連載コラム

第59回 ヘルシー系フード&スイーツ

[ 2013年11月27日 ]

 今回は、競合が少ない「スープ専門店」、売れただけ支払う委託販売式「焼かりんとう店」、商品と接客のユニークさで差別化する「トマトラーメン専門店」をご紹介いたします。

[事例1] スープ専門店「ベリーベリースープ」

(フランチャイズ本部:株式会社スープアンドイノベーション)
http://www.soup-innovation.co.jp/
~競合の少なさが魅力!「客の9割が女性」のスープ専門店~

女性一人でも気軽に入れる!野菜たっぷりの具だくさんスープ専門店
 ベリーベリースープは、野菜たっぷりの具だくさんスープ専門店。基本的に、スープは、白ゴマごはん、または石窯ライ麦パンとのセットで提供します。女性客をターゲットにしているため、店舗は、女性一人でも気軽に入れるような、ファストフード系の明るい雰囲気です。狙い通り、客の9割が女性。中でも、10代半ば~40代前半の女性がメインです。

 主なメニューは、「茸とソーセージの和風ポトフ」(単品Lサイズ)580円、「ガーリックバターの天然魚介スープ」(同)730円、「シングルセット」(食べるスープLサイズ+白ゴマごはん(石窯ライ麦パン)+サラダ)690円など。(※価格は、地域によって若干異なります)平均客単価は750円~800円。既存店実績に基づく年商モデルは、4,200万円。トップクラスの加盟店、新潟万代シティ店の年商は、7,500万円です。

「事業の魅力」:競合が少ない・二等立地OK・店内調理はカンタン
 ベリーベリースープの大きな魅力の一つは、競合が少ないこと。首都圏中心に数十店舗を出店しているチェーンはありますが、全国規模のフランチャイズはまだありません。競合が少ないだけ、客を奪われ、売上に影響が出るリスクは低くなっています。
 また、二等立地、三等立地でも成立する業態なので店舗取得費が抑えられます。2階(岡崎戸崎店)、3階(本厚木店)に出店した店舗も、好業績を上げています。

 スープは、主に、レトルトパウチに入れたり、冷凍した状態で店舗に納品されるため、加盟店での作業は、スープを解凍したり、具材をカットしたり、ゆでたりしておき、注文に合わせて盛り付ける程度。加盟店オリジナルのスープやデザートなどの開発・提供が可能です。

「研修・サポート」:店長研修・オープン支援・年3回の臨店指導
 7日間の店長研修では、調理、接客などを学習。オープン前後3日間~4日間は、スーパーバイザー(SV)が加盟店に入って立ち上げ支援。年3回のSV臨店指導(無料)あり。要請指導は20,000円の指導料と交通費がかります。

フランチャイズ展開開始年 2009年
直営店舗数 / 加盟店舗数(2013年10月末現在) 1店舗/ 23店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人約70%、法人約30%
加盟者全体に占める飲食業未経験者の比率 50%
標準開業資金(物件取得費別)/標準店舗規模 約560万円(居抜き物件の場合)/20坪

加盟店オーナーからひとことコメント!
「何やってもダメだった2階の店舗。ベリーベリーで売り上げが2倍に」
■岡崎戸崎店(愛知)オーナー 杉浦博治さん

「郊外型店舗の2階に、最初はハンバーガーショップ、次にエスニック料理店を出しましたが、どちらもダメ。ところが、3人の女性社員全員が『やりたい』と言ったベリーベリー(※)に変更してから、客数は2.5倍、売り上げは2倍に。酒を扱うエスニックは夜型店舗でした。明るい時間に営業できるベリーベリーは、スタッフさんもラクで楽しそうです」
※ベリーベリースープ
※岡崎戸崎店は2011年7月オープン。取材は2013年10月。

スープアンドイノベーション代表取締役社長 室賀 康氏
スープアンドイノベーション 代表取締役社長 室賀 康氏
ベリーベリースープ
ベリーベリースープ


[事例2] 焼かりんとう店「菓寮 花小路(かりょう はなこみち)(※)」

(フランチャイズ本部:株式会社クラタ シー・エム・エス)
http://www.hanakomichi.net/
~委託販売式で、在庫負担ゼロ。半数近い加盟者が2店舗以上経営~
※菓寮(かりょう):菓子店

他では手に入らない、独自製法で作った「焼かりんとう」
 かりんとうは揚げたものが一般的ですが、花小路のかりんとうは、独自製法で作った焼かりんとう。焼き菓子ならではのサクサク感、黒砂糖の懐かしいおいしさ、他では手に入らないという話題性などから、人気を集めています。花小路の店舗は、10坪~15坪の路面店。店舗で扱う商品は、「焼かりんとう黒糖味」1袋630円、「焼かりんとうお芋味」(期間限定商品)同630円、「黒糖のゴーフレット」1袋(5枚入り)525円、「黒糖のゴーフレット胡麻ピーナッツ味」1袋(5枚入り)525円の4品目(※全て税込価格。一部店舗で黒糖まんじゅう「まるの和」1袋(6個入)500円販売)。

地方都市の店舗の方が、売り上げは高い。年5回の贈答シーズンに売上拡大
 花小路では、店舗オープン時に、焼かりんとう1,000個を無料配布、集客につなげています。地方都市の店舗の方が売上は高く、通常、都内の店舗の客単価は、1,000円程度ですが、つくば店(茨城)、小山店(栃木)では約1,800円です。また、焼かりんとうは、贈答品として購入されるケースが多いため、年5回の贈答シーズン、すなわち年末、年始、3月の引越しシーズン、9月のお彼岸、8月のお盆には、都内でも、地方都市でも、客単価が4,000円に跳ね上がります。焼かりんとうを贈られた客が、「おいしかったから」とわざわざ店舗を探し、来店するケースが多く、口コミで客が増えています。主要客層は40代後半~60代の女性です。

 既存店実績に基づく年商モデルは約2,000万円、トップクラスの加盟店である「みつわ台店」(千葉)の年商は3,200万円。現在、加盟者15人中、7人が複数店舗を経営しています。複数店舗経営者は、1人当たり平均2店舗~3店舗を経営。

「事業の魅力」:オンリーワン商品・資金負担が軽い・商品管理がラク
 花小路の魅力の第一は、焼かりんとうがオンリーワン商品であること。他にない商品だから、同業他店に客を奪われるリスクが低くなっています。

 第二の魅力は、開業・運営に際しての資金負担が軽いこと。加盟金ゼロ、二等立地の店舗でも口コミで集客できるので開業資金を抑えられます。委託販売式だから、在庫負担がありません。本部から供給された商品が売れたら、売り上げの6割をロイヤルティ(商品仕入れ代込)として、毎月本部に支払います。

 第三の魅力は、商品管理がラクであること。商品の賞味期限は3カ月。廃棄ロスはほとんどありません。加盟者は接客に注意すれば良いだけです。

「研修・サポート」:オープン前研修・臨店指導
 オープン前研修は、3日間で接客販売、売上管理などを学びます。オープン後は、月一回の臨店指導で接客チェック、繁忙期の広告の打ち合わせなどを実施。

チェーン展開開始年 2013年 3月
直営店舗数 / 加盟店舗数(2013年10月22日現在) 3店舗/ 42店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人約50% 法人約50%
加盟者全体に占める小売業未経験者の比率 約30%
標準開業資金(物件取得費込・加盟金ゼロ円)/標準店舗規模 693万4,600円/約12坪の場合

加盟店オーナーからひとことコメント!
「オープンから約1年。贈答時期に売り上げ拡大。これまで赤字の月はなし」
■取手店(茨城県)オーナー 小平 武 さん

「2012年11月に12坪の取手店をオープンしました。少なくないお客様が、友人、知人から贈られた焼かりんとうの添付パンフレットを頼りに、わざわざ店を訪ねて下さいます。贈答シーズンに、徐々に口コミで客足、売り上げが伸びました。在庫を積んでも、資金負担がないのがいい。これまで、赤字になった月は一度もありません」

クラタ シー・エム・エス営業販売部 田澤 光晴氏
クラタ シー・エム・エス営業販売部 田澤 光晴氏
菓寮 花小路
菓寮 花小路


[事例3] トマトラーメン専門店「太陽のトマト麺」

(フランチャイズ本部:イートアンド株式会社)
http://taiyo-tomato.com/
~ユニークな商品とスタッフの個性を活かした接客で差別化~

客の45%が女性客!男性客中心のラーメン店との競合回避
 太陽のトマト麺で提供するトマトラーメンは、鶏ベースのスープと完熟トマトソースで作ったトマトスープのラーメン。鶏やトマトを使ったヘルシーなラーメンなのに、おいしいためか、客の45%が女性客。通常のラーメン店では、女性客の比率は15%程度ですから、女性の支持が高いと言えます。そのため、男性客中心の一般的なラーメン店と、競合しにくくなっています。
 主な商品は、「太陽のラーメン」730円(税込)、「太陽のチーズラーメン」830円、「アフターラーメンリゾット らぁリゾ」 150円など。

「事業の魅力」:楽しい接客で客単価アップ・メディア登場の多さから客数増ヘ
 太陽のトマト麺は、ラーメンだけでなく、接客もユニーク。店舗スタッフは、客を楽しませることを目的に、客への礼儀をわきまえた上で、マニュアルに縛られず、自由に客と接するよう奨励されています。髪型、服装も自由。スタッフが接客に時間を割けるよう、調理はコックレス化してあります。楽しい接客でリピーター化を図ったり、接客の中で無理なくおすすめメニューを提案し、客単価をアップさせたりします。平均的なラーメン店の客単価は820円~830円ですが、太陽のトマト麺では880円~900円近くになっています。また、スタッフは店舗で個性を発揮して、楽しく働けるので、スタッフ定着率が向上する傾向にあります。

 太陽のトマト麺は、トマトラーメン専門店という目新しさや、大手食品会社や人気ゲームソフト、映画などとの多数のコラボ商品開発で、これまで、メディアに度々取り上げられてきました。メディアでの紹介は、店舗の客数増につながる傾向にあります。既存店実績に基づく年商モデルは6,000万円。オープンから5年~7年たった店舗でも、順調に売り上げを伸ばしています。

「研修・サポート」:オープン前研修・臨店指導・ロイヤルティ軽減制度
 オープン前の研修は、20日~1カ月。内容は、現場に入っての調理研修、接客指導など。オープン後はスーパーバイザーによる月1回の臨店指導。オープンから2年目以降は、売り上げの伸びによってロイヤルティが軽減されます。

チェーン展開開始年 2009年 4月
直営店舗数 / 加盟店舗数(2013年10月22日現在) 6店舗/ 11店舗(国内の店舗数)
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人約50% 法人約50%
加盟者全体に占める飲食業未経験者の比率 加盟店11店舗中、1店舗のみ。
(※未経験者の加盟可能)
標準開業資金(物件取得費別)/標準店舗規模 約1,600万円/18坪・20席

加盟店オーナーからひとことコメント!
「店舗の近くに、他のラーメン店が6店舗。でも土俵が違うので競合せず」
■京急川崎駅支店(神奈川県)ほか1店舗経営 オーナー 相澤 克之さん

「私は、もともと直営店だったこの店の店長。本部から店を買い取って、独立しました。スタッフは、店で自由に接客できるので、楽しく働いてくれます。おかげで楽しい雰囲気の店になり、お客様も通ってくれます。この店は、ラーメン店の激戦地にありますが、お客様の半数近くが女性の楽しい店なので、競合もなく、オープンから6年たちました」

クイートアンド外食営業本部 ラーメン営業部 ゼネラルマネジャー 鳥生 恒平氏
イートアンド外食営業本部 ラーメン営業部
ゼネラルマネジャー 鳥生 恒平氏
太陽のトマト麺
太陽のトマト麺
注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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