジェル保育園にお得感を感じられるようです。北馬込園の料金(※)は、入園金が正会員(月極)15,000円、短期会員(一時預かり)3,000円。保育料は、正会員の場合、0歳で月額50,000円~72,000円、3歳以上で41,000円~66,000円などです。
※料金:地域によって異なる

食事は、管理栄養士による献立を、園内で調理食事は、管理栄養士による献立を、園内で調理

看護師から保育園経営者へ

――スクルド エンジェル保育園に加盟するまでの経緯をお聞かせください。
大塚 加盟する前、私は、13年間、男性看護師として患者さんを支えていました。当時、私の子どもを認可外保育園に預けた時、先ほど申し上げた「アニメビデオと仕出し弁当」の保育に強い不満を感じました。子どもが幸せでなければ、親はつらい。でも納得できる保育園は見つからない。それなら保育園を自分で作って、今度はお母さんたちを支えていこうと思い立ったんです。

 保育園フランチャイズを5社ぐらい見て回り、スクルド エンジェル保育園に行き当たりました。見学した直営園には、家庭菜園があり、食事は手作り。私が求めていた家庭的な雰囲気がありました。教育に力を入れているのも評価できました。また、他のフランチャイズでは、営業マンが出てきてセールストークを聞かされましたが、スクルド エンジェル保育園だけは、最初から、本部トップが対応してくれて、保育業に臨む姿勢を語ってくれました。トップの話ぶりから、真剣に保育に取り組んでいる様子が伝わってきました。それで加盟を決意、2012年9月1日に、開業資金約800万円で35坪の八王子駅前園を開園しました。

――保育業未経験で加盟、開業されるに当たり、不安はありませんでしたか。
大塚 もちろんありました。まず、園児を集められるのか不安でした。八王子駅前園の定員は30人。園児18人で収支がトントンになるので、なんとかクリアできるだろうと思いました。
 また、幼児教育も不安材料でした。スクルド エンジェル保育園の幼児教育は、一般の保育園ではあまり実施されていないハイレベルのもの。幼児教育のクラスを担当する講師は、本部から派遣されるので問題ないんですが、クラスでのサポートを求められる保育士さんたちが、戸惑うのではないかと心配でした。

――園をオープンしてみて、園児の集まり具合、保育士さんの対応ぶりはいかがでしたか。
大塚 オープンから4カ月の2013年1月には、定員30人達成、一時預かりの短期会員約40人が集まりました。オープンから園を譲渡した3月31日まで、退園者はゼロでした。
 保育士さんたちには、面接で、幼児教育に力を入れていることを伝えたり、朝のミーティング時に、幼児教育の各クラスがどういうもので、どういうサポートをして欲しいかを話したりしたので、円滑に対応してくれました。

どうやってスピーディーに定員達成?

――保育園のようなスクールビジネスは、一度入会すると継続率が高い、定期収入、前払い制など経営の安定性が魅力。しかし会員集めに時間がかかると、利益が伸び悩むリスクがあります。早期の定員達成がスクールビジネス成功の基本ですが、フランチャイズ本部から、どのような園児獲得ノウハウが提供されましたか。
大塚 まずは開園エリアの選定です。開業前に、本部から、潜在需要が見込める開園エリアの候補地3件が提案され、そこから八王子駅前エリアを選びました。開園してみると、本部の予測通り、一時預かりの短期会員が多くなりました。

 具体的な園児獲得策としては、チラシのポスティングやイベント開催などについての指導がありました。チラシは、開園から2週間ぐらいたった9月半ばごろ、本部の指示に従って、八王子駅前エリアに25,000部まき、お母さんの立ち寄りそうな、エリア内のスーパー、美容院、医療機関などへご挨拶に伺い、チラシを置かせてもらいました。

 イベント「親子リトミック」は、10月半ばに開催。一日に受け入れる適正人数、おやつを出すタイミング、イベントの合間にはさむ話の内容、子どもさんがぐずった時の対処法など、本部から細かい点まで指導されていたので、円滑に進行できました。イベント後、どっと入園者が増えました。

――北馬込園はオープンから15日で、定員の3分の2を達成されています。
大塚 北馬込園は、八王子駅前園の経験を基に、開園前の3月半ばから、最寄駅をはさんだ前後2駅の周辺地域で、ポスティングを始めました。おかげで、スピーディーに園児を集められたと考えています。自分でまいたので、コストも削減できました。ポスティングの最中に、小さいお子さん連れのお母さんや、妊婦さんを見かけた時には、チラシと名刺をお渡しするようにしました。差し出したチラシを払いのけられ、ショックを受けたこともありましたが(笑)。結果的に、一日に12件~13件ぐらい問い合わせの電話がくるようになりました。

 園児獲得以外に、本部は、助成金(※)の認証取得も指導してくれます。今後は、こちらの取得も目指す予定です。
 ※助成金:各自治体の助成金制度の認証を取得すると、助成金が得られる。

開園前のポスティングは、園児集めに効果的です開園前のポスティングは、園児集めに効果的です

保護者への対応について

――サービス業では、「客は人につく」といわれます。ポスティングやイベントで見込み客を集められたとしても、入園に結び付けられるか、長く利用してもらえるかは、大塚さんの接客にかかってくると思います。接客で気を付けていることはありますか。

大塚 接客準備として、お母さんの気持ちに寄り添うための情報収集を心掛けています。お母さんたちの悩みや興味を知るために、育児雑誌、女性誌に目を通すようにしているんです。そうすると、初めての面談でも、スムーズに会話が進みます。

 また、入園後は、園児のお誕生日や新年のご挨拶の際、カードやはがきで子どもさんの具体的な成長ぶりをお伝えします。保護者の方は、自分の子どもを大切にして欲しいと願っていらっしゃるもの。「またいっしょに遊ぼうね!」といった一般的なメッセージではなく、「○○ちゃんは、トンボの絵が描けるようになりました」など、具体的な成長ぶりをお伝えしたほうが、子どもさんに目配りしながらお預かりしていることが伝わりますから。


保育士の確保、幼児教育の講師の質について

――次に保育士の確保、定着について伺います。保育士不足を耳にしますが、どういう状況ですか。
大塚 本部に提案された保育士さん募集策で、良い人材を集めました。最初に手掛けた八王子駅前園では、保育士さん5人、保育助手さん8人全員がオープン時から譲渡するまでいっしょに頑張ってくれて、離職者ゼロ。3カ月に一回、食事会を開いたりもしましたが、高い定着率の理由は、いっしょに園をつくってくれるパートナーとして、スタッフに向き合ってきたからだと考えています。

――先ほど、幼児教育の講師は、本部から派遣されると伺いました。講師の質はいかがですか。
大塚 質は高いと思います。まず、子どもの心のつかみ方が分かっています。例えば、英会話の講師の方は、クラスの中で個々の園児をぎゅっと抱きしめ、安心させながら授業を進めます。
 また、われわれが見落としていた点を注意してくれたこともありました。リトミック親子体験のイベントを開いた際、担当講師の方から、子どもさんへの対応について指摘がありました。スタッフが、顔見知りの子どもさんには、最初から「○○ちゃん」と呼びかけていたので、初めて参加されたお母さんには、特定の子どもさんだけ特別扱いしているように見えると注意されたんです。貴重な指摘だと感謝しています。

保育園業ならではの課題とメリット

――開業から今日までに、困ったことなどありましたか。
大塚 人件費と保育の質のバランスを考え、保育士さんをどう配置するかなど、管理面についてでしょうか。本部に相談したら、すぐ適正な配置を指示してくれたので助かりました。

――それでは、最後に、保育園業ならではのメリットをお聞かせください。
大塚 子どもは生命力にあふれています。園児から元気をもらっていると感じます。
 それから、園児の祖父母からいただく手紙やメール。なかなか会えない自分の孫が、嬉しそうにお昼を食べたり、元気に遊んだりしている写真を、園のブログでご覧になって、感謝の手紙やメールをいただきます。
――貴重なお話をありがとうございました。

園児に癒され、元気をもらっています園児に癒され、元気をもらっています

注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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