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連載コラム

第72回 加盟者事例(17)「本業は製造業。『英語オンリーの学童保育・プリスクール』FCに加盟して、現在、3校運営中」 (株式会社日東 専務取締役 名畑陽一さん)

[ 2014年12月24日 ]

日東は、本社を愛知県春日井市に置く産業機器部品の製造会社。はじめてのフランチャイズ事業をどう選び、展開してきたかを伺いました。

1953年設立の産業機器部品メーカー、フランチャイズ事業に初挑戦

日東 専務取締役 名畑陽一氏
日東 専務取締役 名畑陽一氏

――まず、日東について教えてください。
名畑 日東は産業機器部品の製造会社。本社は、愛知県春日井市にあります。展望エレベーター、自動車部品などから、台車、消臭剤などの生活資材、コタツなどの家電製品まで手掛けています。自社工場は、国内では春日井工場を含む2カ所、海外では中国・大連工場をはじめ3カ所で展開しています。正社員130名、パート・アルバイト90名、2013年度年商は52億円。創業者が私の祖父、社長が父に当たります。

――フランチャイズ事業についてはいかがですか。
名畑 英語のネイティブスタッフやバイリンガルスタッフが、子どもを預かる学童保育・プリスクールフランチャイズ「Kids Duo」(キッズデュオ※)に加盟して、兵庫県でKids Duo西宮、門戸厄神(もんどやくじん)、大阪府で豊中を運営しています。
※Kids Duo(キッズデュオ)は、3歳~小学6年生を対象にしたオールイングリッシュの学童保育・プリスクール。英語での遊び、学びを通じ、子どもの英語力や幅広い視野を育てる。

愛知県小牧市の小牧工場
愛知県小牧市の小牧工場
日東が運営する中国・大連工場
日東が運営する中国・大連工場

「一人でトイレに行き、英語も話せるようになった息子に、父親として感動」

――フランチャイズ事業を始められるまでの経緯をお聞かせください。
名畑 異業種での多角化を考え、フランチャイズ事業を探すようになりました。主なフランチャイズ加盟条件は"社会貢献・優れた人材育成システム・本業への相乗効果"でした。

 当初、カフェ事業を検討していたのですが、足を運んだフランチャイズ・ショーで、たまたま息子の通っているKids Duoを見つけて、「Kids Duoなら世界で活躍できる日本人を育てられる。自分たちで日本の将来を支える人材を育てたい」と考えが変わりました。一人っ子で、人見知りだった2歳6カ月の息子が、Kids Duoでみるみる成長するのを目の当たりにしていたからです。

――息子さんは、Kids Duoで具体的にどう成長されたのでしょう。
名畑 息子は、最初は、泣きながら通っていましたが(笑)、ネイティブやバイリンガルの先生たちにハグされながら、英語でしつけられて、すぐにトイレに一人で行けるようになったり、上着を自分で脱いで、ロッカーにたたんでしまえるようになったりしました。また、Kids Duoは無学年制なので、年齢の異なる子どもたちがいっしょに過ごします。そのせいか、それまでなかったことですが、年上のお兄ちゃんたちとも話すようになりました。おまけに、「トイレに行きたい」など、生活に必要なことを英語で伝えられるようになったんです。

子ども向け英会話教室と、ここが違った

――幼いうちから英語を身につけられれば、将来、グローバルに活躍できそうです。しかし、英語の学童保育・プリスクールをビジネスとして見た場合、子ども向け英会話教室など、競合が多数あると思います。差別化については、どうお考えでしたか。
名畑 明確に、差別化できていると考えました。Kids Duoは、専用バスでの送迎や最大20:30までのお預かりなど、ハード面で安全性や利便性などに配慮しています。その上で、英語漬けの環境で、工作や音楽、外遊びなどを通じ、自然に英語を身に付け、社会性まで育める。いずれも一般的英会話教室にはない特長です。

本部の人材育成システムと本業への相乗効果について

――それでは、先に挙げていただいたフランチャイズ加盟条件、"社会貢献・優れた人材育成システム・本業への相乗効果"について、Kids Duoはいかがでしたか。
名畑 社会貢献については、日本の将来を担う人材を育てることで達成できます。
次に、人材育成システムについては、事業説明会に参加して「これなら」と思いました。まず、各スタッフの役割、研修、日々の指導カリキュラムなどが明確に決められていました。「だれが、いつ、なにを、どうするか」がはっきりしていれば、スタッフは自分のやるべきことを効率的に身につけられます。その一方、季節ごとに開く、サマースクールやウインタースクールなどのシーズンスクールは、スタッフたちが自ら考えて、教室ごとの個性を打ち出せるようになっています。シーズンスクールは、いうなれば、文化祭。どうすれば子どもたちが楽しめるか、個性を出せるか、頭をひねる時に人は成長するもの。これなら人が育つだろうと考えました。

 実際、Kids Duoに加盟、開校してみたら、このシーズンスクールへの取り組みで、スタッフたちが大きく成長しました。事前に、本部のスーパーバイザーが、前回のシーズンスクールで出た課題を、今回、どう解決するか考えるよう宿題を出すんです。宿題が、スタッフ成長のきっかけの一つになっています。

――本業への相乗効果は、どうでしょう。
名畑 将来、Kids Duo事業で育てた人材を本業である製造事業に振り向けて、相乗効果を出そうと考えました。ネイティブスタッフを管理してきたKids Duo事業責任者に、海外の工場長になってもらったり、Kids Duoのネイティブやバイリンガル社員に、海外で製造事業の営業パーソンとして活躍してもらったりするわけです。現在のところ、製造事業では、海外でも日本企業とだけ日本語でお取り引きしています。現地の企業に英語で営業できるようになれば、弊社の製造事業の一層のグローバル化につながります。

 Kids Duoは、3つのフランチャイズ加盟条件を満たしていました。社長も賛成してくれたので、加盟に踏み切り、2013年10月にKids Duo西宮を開校しました。

はじめての学童保育・プリスクール事業での課題

Kids Duo門戸厄神(もんどやくじん)
Kids Duo門戸厄神(もんどやくじん)

――はじめての加盟校を運営するに当たり、主にどのような点を課題と考えましたか。
名畑 いろいろありましたが、子どもへの対応に関しては、新学期など季節ごとに起こりやすい心身の不調のケア、経営に関しては販促活動でしょうか。
――ネイティブスタッフ採用についてはいかがでしたか。
名畑 教室長やネイティブ採用については、本部が面接立ち合いや適正テストを実施してくれるので、不安はありませんでした。実際、特にネイティブ採用は、本部の審査にパスした応募者を私と本部担当者が面接する形だったので、スムースに進みました。

――なるほど。それでは、子どもの心身のケアや販促活動について、本部はどうサポートしましたか。
名畑 まず、子どものケアについては、主に教室長研修を通じてのサポートでした。5月病や2学期がスタートする9月の情緒面の不安定さなど、1年間の子どもの心身の揺れ動きについて教室長が研修で指導を受けました。研修で大部分を押さえ、細かい点は、スーパーバイザーによる定期訪問などでフォローしてもらいました。

 次に、販促活動についは、サポートは様々でした。一例としてオープンスクールを挙げます。オープンスクールとは、ハロウィンやクリスマスなどをテーマにした、ある種のイベントのような楽しいレッスンで、定期的に開いています。通常のレッスンに体験入学した子どもさんや、Kids Duoについて問合せをしてきたご家庭の子どもさんが、オープンスクールに参加すると、7割は入会します。販促効果の高い催しなんです。本部スタッフには、見落としがちなオープンスクール成功のコツを指導してもらったり、現場に入っていっしょに盛り上げてもらいました。

はじめてのフランチャイズ事業、約1年の成果

――2013年10月にKids Duo西宮を開校されてから約1年、今ではKids Duo3校を運営されています。Kids Duo事業への評価をお願いします。
名畑 経営面については、西宮は、開校から1年後の目標生徒数を達成、ほか2校も順調に進んでいます。一方、弊社なりの社会貢献も、ささやかですが、進んでいます。英語経験ゼロで入会した4歳の子どもさんが児童英検シルバー級に合格したり、2歳で入会した子どもさんが半年後にネイティブに「Are you happy?」と質問したり(笑)など、英語力アップのニュースは珍しくありません。さらに、社会性も育めているようです。年上の子どもさんが、年下の子どもさんの宿題を見てあげている姿をKids Duoでよく目にします。保護者の方からは「うちの子が、Kids Duoで同じ小学校の違う学年の子どもたちと遊ぶようになってから、『学校が楽しい』と言うようになった」と伺っています。

――現時点での、本業である製造事業への相乗効果はいかがでしょう。
名畑 Kids Duo事業を始めてから、ネイティブやバイリンガルに加え、女性スタッフが増えました。新しいスタッフたちが働きやすい環境にするために、就業規則などを新たに作り、労務体制を整えました。今、製造事業の労務体制をKids Duo事業の労務体制に合わせて変え、製造事業でも多様な人材を受け入れられる下地をつくっているところです。多様な人材が働きやすい環境は弊社の財産。新たな労働環境の整備に手をつけられたことが、相乗効果です。

 もう一つ相乗効果を挙げるとすれば、これまで以上に、社員から挑戦しようとする気配を感じるようになったこと。特に製造部門や、開発チームに感じます。経営陣が、一見、本業とは関連のないKids Duo事業を手がけたので、「新しいことに挑戦していいんだ」と受け取ってくれたのかもしれません。

――それは素晴らしい相乗効果ですね。最後に今後の目標をお聞かせください。
名畑 東京オリンピック開催の2020年までにKids Duo20校開校を目指しています。
私たちのKids Duoに通う子どもさんが、いつの日か、オリンピックや国際大会で入賞し、英語でインタビューに答える姿が見たいです (笑)。
――ありがとうございました。

注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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