連載コラム

第63回 バル(洋風居酒屋)

[ 2014年3月31日 ]

 今回は、女性客狙いで競合が少ない「8割が女性客のワイン酒場」、高い売り上げを出す小型バル「骨付鳥・からあげバル」、ワイン×串カツ×タパス(※)の珍しさで集客「串カツバル」をご紹介いたします。
※タパス:スペイン料理のおつまみ

[事例1] ワイン酒場「Di PUNTO(ディプント)」

(フランチャイズ本部:株式会社プロントコーポレーション)
http://www.pronto.co.jp/
~8割が女性客のワイン酒場。新しい業態だから競合少ない~

女性好みのワインと料理、カフェ風の店舗で女性客集める
 Di PUNTO(以下ディプント)は、女性客が、気軽に、お酒も食事も楽しめる店として立ち上げられました。約40種類のワインの大半は1,980円~5,980円(ボトル)。グラスワイン480円~。看板メニューは「元祖!イタリア産生ハムとサラミのてんこ盛り」1,280円。オーブン料理「小ヤリイカとイカ墨のおつまみ風パエリア」880円、石窯オーブンで焼く「ピッツア・マルゲリータ」680円などのメニューは、主要客層と同年代の女性スタッフが、女性客の嗜好とワインとの相性を考えて開発しました。

 また、店舗は一見するとカフェ。内装は、木目を基調にした、明るく、おしゃれなダイニングキッチン風。女性が、利用しやすいバルになっています。

客単価と年商モデル
 これまでの男性客を狙った和風居酒屋業態では、女性客は2割程度ですが、ディプントでは8割。中でも、20代~40代の女性が主要客層です。女性をターゲットにしたバル(洋風居酒屋)は珍しいため、ディプントは、従来の居酒屋と競合しにくいのが特長です。平均客単価は3,200円。既存店実績に基づいた、年商モデルは約9,600万円。

コックレスでも、おいしい料理が出せる理由
 ディプントは、コックレスで運営しますが、オリジナル器材とマニュアルなどにより、アルバイトスタッフでも客を満足させる商品を提供できます。例えば、パンやピザなどは、店舗で生地を伸ばして成型し、オリジナル器材の一つ、500℃高速オーブンで焼き上げます。
効率化と手をかける部分のバランスを取り、人件費などのコストカットと、おいしい料理を両立させています。

 また、ディプント本部は、カフェ&バーフランチャイズ「プロント」253店舗(2014年1月末)も展開しているため、プロント事業で関係を築いてきた業者を通じ、良質な食材を安価に仕入れられます。本部の食材供給力が、ディプントのフードメニューを下支えしています。

研修・サポート体制
 オープン前研修は、26日間。研修施設で基本的なオペレーション(7日間)を学び、直営の研修店舗での店舗実習で磨きをかけます(19日間)。SV(スーパーバイザー)は、オープン準備のサポートから、オープン時の店舗のサポート、オープン後の加盟店の業績を見ながら、改善策を提案、実行する業績検討会(月1回)などまで、必要に応じて随時指導。

フランチャイズ展開開始年 2012年 9月
直営店舗数 / 加盟店舗数(2014年1月22日現在) 3店舗/ 11店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
法人100%
※法人のみ募集
加盟者全体に占める未経験者の比率 加盟店11店舗中、1店舗のみ未経験
標準開業資金/標準店舗規模(店舗取得費別) 4,960万円 /25坪

加盟店オーナーからひとことコメント!
「居酒屋なら月商400万円の立地だが、ディプントなら700万円出せる」

■ディプント静岡店(静岡市)オーナー 小林享嗣さん

「オープンから3カ月の売り上げを見ると、オープン景気などを差し引いても、平均月商700万円は出せるでしょう。店舗では、3人~4人の女性が、ワインボトルを置いたテーブルを囲んで、おしゃべりに興じています。長年、飲食業に関わってきましたが、これだけ女性客が集まってくるバルは初めて。目新しさから、男性客もやってくる。男女比は4対6」

※2013年10月開業

プロントコーポレーション 店舗開発本部 開発2部 中根健一氏
プロントコーポレーション 店舗開発本部
開発2部 中根健一氏
ディプント
ディプント


[事例2] 骨付鳥・からあげバル「がブリチキン。」

(フランチャイズ本部:株式会社ブルームダイニングサービス)
http://www.bloom-ds.com/consulting/
~看板商品「骨付鳥・からあげ」で集客。小型店で高い売り上げ出す~

オリジナルのタレに漬け込んで焼く骨付鳥、金賞受賞のからあげ
 「がブリチキン。」の骨付鳥は、鶏の骨付きもも肉を20種類以上のスパイスを効かせたオリジナルのタレに、24時間以上漬け込み、高温のオーブンで焼き上げた商品。「ひな鳥」、「おや鳥」の2種類があり、いずれも893円。

 一方、タレに漬け込んで揚げたからあげは、からあげコンテスト「からあげグランプリ」の金賞を、2012年、2013年の2年連続で受賞、名古屋グルメを選ぶ「NAGO-1グランプリ」では準優勝を同じく12年、13年に連続受賞しています。からあげは、「骨付きぶつ切り」305円、「ネック」368円、など部位別に6品。「ねぎラー油」、「おろしポン酢」、「カレー」など6種類のトッピングで、味のバリエーションを楽しめるようになっています。

 フルーツをウィスキーに2週間漬け込んだ「漬け込みハイボール」473円も人気メニューです。主要客層は、20代~30代前半の男女。

小型店で、高い売り上げを出せる理由
 飲食店では、1坪当たりの月商20万円が繁盛店の目安。「がブリチキン。」の坪月商は40万円、中には50万円を超える店舗もあります。「がブリチキン。」は10坪~15坪の小型店ですが、平均月商400万円、店舗によっては月商が500万円以上になります。
 高い売り上げを可能にしたのは、駅前1等地への出店、看板商品、高すぎない客単価。多くのバルの客単価は3,000円~5,000円ですが、がブリチキン。では2,300円なので割安感があります。原価が低く、価格を抑えやすいハイボールの販売に力を入れるなどで、客単価を低くしました。手頃な価格で、骨付鳥やからあげを食べて、飲めるため、客のリピート率は高くなっています。

コスト・原価を抑えて利益確保、カンタン調理だからアルバイトスタッフでOK
 小型店なので、必要なスタッフ数が少ない、原価が低いハイボールがドリンクメニューの中心などの理由から、がブリチキン。は、人件費、原価などを抑制し、利益を確保しやすくなっています。既存店実績に基づく、加盟店の年商モデルは 5,000万円(12坪)。

 骨付鳥、からあげ、漬け込みハイボールは、仕込みを外部委託。半加工品を加盟店に入れるので、店舗での主な調理は焼いたり、揚げたりして、盛り付ける程度。プロの技術も、仕込みも不要なので、アルバイトスタッフで対応できます。

研修・サポート体制
 直営店で行うオープン前研修は、基本的に30日。基本理念、各種マニュアルなどは座学、オペレーションは、店舗に入って学びます。オープン後サポートは、原則としてオープンから3カ月までは月1回訪問サポート、その後は2カ月に1回のQSC(※)確認。売上管理システムを導入し、原価や売り上げなど、加盟店の数値を本部とリアルタイムで共有、必要に応じ、随時ヒアリングや指導を実施。
※QSC:飲食店成功の3つのキーワード、「quality(品質)、service(サービス)、cleanliness(クレンリネス、清潔さ)」の頭文字。

チェーン展開開始年 2014年 1月
直営店舗数 / 加盟店舗数(2014年3月18日現在) 5店舗/ 1店舗
※からあげお持ち帰り専門店2店舗(直営)
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
法人100%
※個人でも加盟可能
加盟者全体に占める飲食業未経験者の比率 0%
※未経験でも加盟可能
標準開業資金(物件取得費別)/標準店舗規模 約2,000万円/12坪

※がブリチキン。の「加盟店オーナーからひとことコメント!」は掲載しておりません。

ブルームダイニングサービス代表取締役 加藤弘康氏
ブルームダイニングサービス代表取締役
加藤弘康氏
がブリチキン。
がブリチキン。


[事例3] 串カツバル「串カツバルBAKUBAKU(バクバク)」

(フランチャイズ本部:SERVERS(サーバーズ)株式会社)
http://www.servers.co.jp/
~「ワイン×串カツ×タパス(※)」の組み合わせの珍しさで人気~ ※タパス:スペイン料理のおつまみ

ワイン60種類、串カツ30種類、豊富なタパス
 串カツバルBAKUBAKU(以下BAKUBAKU)では、約60種類のワイン、約30種類の串カツのほか、タパスも豊富に取り揃えています。ワインはボトルで2,000円~4,500円。グラスワインは450円~。串カツは「背黒鰯」100円、「鶏梅 塩」200円、「天然子持ち昆布」350円など80円~350円の価格帯です。タパスは「小エビのアヒージョ(※)」580円、「つぶ貝エスカルゴ風」700円など(※アヒージョ:にんにくの入ったオリーブ油でつくる煮込料理)。

幅広い客層・平均客単価・モデル年商
 BAKUBAKUは、一つのバルで、ワイン、串カツ、タパスが楽しめると支持されています。串カツが幅広い層に親しまれている商品なので、BAKUBAKUの主要客層は、20代半ば~40代後半の男女と幅広くなっています。客層の幅広さは、BAKUBAKUの経営安定化、多様な立地への出店を可能にする要因の一つです。BAKUBAKUの平均客単価は、3,200円。既存店実績に基づく、モデル年商は 5,640万円

研修・指導体制:「地域特性に合わせた加盟店の業態提案、指導も可能」
 BAKUBAKUでは、研修で、未経験者でも串カツを揚げる技術が身につくので、飲食業が初めてでも加盟できます。串カツに関しては、味の決め手であるソースは、本部が独自レシピでつくったものを加盟店に提供します。加盟店では、仕込みと揚げる作業を行います。オープン前研修は基本的に45日。調理から店舗管理まで指導。オープン後は月1回、SV(スーパーバイザー)が店舗に出向いて指導。

 なお、本部は、飲食店のプロデュース、経営コンサルティングを手がけてきたこともあり、加盟者の要望に応じ、出店地域の特性に合わせた業態提案、指導も行っています。福岡の加盟店は、本部の提案、指導を受け、高級な串揚げ業態店舗としてオープン予定です(※取材時点)。

チェーン展開開始年 2013年 2月
直営店舗数 / 加盟店舗数(2014年1月23日現在) 2店舗/ 0店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)

※個人、法人を問わず加盟可能
加盟者全体に占める飲食業未経験者の比率
※未経験でも加盟可能
標準開業資金(居抜き物件の場合)/標準店舗規模(店舗取得費別) 約1,430万円/20坪

※BAKUBAKUの「加盟店オーナーからひとことコメント!」は掲載しておりません。

SERVERS 代表取締役中田琢也氏
SERVERS 代表取締役 中田琢也氏
串カツバルBAKUBAKU
串カツバルBAKUBAKU
注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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