連載コラム

第55回 カフェ(3)

[ 2013年7月30日 ]

 今回は、高い精度で売り上げを予測する「セルフ式カフェ」、ラテアートで差別化する「セルフ式スペシャリティコーヒーショップ」、月商実績850万円~1,000万円の「郊外型喫茶店」をご紹介します。

[事例1] セルフ式カフェ「カフェ・ド・クリエ」

(フランチャイズ本部:株式会社ポッカクリエイト) http://www.pokkacreate.co.jp/fcguide/fc_owner.html
~151店舗のデータから売上予測、成功率高い店舗を加盟者に提案~

 カフェ・ド・クリエ本部は、サッポロビールなどで構成されるサッポログループのグループ会社。現在、全国にカフェ・ド・クリエ151店舗を展開中です。カフェ・ド・クリエの主なメニューは、「ブレンド(レギュラー)」250円、トーストサンド「ふわふわタマゴ」380円、スイーツ「イタリア栗のモンブラン」380円など。6割の客が女性。中でも多いのが30代~40代の女性です。平均客単価は500円前後。

 カフェ・ド・クリエの加盟店サポートの基盤は、店舗の売上予測。出店に際し、蓄積してきた151店舗のデータを基に実施します。精度の高い予測で、加盟店の成功率を高めます。また、全国に築いた情報網から、カフェに最適な物件情報を加盟者に提供したり、加盟者が持ち込んだ物件の調査・診断も行います。

 さらに、店舗のパソコンからのオンライン発注、365日の納品体制により、必要なものを必要な分だけ、スピーディーに納品できるので、需要のある商品は確実に売って売り上げを伸ばす一方、売れ残りによる損失を最小限に抑えられます。カフェ・ド・クリエのモデル月商は、約500万円、モデル年商約6,000万円(モデル月商、モデル年商は、既存店実績値を基に算出)。

 オープン前研修は7週間。そのうち、1週間は本部研修。企業理念、計数管理などを学んだり、本部のテストキッチンで接客のロールプレイングなどを学習。残り6週間は、店舗研修。直営店でOJTを受けます。オープン前約7日から、オープン後3日まで、本部スタッフが店舗に入ってサポート。オープン後のSV(スーパーバイザー)による店舗訪問指導は、基本的に月一回ですが、必要に応じ随時実施。

フランチャイズ展開開始年 1996年
直営店舗数 / 加盟店舗数(2013年7月現在) 73店舗/ 78店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人約15%、法人約85%
未経験者の加盟比率 約80%
標準開業資金(物件取得費別)/標準店舗規模 約4,000万円/35坪~45坪

加盟店オーナーからひとことコメント!
「ひと手間かけたフード、スイーツがお客様を集める。現在、14店舗運営」
■千駄木店オーナー 飯田龍也さん

「弊社はもともと建設会社ですが、現金商売に魅力を感じ、外食事業に進出。カフェ・ド・クリエは、手ごろな開業資金、ひと手間かけたフード・スイーツが加盟の決め手でした。店内で、サンドイッチのトマトやレタスを切ったり、ワッフルの生クリームを絞ったり程度ですが、味に差が出る。この差で選ばれてきた感じ。約12年間で14店舗出店しました」


ポッカクリエイト マーケティング
本部販促宣伝グループ 水野涼子氏

カフェ・ド・クリエ

[事例2] セルフ式スペシャリティコーヒーショップ「ブレンズコーヒー」

(フランチャイズ本部:株式会社ビーアンドエム http://www.blenz-japan.com/fc/index.html
~インショップ出店OK!バーカウンターのみのミニタイプ店舗あり~

  ブレンズコーヒーは、カナダで誕生、現在カナダでは約60店舗、日本では5店舗を展開中。主なメニューは、「ブレンド(レギュラー)」290円、「カフェラテ(レギュラー)」360円、「フォカッチャサンドイッチ」290円、「メープルナッツスコーン」260円など。20代後半~30代半ばの女性が客の半分以上を占めます。平均客単価は500円弱。

 ブレンズコーヒーが客に支持される理由の一つが、手作りのおいしさ。例えばラテアート。カフェラテ、キャラメル モカ ラテなどラテ系の商品全てに、ラテアート(スチームミルクでエスプレッソコーヒーに絵や模様を描く)を施し、提供しています。ラテアートを施すには、上手に抽出されたエスプレッソときめ細かなスチームミルクが必要なので、ラテアートはおいしさの証と言われています。おいしいラテを味わいながら、ラテアートを見て、楽しめると好評です。

 売り上げベスト5に入るホットチョコレートも、店内でブロック状のチョコレートを溶かして作るため、香り、まろやかさが際立つと人気。さらに、癒しを求める客から支持されているのが、ゆったりした店内空間。リラックスできるとの声が多く寄せられています。一店舗当たりの平均月商は約600万円、年商約7,200万円。

 なお、本部の親会社が、長年喫茶店事業を営んできた上場企業(銀座ルノアール)なので、高品質な原材料、カフェに必要な機器、什器などを、加盟店に安価に提供できます。

 オープン前研修は、座学とOJTで約30日。企業理念や店舗の運営を学びます。オープン後のSV(スーパーバイザー)による店舗訪問指導は、原則月1回。ラテアート指導は随時実施。

チェーン展開開始年 2000年
直営店舗数 / 加盟店舗数(2013年7月17日現在) 3店舗/ 2店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
法人100%
※個人での加盟可能
未経験者の加盟比率 0%
※飲食業未経験での加盟可能
標準開業資金(物件取得費別)/標準店舗規模(ミニタイプ=バーカウンターのみ) 約1,250万円/15坪(バックヤード込)

※ブレンズコーヒー「加盟店オーナーからひとことコメント!」は掲載しておりません。


ビーアンドエム代表取締役社長 小宮山誠氏

ブレンズコーヒー

[事例3] 郊外型喫茶店「オランダ坂珈琲邸」

(フランチャイズ本部:株式会社日本レストランビジネス http://www.restaurant-business.co.jp/brand/index.html
~月商実績850万円~1,000万円。「プチぜいたく」な喫茶店~

 オランダ坂珈琲邸横浜西谷店(直営店・60坪・85席)の月商実績900万円~1,000万円。東京都・町田金井店(同)は850万円~900万円。高い売り上げを実現した理由は、ちょっとぜいたくな時間を楽しめる店舗づくりと郊外立地にあります。

 オランダ坂珈琲邸は、長崎のグラバー邸をイメージして造られた異国情緒を感じさせる店構え。基調はロイヤルブルー。店内は、風景を楽しめるガラス張りのテラス席、小さい子供連れでも気兼ねなく過ごせる座敷(小上がり)、ゆったり座れるソファ席などを備えた、くつろぎの空間。コーヒーは、オリジナルブレンドの豆をドリップ直前に店でひき、ホットケーキはオーダーを受けてから焼く。手をかけただけ、風味が違います。「オランダ坂ブレンド珈琲」420円 、「オランダ坂珈琲邸ホットケーキ(プレーン)」 1枚399円、「手ごねハンバーグ・プレートセット」1,029円。午前7:00~12:00に、ドリンクを注文すれば、厚切りトーストとゆで卵が無料でサービスされる「モーニングセット」、パスタ、ドリア、サンドイッチなどフードメニューも充実。

 市街地と異なり、郊外にはオランダ坂珈琲邸のような雰囲気も食事も楽しめる店舗はまれなので、オランダ坂珈琲邸で食事も済ませる客が少なくありません。そのため客単価は800円~900円になっています。客層は時間帯や曜日によって異なります。平日の朝はシニア層、昼から15時までは主婦層、15時以降はサラリーマン、シニア、地域の人などが訪れ、週末は家族連れが中心になります。幅広い客層が経営を安定させています。

 現在、本部は、オランダ坂珈琲邸フランチャイズの、2014年春からの本格的加盟店募集に向け、準備を進めています。加盟店開業資金は、他の郊外型喫茶店フランチャイズよりかなり抑え、飲食業未経験でも加盟できる予定。現時点でも、加盟希望者を受け付けており、希望者には店舗見学などを実施中。

フランチャイズ展開開始年 2014年開始予定
直営店舗数 / 加盟店舗数(2013年7月19現在) 4店舗 /0店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
法人加盟者のみ募集予定
業界未経験者の加盟比率 未経験でも加盟可能
標準開業資金/標準店舗規模 未定

※オランダ坂珈琲邸「加盟店オーナーからひとことコメント!」は掲載しておりません。


日本レストランビジネス FC開発部部長 坂野孔哉氏

オランダ坂珈琲邸

注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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