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連載コラム

第68回 加盟者事例(15)「14年間、飲食店フランチャイズに取り組んできました。今、『イケる』と考えているフランチャイズは、4つあります」(有限会社トークインコーポレーション代表取締役 小林享嗣さん)

[ 2014年8月29日 ]

「フランチャイズ事業は6勝5敗」という小林さん。厳しい失敗を経て、現在は、6つの飲食店フランチャイズに加盟し、23店舗を展開中です。小林さんに、フランチャイズ選びのポイント、成長性を感じている飲食店フランチャイズ事業などについて伺いました。

フランチャイズ事業は6勝5敗だが、年商約20億2960万円

トークインコーポレーション代表取締役 小林享嗣氏
トークインコーポレーション代表取締役 小林享嗣氏

――トークインコーポレーションの概要からお聞かせください。
小林 1990年5月に設立した、飲食業を主要業務とする会社です。本社は静岡市です。飲食店フランチャイズ事業は、喫茶店「珈琲所コメダ珈琲店(以下コメダ)」、ワイン酒場「Di PUNTO(以下ディプント)」、天丼店「てんや」、讃岐うどん店「はなまるうどん」、中華食堂「大阪王将」、炭火焼鳥店「八剣伝」の6つのチェーンに加盟し、合計23店舗の加盟店を運営しています。飲食店以外では、中古ゴルフショップ「ゴルフパートナー」フランチャイズに加盟しています。2013年度年商は、約20億2960万円、社員70人、パート・アルバイトスタッフ約500人になります。

最初に加盟したラーメン店フランチャイズは倒産!?

――御社にとって初めての飲食店フランチャイズは、どういう事業でしたか。
小林 2000年にオープンしたラーメン店です。でも、本部が倒産、静岡と神奈川エリアを2,500万円で買っていたのですが、最終的に4万円しか回収できず (笑)、初のフランチャイズ事業は失敗に終わりました。

――最初に厳しい経験をされたんですね。今日の成功を築くまでは、それなりに失敗もありましたか。
小林 ええ。フランチャイズ事業は6勝5敗というところでしょうか。最初のラーメン店以外にも、ドーナツ店、定食屋、アイスクリームショップ、イタリアンレストランという5つのフランチャイズ事業で失敗しています。

――今、振り返ってみて、5つの事業に共通する失敗の原因はなんだったと思われますか。
小林 フランチャイズ事業についての調査不足につきます。ラーメン店は本部トップと知り合いだったから加盟したようなもので、事業自体の調査はしませんでした。定食屋について言えば、本部をサポートしていた加盟店開発代行会社に、東京の駅前立地を提案され、言われるままに出店したものの、定食屋に適していない立地だったようで、業績が伸びず撤退。自社で立地調査をしていれば、防げた失敗でした。その他の事業についても、不十分な調査が原因で失敗に至りました。

苦い経験で学んだフランチャイズ選びのポイントは?

――失敗から学び、今ではどういう点に注意してフランチャイズを選んでいますか。
小林 まず、歴史の長い本部に注目するようになりました。設立から30年近くたっている本部には安心感があります。本部の歴史の長さは、長くお客様の支持を受けてきた裏付けの一つですから。私が失敗した5つのフランチャイズの内、3つが誕生間もない本部でした。
 それから、本部だけでなく、加盟店の話を聞く。それも業績のいい店舗、悪い店舗の両方に聞きます。全店がうまくいっているということは、まずないですから、それぞれの状況を把握して総合的にフランチャイズの全体像をつかむようにしています。加盟店では、本部はメニューや業態のブラッシュアップに積極的に取り組んでいるか、直営店が閉店していないか、加盟店を直営店に切り替えていないかなどを尋ねます。

――初めてフランチャイズ事業に挑む個人・法人が、フランチャイズ選びで、間違いやすい点を挙げていただけますか。
小林 高い開業資金やコストには意味があるということです。
開業資金やロイヤルティなどのコストが低いフランチャイズに目が行きがちですが、常識的には、本部がフランチャイズ事業の開発や指導に投じた資金・時間・労力が、開業資金やコストに反映されます。だとすれば、あまり抑えた金額のフランチャイズ事業には、多くを期待できないということになります。この点を忘れないでいただきたいです。

「これからイケる」と感じている飲食店フランチャイズ事業は?

ディプント静岡店
ディプント静岡店

――ここからは、今後、伸びると感じている飲食店フランチャイズ事業についてお聞かせください。
小林 私が知りうる範囲で言いますと、喫茶店「コメダ」、ワイン酒場「ディプント」、天丼店「てんや」、今年10月に弊社一号店をオープン予定の定食屋「大戸屋」に成長性を見ています。

 いずれのフランチャイズも、社会状況に適しており、時流にも乗っている。加盟店を運営していて、「これからイケるぞ」と感じています。例えば、弊社で運営している「コメダ」6店舗は、午前中は「シニア喫茶店」と呼んでいいほど、シニアのお客様にご利用されています。これは、高齢社会の日本では大きな強みです。昨今のカフェブームも追い風。長い歴史と500店舗を超える店舗数を考えても、堅調な伸びが期待できると考えています。

 一方、「ディプント」は、私どもが運営する静岡店で、お客様の男女比が4対6と、女性客の支持が高いバル(洋風居酒屋)。カフェ風の店づくりや女性好みのワインと料理で、女性客にとって敷居の低いバルになっています。現在、「ディプント」静岡店の月商は600万円~700万円ですが、もし同じ場所で一般的な男性客狙いの居酒屋を出したら400万円がやっとでしょう。

 また「てんや」は、クオリティの高い商品を職人不要の調理システムに沿って作れるようになっており、運営がラク。今のところ、同業他店は個人店しか見当たらないので、強力なライバル不在という点もいい。和食ブームにも乗っています。

 最後に、これから手掛ける「大戸屋」は、シニア・女性客が多い、和食中心で健康・安全志向のメニューと、今後の社会情勢に合った事業ですし、長い歴史のある本部なので、手堅い伸びを予想しています。

――社会への適性が高く、ブームに後押しされているフランチャイズは、加盟者にとってどんなメリットがありますか。
小林 集客に弾みがつきやすいですから、早期に投資回収、利益拡大を行って、次の優れたフランチャイズ事業を始める態勢を整えられることです。
どんなに素晴らしいフランチャイズ事業でも永遠に繁盛するわけではありません。加盟者は、次に伸びるフランチャイズを見つけては、加盟、開業を繰り返していかなければならない。勝ち馬をどんどん乗り換えながら、成長していけるのは、加盟者としての醍醐味でもありますし。

飲食フランチャイズに挑む方へのアドバイス

てんや静岡店
てんや静岡店

――最後に、長く飲食フランチャイズ事業を手掛けてこられた小林さんから、これから飲食フランチャイズに挑む方へのアドバイスなどありましたらお願いいたします。
小林 SM(ショッピングモール)のフードコートに出店する際の注意点をお話します。
弊社経営の「はなまるうどん」9店舗中6店舗は、フードコート内にあります。フードコートは、競合店がいきなり近くにできたりしない点で安定性はあるのですが、私の知る限りでは出店は5年契約です。だいたい再契約できますが、1回ぐらいのもの。投資回収して利益を出すために、最初の5年で確実に投資回収をする計画で出店してください。
――貴重なお話をありがとうございました。

注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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