日経メッセ > フランチャイズ・ショー > 連載コラム > 注目のFC分野・制度紹介! > 第71回 加盟者事例(16)「フランチャイズ選びの決め手は本部トップ。本部トップの器が成長の限界と考えています」 (株式会社丸光商事代表取締役 山田浩之さん)

連載コラム

第71回 加盟者事例(16)「フランチャイズ選びの決め手は本部トップ。本部トップの器が成長の限界と考えています」 (株式会社丸光商事代表取締役 山田浩之さん)

[ 2014年11月26日 ]

加盟する2つのフランチャイズで、トップクラスの業績を上げている山田さん。フランチャイズ選びで重視している点、加盟者として大きく成長するためのポイントなどを伺いました。

フランチャイズ加盟店として、個別指導塾13教室、鍼灸接骨院2院を運営

丸光商事代表取締役 山田浩之氏
丸光商事代表取締役 山田浩之氏

――丸光商事は、どういう会社ですか。
山田 弊社は、熊本県玉名市に拠点を置く、建設資材卸を主な事業とする会社です。現在、丸光グループ企業8社で建設関分野を中心に事業を展開しています。グループ全体の正社員数は約220人、パート社員数約150人、2013年度のグループ年商は約62億円です。弊社の創業者である丸光グループ会長は、私の父にあたります。グループで手がけているフランチャイズ事業は、個別指導塾「明光義塾」13教室、鍼灸接骨院「ほねつぎ」2院。明光義塾については、熊本、鹿児島地区のエリアフランチャイザーとしても活動中です。

――フランチャイズ事業を始められた理由をお聞かせください。
山田 フランチャイズ事業は、中小企業が成長分野にシフトする効率的な方法だと痛感したからです。丸光商事に入社する前に勤めていた経営コンサルタント会社で、フランチャイズ事業を学び、関わる中で、そう感じるようになりました。

「フランチャイズは、本部トップの器以上に大きくならない」

――どのような点に注意して、フランチャイズ事業を選ばれたのでしょう。
山田 成長分野の事業か、加盟者の中にどれだけ成功者がいるかなどですが、一番重視したのは、本部トップです。高い志があるか、加盟者を大切にしているか、どんなことをやってきた人なのか、どういう人たちを社員としてまとめているか...。お会いしたり、周囲の人の様子を拝見したりなどして、トップはどういう方なのかをつかむようにしました。

――なぜ本部トップを重視されたのでしょう。
山田 組織は、トップの器以上には大きくならないからです。どんなに立派なビジネスモデルのフランチャイズでも、この原則は変わりません。

――御社が加盟されているフランチャイズの本部トップについては、具体的にどう評価されましたか。
山田 明光義塾本部トップは、面談した際に、個性が求められる今、子ども達に、やればできるという成功体験を積ませて、それぞれの能力を引き出し、自己実現の支援をしたいと語ってくれました。私にも同じ想いがありましたし、トップの話に感銘を受けました。言葉を交わす中で、自らの信念を持った上で、個々の加盟者の話にもきちんと耳を傾ける方だと感じました。

 一方、ほねつぎ本部トップは、まだ30代後半で、私より一回り近く若い方なのですが、1店舗目開業からわずか14年程度で直営院を50院近くまで増やし、フランチャイズ化まで果たされました。トップの高い能力とともに、私が注目したのは、本部社員のレベルの高さ。ビジネスパーソンとしての能力はもちろん、人としてもちゃんとしている。おまけにトップより年長者が少なくない。こういった社員がついてくるだけのものを持った方なのだろうと感じました。

――しかし、これら2社のフランチャイズ加盟について、社内の反応はいかがでしたか。少子化を考え、塾の将来性を疑問視する声は上がりませんでしたか。また、ほねつぎは、未経験でも加盟できるビジネス(※)ですが、鍼灸接骨院経営と聞くと、ハードルが高い印象を受けます。
※ほねつぎでは、加盟者が(柔道整復師、鍼灸師の)国家資格者を院長、スタッフとして雇い、本部が技術・接客・院運営についてスタッフに直接指導するため、鍼灸接骨院業未経験でも加盟できる

山田 明光義塾は、そもそも、私が丸光商事入社以前に勤めていたコンサル会社を辞め、脱サラ加盟者として個人の資金で始めた事業なので、社内の意見調整は必要ありませんでした。

 ほねつぎに関しては、まず、弊社がお世話になっている税理士の先生に、本部担当者とともに鍼灸接骨院の成功ポイントをレクチャーし、先生のほねつぎ加盟についての不安や疑問を払拭しました。それから、税理士の先生を交えた役員会を開いたので、役員たちの不安や疑問にスムースに対応でき、無事、役員会でゴーサインを得られました。

少子化、競争激化で減少した生徒数を、3倍に増やせた理由

個別指導塾「明光義塾」は13教室運営
個別指導塾「明光義塾」は13教室運営

――実際に2つのフランチャイズ事業を始めてから今日までの間に、どんな課題が浮上し、どう解決されましたか。
山田 私が明光義塾の教室を始めた1995年頃は、まだ個別指導塾が少ない時代だったので、比較的ラクに生徒を集められました。しかし次第に少子化が進み、競合他社は増え、8年ぐらい前には、教室の平均生徒数は51名ぐらいになりました。ところが今では、13教室の平均生徒数は140名。一昨年、去年と2年連続で、10教室以上経営する明光義塾の加盟者の中でトップの平均生徒数を達成しました。

――それは素晴らしいですね。どのようにして、そこまで生徒数を回復できたのでしょう。
山田 私たちの事業に取り組む姿勢を、社会の需要に合わせたんです。
時代とともに、塾に求められるものは変わります。以前、生徒や保護者の方々に満足していただけた「塾は(教育)サービス業」、「ホスピタリティ産業」という姿勢で教室運営しても、今では、ご支持を得るのが難しい状況です。そこで、わたくし共は「塾は人物教育の場」ととらえ、「社会貢献に喜びを感じる子どもを育てる」意識で教室運営にあたることにしました。

 その結果、生徒達自ら、教室の周囲のゴミを拾ったり、打ち水をしたりするようになりました。保護者の方々からは、「成績を上げるだけでなく、そこまで指導してくれるとは」と高い評価を頂き、生徒がどんどん集まり始めたんです。

「本部トップになったつもりで課題に取り組むことが、成功や喜びにつながる」

運営する「ほねつぎ平成けやき通り鍼灸接骨院」
運営する「ほねつぎ平成けやき通り鍼灸接骨院」

――通常、集客などの課題については、本部が解決策を打ち出し、指導しますが、御社は独自に解決策を見出されたようですね。
山田 私は、加盟者は本部のパートナーだと考えています。もちろん本部なりに課題に対応してくれていますが、加盟者も立場をわきまえた上で、パートナーとして、本部トップになったつもりで、課題の解決策に取り組むのは当然ととらえています。解決できれば、業績向上や、解決策発見の喜びを味わえる。さらに、解決策を本部や他の加盟者と分かち合い、フランチャイズ全体の発展につなげるという喜びも加わります。今、弊社には、多くの加盟者仲間が見学にやってきています。
 
 もし加盟者が、課題解決を本部に任せ、解決策が出てくるのを待っているだけだと、本部に不平・不満を持ちやすくなってしまうのではないでしょうか。

――なるほど。それでは、ほねつぎ事業についてはいかがですか。
山田 ほねつぎ事業は昨年スタートさせたばかりですが、明光義塾事業で育てた人材をほねつぎの受付に登用したところ、フランチャイズ内でトップクラスの実績を出せました。これからは、広告規制強化に対応した新規客獲得策や人材採用の仕組み改善などが課題になってくるかと考えていますが、ほねつぎ本部なら対応していけると期待しています。弊社でも、独自の解決策に取り掛かっています。

――フランチャイズ事業について、今後の計画をお聞かせください。
山田 明光義塾は、20教室まで拡大します。アジアへの進出も考えています。ほねつぎは、熊本県内で10店舗まで出店予定です。
――最後に、フランチャイズ事業を検討中の方へのアドバイスをお願いいたします。
山田 フランチャイズを選ぶ際、加盟者自ら、主体的に課題に取り組んでいるフランチャイズか、また、加盟者の意見を積極的に吸い上げる本部かを確認してみてください。そういうフランチャイズは成長しやすいです。
――貴重なお話をありがとうございました。

注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

バックナンバー

PAGE TOP