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連載コラム

第62回 加盟者事例(12)「飲食店フランチャイズ加盟店29店舗運営中。29店舗を円滑に回すために、店舗管理は徹底しています(株式会社アメリカヤコーポレーション代表取締役社長 福田大作さん)

[ 2014年2月28日 ]

アメリカヤコーポレーションの本業は、靴の小売業でしたが、2000年に焼肉店フランチャイズに加盟。今日までに飲食店フランチャイズ加盟店29店舗を出店しました。アメリカヤコーポレーション代表 福田大作さんに、フランチャイズ選びで重視する点、飲食店のトレンド、店舗管理などについて伺いました。

靴店経営の厳しさから、飲食事業に進出

アメリカヤコーポレーション代表取締役社長 福田大作氏
アメリカヤコーポレーション代表取締役社長 福田大作氏

――まず、アメリカヤコーポレーションとは、どういう会社なのか、お聞かせください。
福田 群馬県館林市に本社をおき、飲食店フランチャイズ加盟店29店舗と自社開発の飲食店2店舗を運営する会社です。加盟しているフランチャイズは、焼肉店「牛角」、低価格ステーキ店「ペッパーランチ」、とんかつ店「とんかつ かつや」、ラーメン店「らぁめん花月」など、9業態です。

 正社員40人、パート・アルバイトスタッフ約500人。2012年度年商は、約17億5,000万円。フランチャイズ事業についての私の主な役割は、新業態や物件選び、社内の経営会議への出席などです。

――どういった経緯で、飲食フランチャイズ事業を手がけられるようになりましたか。
福田 既に閉店しましたが、弊社の出発点は、私の父である現会長が、1979年に始めた靴の小売店。靴店は、いい時代もありましたが、台頭してきた製造直販型の競合店に、価格面で、太刀打ちできなくなりました。厳しい経営状態の突破口として、注目したのが、飲食店フランチャイズ。市場規模の大きさや、いい商品であれば、資本力に関係なくお客様の支持を得られる点が魅力でした。それで、当時勢いのあった焼肉店「牛角」に加盟、2000年に、牛角館林店をオープンしました。

――初めての飲食店フランチャイズ事業はいかがでしたか。
福田 加盟当初、牛角は、他県からのお客様がご来店くださるぐらい、集客力があり、目の回るような忙しさでした。牛角はおしゃれな店と評判だったので、パート・アルバイトスタッフ集めに苦労はありませんでした。しかしさすがに、BSE問題が起きた時は、売り上げが2割~3割減少。回復し始めるまでに、2カ月~3カ月かかりました。

フランチャイズ選びのポイントと飲食フランチャイズのトレンド

――飲食店事業参入から10年以上経ち、今では9業態のフランチャイズに加盟されるまでになりました。これまでのご経験から、どういった点に注意して、フランチャイズを選んでいますか。

福田 フランチャイズ選びは、まず、興味を持ったフランチャイズの店舗を利用することから始めます。5店舗は足を運び、感動できる店舗かをチェックします。また、フランチャイズ本部トップとの面談では、商品へのこだわり、今後の計画などを伺います。話から、トップの熱い想いが伝わってくることが重要です。さらに、本部社員と言葉を交わし、トップと同じ想いを、社員が持っているかを確認します。トップと社員が同じ価値観で行動していない場合、加盟者の声が届きにくくなるからです。また、本部の誠実さは、退店状況などネガティブなテーマについての説明に筋が通っているかを、物差しの一つにして判断しています。

――なるほど。それでは、今後の飲食店フランチャイズのトレンドについては、どうお考えでしょう。
福田 2年前~3年前までは、低価格志向でしたが、2013年ぐらいから限定商品など、もの珍しさや付加価値のある商品が好まれるようになってきたと感じています。
 また、超高齢社会のいま、お客様は安さでは集まりにくくなり、きめ細かい接客がこれまで以上に重要になるのではないか、加盟者にはアルバイト・パートスタッフの接客教育が一層求められそうだと考えています。

飲食店31店舗をどう管理しているか

ステーキ店フランチャイズ加盟店「クニズ イオンモール羽生店」
ステーキ店フランチャイズ加盟店
「クニズ イオンモール羽生店」
自社で開発した「石焼専門店上州ごはん屋 けやきウォーク前橋」
自社で開発した
「石焼専門店上州ごはん屋 けやきウォーク前橋」

――フランチャイズ加盟店29店舗と自社開発の飲食店2店舗、合計31店舗。これだけの数の店舗をどうやって管理されていますか。
福田 会議やミーティング、店舗の見回りなどを継続し、的確な管理につなげています。管理業務は、惰性で続けないよう、常に効果を確認し、ブラッシュアップを心がけています。

 定期的に開く会議、及びミーティングは2種類。毎週火曜日の経営会議と月1回の定例会です。経営会議では、私を含む、マネージャー、部長などの幹部社員13人で売り上げ、クレーム対策、新規物件の是非などを主な議題に、店舗運営全般を振り返ります。

 店長31人が参加する定例会は、会社全体についての情報を共有する全体ミーティングと、業態ごとに分かれて、それぞれの課題を話し合う業態別ミーティングの2部構成で行います。定例会では、一時期、全業態の課題を全参加者に伝えていたのですが、情報量が多すぎて参加者の集中力が持ちませんでした。それで、2部構成にして、業態の課題については、各参加者が直接関わっている業態についてだけ把握する形に変更しました。

――それぞれのミーティングでは、どういう情報を共有していますか。
福田 全体ミーティングでは、必要に応じ、経営会議の結果など、全社員が頭に入れておくべきことを伝え、業態別ミーティングでは、各業態の店舗ごとの売り上げ、コストなどの数字を基に課題、答え、目標設定、達成度の確認などを行います。

 最近、全体ミーティングで取り上げたテーマをご紹介すると、アルバイトスタッフによるネットへの投稿があります。投稿された小売店や飲食店店内でのいたずら画像がもとで、店舗経営者が謝罪したり、最悪の場合、フランチャイズ契約の解除や閉店にまで追い込まれたりする事件が相次ぎました。事件の全容、いたずらをしたスタッフやスタッフが勤務していた店舗がどういう社会的制裁を受けたか、具体例を挙げながら、情報を整理してミーティングに参加している店長に提供します。

 店長は、全員この種の事件について、概要は見聞きしているはずです。しかし、正確に把握していない状態では、店舗スタッフに説得力を持って語り、注意を促すのは難しい。ミーティングを通じ、正確な情報をわかりやすく提供すれば、店長がリスクの高さを理解し、各店のスタッフに配慮を欠いたいたずらが、自らの人生を台無しにする怖さを強く伝えられるようになります。こうして全社でネットへの投稿リスクを共有し、トラブルを防いでいます。

数字には表れない問題点は、店舗の見回りでカバー

――先ほど、店舗管理の方法として、会議やミーティングの他に、店舗の見回りも挙げていただきました。店舗の見回りによる店舗管理の効果についてもお聞かせください。
福田 店舗の状況は、売り上げなどの数字である程度把握できますが、店舗に足を運んで初めて気づく問題もあります。例えば、剥がれかけた店頭のポップ、切れている電球。なんとなくやる気がなさそうな店長の店舗を覗いてみると、スタッフとのコミュニケーションがうまく取れていないケースもあります。

 いずれも放置しておいては、お客様に不快感を与えたり、店舗運営に差し障りが出たりします。ですから私自身が、日頃から弊社の店舗に足を運ぶようにしています。弊社では、店舗のチェックをマネージャーに任せているので、マネージャーの仕事のじゃまにならないよう配慮しながら、店舗を回っています。弊社のフランチャイズ加盟店は、本部SV(スーパーバイザー)、マネージャー、私の3人がチェックするので、問題発見と対応のスピードが早い。それだけ大事に至る前に問題解決できます。

加盟者仲間の知恵も借りる

――フランチャイズの場合、同じフランチャイズの加盟者に店舗管理ノウハウを学ぶこともできます。
福田 ええ。本部SVから業績好調な加盟店を紹介していただき、店舗見学して学ばせていただいたり、加盟店オーナー会で店舗の立地条件が似通った加盟店オーナー同士で、効果的な販促、求人方法や求人業者についての情報交換を行っています。

――31店舗を今日まで経営されてきた背景には、管理の徹底があったようです。本日は、貴重なお話をありがとうございました。

「店は、3人がチェックするので、問題発見と対応のスピードが早い」
「店は、3人がチェックするので、問題発見と対応のスピードが早い」

注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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