連載コラム

第69回 ラーメン店

[ 2014年9月26日 ]

 今回は、昭和38年創業の「近江ちゃんぽん店」、各地の味噌を使った「味噌ラーメン専門店」、女性客比率が高い「鶏白湯(とりぱいたん)ラーメン店」をご紹介いたします。

[事例1] 近江ちゃんぽん店「ちゃんぽん亭総本家」

(フランチャイズ本部:ドリームフーズ株式会社)
http://www.dreamfoods.co.jp/
~昭和38年創業!「近江ちゃんぽん」は滋賀県B級グルメとして人気~

野菜たっぷり、あっさり味で女性、高齢者にも人気。客層の広さで安定経営
 看板商品「近江ちゃんぽん」は、もちもち食感の自家製熟成中太麺を使い、関西風のダシにたっぷりの肉と野菜を入れて作ります。飽きのこないあっさり味ならではのリピーターの多さ、老若男女を問わない幅広い客層が、経営を安定させやすくしています。特に、女性客の比率は、一般的なラーメン店では2割弱と言われているのに対し、ちゃんぽん亭総本家のフードコート内の店舗では全体の半分弱、郊外型店舗では3割~4割と高くなっています。ちゃんぽん亭総本家の主な商品(※)は「近江ちゃんぽん野菜並盛り」(650円)、「ゆず塩ちゃんぽん野菜並盛り」(750円)、「豚そば」(650円)など。平均客単価は830円。
※商品価格は税抜

飲食業未経験でも、研修とマニュアルで、近江ちゃんぽんの味をマスター
 ちゃんぽん亭総本家では、店舗でひと手間かけ、独自のおいしさを出し、差別化しています。加盟店には、本部から製造した麺、ダシの原材料などが送られてきます。店舗では、近江ちゃんぽんの基ダシを仕込んだり、近江ちゃんぽんのオーダーが入ってから、手鍋に基ダシと野菜類を入れて煮込み、仕上げたりなどして手作りのおいしさを提供しています。調理は、研修やマニュアルがあるので、個人差はありますが、多くの場合、飲食業未経験のアルバイトスタッフでも早ければ1週間、遅くとも1カ月でマスターできます。現在の加盟社7社中4社が飲食業未経験で加盟し、内3社が2店舗以上を出店しています。中には、アルバイトスタッフだけで運営している店舗もあります。

年商モデルは標準店舗規模30坪~40坪で6,000万円~8,400万円
 店長研修は45日間で調理からマネジメントまでを指導。オープン前後の7日間に本部スタッフが店舗に入り、接客、オペレーションのサポートや指導を行います。また本部は、「売上管理システム」で、加盟店の経営状態を把握し、人件費、原材料費などの適切なコスト管理指導を行い、加盟店の利益拡大を促します。なお、トップクラスの加盟店年商は1億2,000万円になります。

フランチャイズ展開開始年 2012年
直営店舗数 / 加盟店舗数(2014年9月末現在) 35店舗 / 11店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
法人100%
※個人での加盟も可能
加盟者全体に占める飲食業未経験者の比率 約57%
標準開業資金(ロードサイド居抜き(※)物件の場合。物件取得費、建物躯体、加盟金・保証金別途)/ 標準店舗規模 約3,039万円 / 約35坪

※居抜きとは、以前の店舗の内装設備などが残っている状態

加盟店オーナーからひとことコメント!
「強力な競合店のある立地ですが、飽きのこない味でリピーターを確保」
■福井文京店(福井県福井市)ほか1店舗オーナー 松本智さん

「弊社本業はシネコン運営。店舗をオープンして、福井でも、滋賀の近江ちゃんぽんをご存知のお客様が多く、高い知名度に驚きました。競合店は『福井のソウルフード』と称されるほどの人気ラーメン店ですが、飽きのこないちゃんぽんの味で幅広い客層を集め、リピーターを確保。クレンリネスや接客を充実させれば、安定経営できると考えています」

※2014年7月オープン

ドリームフーズ営業部課長 岩本俊一氏
ドリームフーズ営業部課長
岩本俊一氏
ちゃんぽん亭総本家
ちゃんぽん亭総本家

[事例2] 味噌ラーメン専門店「麺場(めんば) 田所商店」

(フランチャイズ本部:株式会社トライ・インターナショナル)
http://www.misoya.net/top.html
~2カ月研修で、飲食業未経験でも専門店の味と店舗運営マスター~

チャーシューや玉子まで味噌漬け!味噌ラーメン専門店の味とこだわりで集客
 麺場 田所商店は、各地の味噌を用いて作る味噌ラーメン専門店。各店舗では、信州味噌、北海道味噌、江戸前味噌など3種類の味噌を用意。客は、好みの味噌味のラーメンをオーダーできます。主なメニューは「北海道味噌味噌漬け炙りチャーシュー麺」(980円)、「九州麦味噌肉ネギらーめん」(820円)、「信州味噌野菜らーめん」(750円)など(※)。
※商品価格は税別。商品価格は、店舗によって異なります。上記は本店での価格です。

 味噌味は、年齢性別を問わず、日本人に広く親しまれている味。しかも麺場 田所商店の味噌ラーメンは、コクや旨みはあっても、脂っこくないので、幼児から80代の高齢者まで多様な客が集まって来るそうです。客層の多様性が経営の安定性につながっています。平均客単価は1,000円。

研修は、月商1,000万円の直営店で実施して、繁盛店の運営法を体で覚える
 麺場 田所商店では、専門店のおいしさを提供するために、スープやラーメンの具材を各店舗で作ります。そのため加盟者は、仕込みや調理はもちろん、接客、店舗のマネジメントなどを直営店での2カ月の研修でしっかり学びます。研修は、月商1,000万円の多忙な繁盛店で行うため、加盟者は、どんなに忙しくても常においしいラーメンを出す調理技術、月商1,000万円を達成するために必要な1時間当たりのラーメンの販売数、それだけのラーメンを作るために必要な仕込みの量と原材料費、スタッフ数と人件費などの計数管理などを身につけられるということです。この徹底研修があるため、飲食業未経験でも加盟可能で、現在、加盟者における未経験者の割合は約6割です。既存店実績に基づく加盟店のモデル月商は600万円~1,000万円、年商は7,200万円~1億2,000万円。

オープン前後1週間、本部トレーナーが店舗に入り、サポート
 オープン前の2カ月研修は、最低3名の参加が条件で、必要に応じ期間を延長。パート・アルバイトスタッフの店舗研修は、4日~7日程度、本部担当者と加盟者が協力して実施。オープン前後1週間は、本部トレーナーが店舗に入り、店舗運営をサポート。オープン後は、随時、店舗運営、経営指導を行います。

チェーン展開開始年 2004年
直営店舗数 / 加盟店舗数(2014年9月末現在) 5店舗 / 45店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人25% 法人75%
加盟者全体に占める飲食業未経験者の比率 約60%
標準開業資金(居抜き(※)物件の場合、物件取得費別)/ 標準店舗規模 約2,000万円~ / 40坪

※居抜きとは、以前の店舗の内装設備などが残っている状態

加盟店オーナーからひとことコメント!
「オープン後半年で平均月商1,000万円。2カ月研修で店舗運営覚えた」
■神栖(かすみ)店(茨城県神栖市)オーナー 武井 重臣さん

「本業は不動産業。弊社社員は、研修で繁盛店に必要な計数管理などを頭に叩き込みました。おかげで過不足なく仕入れ、人員配置ができるため、売り上げを伸ばし、コストの無駄なく、利益を確保。もし1カ月研修だったら、調理を覚えるのがやっとだったでしょう。ただし、加盟者は、長い研修で不安にならないよう、社員への気配りが必要です」

※2014年2月オープン

トライ・インターナショナル取締役店舗開発部長 瀬倉亘貴氏
トライ・インターナショナル
取締役店舗開発部長
瀬倉亘貴氏
麺場 田所商店
麺場 田所商店

[事例3] 鶏白湯(とりぱいたん)ラーメン店「とりの助」

(フランチャイズ本部:株式会社ウィズリンク)
http://www.with-link.co.jp/
~濃厚スープ「鶏白湯(とりぱいたん)」で女性客も集める~

「鶏白湯」人気で女性客約4割。この個性で差別化
 とりの助の鶏白湯は、ローストした国産地鶏、もみじ、鶏骨、香味野菜などを加え、約10時間炊き上げて作ります。このコッテリ感ある濃厚なスープが特徴の看板商品(※)「鶏そば」(650円)、つけ麺「鶏つけ」(750円)、「鶏醤油(とりしょうゆ)」(590円)は、女性客にも人気。市街地のとりの助店舗では、女性客の割合が4割、週末やディナータイムは約5割になります。郊外型店舗でも客の3.5割は女性。女性客は2割程度という一般的なラーメン店と比べると、とりの助は、鶏白湯を特徴に女性客を多く集められる点で、差別化しやすくなっています。平均客単価は850円。
※商品価格は税別。

仕込み・調理・製麺はパート・アルバイト任せでも、おいしくできる
 加盟店でのスープの仕込みは、本部から納品された冷凍スープを解凍し、少量のガラスープと煮込むだけ。調理は、麺を茹でる、具材や野菜のカット、盛り付け程度。昨年より導入を始めた自家製麺機で、新鮮でおいしい麺が作れるようになり、しかもコストダウンできました。仕込み、調理、製麺作業はカンタンなのでPN(パートナー。パート・アルバイトスタッフを指す)で対応可能です。

「1回見れば仕事を覚えられる」スタッフ向け動画マニュアル
 ラーメン業界では珍しいことに、とりの助では、PN向け、店長向けの全マニュアルをそれぞれ動画にして、この9月より加盟店で運用開始しました。直営店では、PNが動画マニュアルを1回見れば仕事を覚えるようになったため、店長のスタッフ指導の負担が減ったそうです。

オープン前店長研修は約1カ月。加盟者が希望すれば物件を紹介
 オープン前研修は、店長対象に約1カ月、PN対象に、約1週間実施。店長研修では、仕込み、PN教育、細かい計数計算方法などを指導します。オープン後の指導は、最低3カ月に1回を基本に加盟店の臨店指導を行っています。なお、本部では、加盟者が希望すれば、独自の情報ネットワークに基づく物件を紹介します。こうした本部のバックアップもあり、現在、既存店実績に基づく、とりの助の加盟店年商モデルは、7,200万円(40坪の場合)ということです。

チェーン展開開始年 2004年
直営店舗数 / 加盟店舗数(2014年9月末現在) 5店舗 / 13店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人加盟者約40% 法人加盟者約60%
加盟者全体に占める飲食業未経験者の比率 50%
標準開業資金/標準店舗規模(40坪)(店舗取得費別) ・スケルトン(※)の場合:約2,600万円
・居抜き(※)の場合:1,300万円

※スケルトンとは、内装設備などが入っていない建物躯体(くたい)だけの状態
※居抜きとは、以前の店舗の内装設備などが残っている状態

加盟店オーナーからひとことコメント!
「地元では、鶏白湯ラーメン店がないから差別化できた。売り上げ、上昇中」
■伊勢崎連取店 (いせさきつなとりてん)オーナー 佐藤義尚さん

「弊社は、他に焼肉店3店舗を経営しています。この店はオープンして1年弱。女性客4割でファミリー客も多い。スープは、飲食業未経験のアルバイトスタッフでも、おいしく仕込めるため、お客様から『おいしい』とよく言われます。とりの助の知名度はこれからなので、集客はゆっくりペース。販促費をかければ、スピードアップできるでしょう」

※2013年9月オープン

ウィズリンク代表取締役社長 江口歳春氏
ウィズリンク代表取締役社長
江口歳春氏
とりの助
とりの助
注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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