連載コラム

第70回 高齢者ケア(5)

[ 2014年11月4日 ]

 今回ご紹介するフランチャイズは、2種類のスーパーバイザー制で加盟者支援を手厚くした「リハビリ型デイサービス」、日本商工会議所のビジネスプランコンテストで入賞した「往診専門の治療院」、安否確認サービスとおいしさで差別化する「在宅配食サービス」です。

[事例1] リハビリ型デイサービス「レッツ倶楽部」

(フランチャイズ本部:株式会社ほっとステーション)
http://www.lets-club.jp/fc/
~経営全般と集客担当の2種類のスーパーバイザーが手厚くサポート~

シニア向けフィットネスクラブのような明るい不雰囲気のデイサービス
 レッツ倶楽部は、「立つ」、「座る」など、日々の生活に不可欠な動きを、リハビリマシンでトレーニングするデイサービス施設。施設の利用者は、比較的介護度が低いため、スタッフの労力面での負担は軽くなっています。しかも施設は、基本的に土・日が休み。こうした理由などから、スタッフは集まりやすいそうです。

 また、マシンを使ったトレーニングなので、スタッフの資質にかかわらず、サービスレベルは安定的。そのため、これまで多くの利用者の状態が改善してきました。積み上げてきた改善結果のデータは、強力な集客の武器となっています。平均客単価(介護保険カバー分に利用者負担分を加えた金額)は、5,000円~7,000円、加盟施設年商モデルは4,800万円。

施設長を、研修と同行営業で指導し、手堅く集客
 レッツ倶楽部は、介護事業未経験の加盟者でも、円滑に施設運営できるようなっています。管理者(施設長)、看護師など施設スタッフの採用については、本部担当者が求人媒体の選定アドバイス、面接の立会いなどを行います。採用したスタッフには、直営施設、加盟施設で研修を実施。中でも、施設長の営業研修に力を入れるために、加盟店の経営全般に目配りするスーパーバイザー(以下SV)に加え、営業サポートに特化した集客担当SVを置いています。施設長は、8日間の直営研修を受けた後、集客担当SVによる10日間の同行営業で、研修で学んだことを復習し、身に付けます。施設のオープン後も、必要に応じ、ポスティングや折込チラシなど、販促活動のアドバイスや、現場での直接指導を行います。

単月黒字は、平均6カ月~8カ月
 現在、全加盟社66社の95%以上が、介護関連業未経験で事業を開始していますが、加盟社の約25%が2施設以上展開(2014年9月末時点)。単月黒字化の目安である「利用契約者数80人達成」は、平均的にオープン後6カ月~8カ月。これまでのところ、加盟施設の中で最短黒字化記録は、営業未経験の女性施設長の出した4カ月です。

フランチャイズ展開開始年 2010年9月
直営店舗数 / 加盟店舗数(2014年10月末現在) 4店舗 / 87店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人1.5% 法人98.5%
※個人で加盟した場合、法人化してからの加盟、開業となる
加盟者全体に占める介護業未経験者の比率 約95%以上
標準開業資金(初期費用。物件取得費、運転資金、その他諸経費、リハビリマシン代は別途)/ 標準店舗規模 約900万円~1,100万 / 約30坪

加盟店オーナーからひとことコメント!
「スタッフの定着が良い。本部の面接立ち会いで、いい人材と出会えました」
■新所沢店(※埼玉県所沢市)ほか1店舗オーナー 栗原義雄さん

「本部の集客担当スーパーバイザーは、電話やメールでのアドバイスに加え、必要であれば、現場で直接指導を行ってくれます。指導が、きめ細かくスピーディーなので、スタッフが一人で悩みを抱え込むことがない。そのためか、スタッフの定着が良く、業績好調です。現在は埼玉中心の展開ですが、来年は沖縄にも出店を予定しています」

※2014年7月オープン

ほっとステーション 介護事業第一営業部 窪木 安明氏
ほっとステーション 介護事業第一営業部
窪木 安明氏
レッツ倶楽部
レッツ倶楽部

[事例2] 往診専門の治療院「からだ元気治療院」

(フランチャイズ本部:株式会社からだ元気治療院)
http://www.karada-genki.com/
~日本商工会議所のビジネスプランコンテスト入賞!未経験加盟OK~

直営院は、1年半で沖縄県内最大手に成長、5年で売り上げ10倍に
 からだ元気治療院は、高齢者や身体障害者対象に、住宅や施設で、リハビリ、機能訓練、鍼灸、マッサージを提供する往診専門の治療院。治療には健康保険が適用されます。沖縄県の直営院(直営院屋号は「琉球治療院」)は、独自の集患、人材育成、管理・運営法などにより、2006年10月のオープンから1年半で県内最大手の治療院に成長、5年で売り上げ10倍を達成。2012年2月には、「からだ元気治療院FC全国展開事業」として、日本商工会議所YEGビジネスプランコンテストで入賞しました。

現場体験式研修で、ノウハウ提供。毎月、加盟店ごとに勉強会も実施
 からだ元気治療院は、医療分野未経験でも加盟できます。加盟院では、鍼灸、あん摩マッサージ指圧の国家資格保有者を雇用し、治療業務に専念してもらう一方、事務・集患などの業務は事務局員が担当、加盟者や事業責任者は、事務局のサポートや金銭管理を行います。資格保有者をはじめとする加盟院スタッフの採用については、本部が、求人媒体選びやスタッフ採用ポイントなどのアドバイス、人材紹介会社の紹介などのサポートを行います。

 スタッフ及び加盟者研修は、いずれも本部を置く沖縄で現場を体験しながら行われます。加盟者研修は、加盟者に必要な知識の習得を中心に6日間、事務局員は、約1カ月かけて事務作業、集患営業、接客などの治療院運営全般、施術者は、10~14日間でからだ元気治療院で求められる知識などを身に付けます。

小さい初期投資額などの理由で、初期投資回収1年半未満
 平均客単価(医療保険カバー分に利用者負担分を加えた金額)は5,000円、平均的にオープンから3年で、月商1000万円、年商1億2,000万円を達成。小さい初期投資額、集患ノウハウ、患者の大半がリピーター化などの理由で、単月黒字化10カ月未満、初期投資回収1年半未満が可能ということです。

チェーン展開開始年 2013年3月
直営院数 / 加盟院数(2014年10月末現在) 6院 / 24院
(直営院屋号は「琉球治療院」)
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人20% 法人80%
加盟者全体に占める医療・介護関連業未経験者の比率 約95%
標準開業資金(物件取得費込)/ 標準店舗規模 約600万(税別) / 約20坪

加盟店オーナーからひとことコメント!
「施術師の質が問われる事業。本部を通じ、優秀な施術師兼院長を雇用」
■徳島院(徳島県徳島市)オーナー 安倍康一さん

「これまで、塾、介護、配食サービスなどのフランチャイズ加盟店を運営してきました。からだ元気治療院の『往診先で、どう施術・接客サービスの品質管理をするか』という課題は、本部から紹介された信頼できる施術師兼院長の雇用で解決しました。徳島院は、営業をかけてから1カ月~2カ月後に問い合わせが増える感じで、軌道に乗ってきています」

※2014年5月オープン

からだ元気治療院代表取締役社長 林 秀一氏
からだ元気治療院代表取締役社長
林 秀一氏
琉球治療院(からだ元気治療院の直営院)
琉球治療院(からだ元気治療院の直営院)

[事例3] 在宅配食サービス「ニコニコキッチン」

(フランチャイズ本部:株式会社ソーシャルクリエーション)
http://socialcreation.co.jp/
~安否確認とおいしさで差別化し、全国110店舗(※)まで成長~

※2014年10月末現在

配達するだけの競合他社が多い中、食事の手渡しと会話で安否確認
 ニコニコキッチンは、高齢者対象に、自宅に食事を届ける事業。安否確認と材料費をかけたおいしさで差別化しています。競合他社の大半は食事を配達するだけですが、同社は、必ず食事を手渡しして、言葉を交わしたり、回収した容器に残された食事の量から健康状態などを把握しています。コミュニケーションや健康状態の把握から、利用者に合ったメニュー提案ができる点は、介護、福祉施設などに営業をかける際の強みの一つです。

 利用者の9割以上が75歳以上。主なメニューは「ヘルシーメニュー(ごはん付き)」(700円)、「元気メニュー(同)」(760円)などで、平均客単価は、他社よりやや高めの700円。
※商品価格は税抜

加盟者の9割以上が飲食業未経験。営業ノウハウは同行営業で指導
 加盟店の主な役割は、食事の配達、安否確認、清掃などの店舗管理、営業です。食事は、本部から届く冷凍パックされた調理済み商品を解凍、盛り付けして配達するので、難しい調理技術は不要。また、営業は、オープン前に、スーパーバイザーによる同行営業などを通じ、きめ細かく指導します。

 オープン前研修には、店舗マネジメント、オペレーションなどを学ぶ3日間の基本研修、7日間の現場研修があります。オープン時には、本部スタッフが店舗に入ってサポート、オープン後は、3カ月に1回の臨店指導の他、必要に応じ指導します。

定期的に長期間利用されるサービスだから、経営は安定しやすい
 定期的に長期間利用されるサービスだから、仕入れた食材が無駄になることはほとんどないし、配達専門なので、一等立地に出店する必要がないため、家賃を低く抑えられます。加盟店の標準年商は2,400万円、トップクラスの加盟店年商は8,400万円。

チェーン展開開始年 2002年4月
直営店舗数 / 加盟店舗数(2014年10月末現在) 2店舗 / 108店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人加盟者約80% 法人加盟者約20%
加盟者全体に占める飲食業未経験者の比率 90%
標準開業資金(店舗取得費、工事費別)/ 標準店舗規模 約686万円(税別) / 約15坪

加盟店オーナーからひとことコメント!
「おいしさ、きちんとしたユニフォーム、スタッフの質の良さで加盟」
■綾瀬堀切店店 (東京都足立区)オーナー 高貝 直利さん

「他社と比べ、おいしい食事、きちんとしたユニフォームが良かった。人件費をかけているためか、配達スタッフの質も良いと感じ、加盟を決めました。オープンから約3年、配達の度に、ご利用者さんと世間話したり、お菓子を頂いたり、時には『この荷物、ちょっと動かして』と頼まれたり(笑)。頼られていることが、大きなやりがいになっています」

※2011年6月オープン

ソーシャルクリエーション FC事業部主任 小倉 真二氏
ソーシャルクリエーション FC事業部主任
小倉 真二氏
ニコニコキッチン
ニコニコキッチン

注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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