第73回 葬儀関連サービス
[ 2015.01.28 ]
今回ご紹介するフランチャイズは、高齢社会の中で需要が拡大する「遺品整理・お片づけサービス」、異業種から加盟できる「葬祭事業」です。
[事例1] 遺品整理・お片づけサービス「リリーフ」
(フランチャイズ本部:株式会社リリーフ)
http://relief.revacs.co.jp/
~自宅開業OK!業界大手のノウハウを座学&現場研修で指導~
平均客単価は、関東26万円、関西20万円
リリーフの遺品整理・住まいのお片づけサービスでは、遺品や持ち物などの仕分けから、貴重品の回収、不用品のリサイクル・廃棄、清掃までを行います。同社は関西、東海、関東圏までカバーする業界大手。「24時間以内の見積もり・48時間以内の作業着手」というスピード対応、一人のスタッフが見積もりからアフターフォローまで担当する担当者制、遺族の立場に立った接客を学ぶスタッフ教育で、サービス品質を上げ差別化してきました。
主要客層は60歳~70歳で女性が6割を占めます。主なサービスと料金の目安は、「遺品整理」(1K)40,000円~、(3LDK) 200,000円~、「ハウスクリーニング」25,000円~、「消臭・消毒」40,000円~。平均客単価は、関東で26万円、関西では20万円で、加盟店の収益モデルは、月商260万円、年商3,120万円です。
本部スタッフ同行で営業・見積・作業ノウハウを学ぶ
加盟者の主な仕事は、販促・営業活動、見積もり、整理、清掃など。必要なノウハウは本部が提供します。クレーム防止や顧客満足アップのポイントについては、特にていねいに指導します。例えば、作業中は、長時間トラックを止めたままにしたり、エレベーターを頻繁に使ったりするので、作業開始前に周囲にあいさつをしてクレームを防ぐ。本部は、こうしたきめ細かいノウハウを伝え、加盟店の経営をより確かなものにします。
具体的な指導スケジュールは、まず3日間の加盟店研修(座学) でサービスや作業内容、マナーやコンプライアンスなどを学ぶほか、7日間の現場研修で見積方法、作業手順、搬出手順、接客対応、さらに、8日間、本部スタッフが同行して営業、見積、作業ノウハウを身につけるように組まれています。
フランチャイズ展開開始年 | 2014年12月 |
直営店舗数 / 加盟店舗数(2015年1月末現在) | 2店舗 / 0店舗 |
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率 (※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む) |
― ※個人、法人を問わず加盟できる |
加盟者全体に占める廃棄物処理、清掃業未経験者の比率 | ― ※未経験でも加盟できる |
標準開業資金(物件不要。自宅開業OK) | 約239万円(税別 保証金60万円含む) |
※リリーフの「加盟店オーナーからひとことコメント!」は掲載しておりません。

リリーフ取締役部長
森下文博氏

リリーフ
[事例2] 葬祭事業「葬儀会館ティア」
(フランチャイズ本部:株式会社ティア)
http://www.tear.co.jp/FC/
~異業種加盟OK!会館建設・運営から人財育成まで本部がサポート~
加盟者は全て異業種からの参入
葬儀会館ティアでは、葬儀から法要、墓地・墓石販売などまで行っています。葬儀の特長は、明瞭で値ごろ感ある価格と遺族の気持ちに寄り添ったきめ細かな気配り。葬儀費用はエリアによって異なり、中部エリアの場合、「家族葬セットプラン」380,000円~、「一般葬セットプラン」630,000円~などで(いずれも税別)、平均客単価は約110万円です。2015年1月末現在、直営41店、加盟店34店を数え、法人加盟者8社は全て異業種からの参入。
異業種からの加盟が可能なのは、本部によるサポートがあるためです。本部は、葬儀会館の立地選び・建設プラン、販促・営業、ティア葬祭システムによる会員データ管理、スタッフ育成などを指導し、加盟者を支えます。
こうやって"地元の葬儀会館"として地域に根付く
ここで、葬儀会館ティアが本部サポートを受けながら、地域に根付くまでの流れを押さえておきます。まず、基本的に一つのエリア内に会館を2店舗~3店舗ドミナント出店して、地元住民にとっての"近くて便利な葬儀会館"というポジションを得ます。出店と合わせ、オープンイベント、新聞折込チラシ、ポスティング、1軒ずつ訪問するドアコ-ル営業などを行い、認知度を上げていきます。
さらに、地元住民がティアを利用した際の接客で好印象を与え、総じて、「近い・お値打ち・感じがいい」葬儀会館という評判を積み上げていきます。一連の流れの中でティアは"地元の葬儀会館"として受け入れられ、利用されるようになっていくわけです。オープン後4年経過した加盟店標準月商は1,200万円、年商は1億4,000万円になります。
スタッフ育成プログラムと検定制度で、継続的にスタッフをレベルアップ
なお、本部は最も重要な差別化策として、スタッフ育成に力をいれており、オープン前には座学と現場体験で葬儀を学ぶ3カ月間のスタッフ育成プログラム「ティアアカデミー」を実施。オープン後も、振り返り研修とキャリアアップに直結した検定制度でスタッフを継続的に育てていきます。
チェーン展開開始年 | 2005年1月 |
直営店舗数 / 加盟店舗数(2015年1月末現在) | 41店 / 34店 |
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率 (※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む) |
法人100% ※加盟者は法人限定 |
加盟者全体に占める葬儀関連業未経験者の比率 | 100% |
初期投資(物件取得費別)/ 標準店舗規模 | 約2,000万円 / 約500坪~600坪(建坪約100坪~150坪(×2F・3F)) ※不動産取得費、建築費込みで、総額1.4億円~1.7億円(地域、季節で異なる) |
加盟店オーナーからひとことコメント!
「オープン時の販促重要。3年目ぐらいで、明らかに売り上げが変わる」
■ティア養老店(岐阜県養老郡養老町)ほか2店舗オーナー 安部 潔仁(あんべ きよひと)さん
「本業は結婚式場運営。ティア3店舗を運営してきて、販促が重要と痛感しました。新聞折込やポスティングの枚数や内容、あいさつ回りのスケジュールなど、本部指導に沿って実施。立ち上がりはゆっくりでしたが、3年目ぐらいに売り上げに成果が現れました。また、スタッフ教育が充実しているせいか、お客様から感謝の言葉やお手紙をよくいただきます」
※1号店は2010年オープン

ティア FC事業本部 開発部
春日井俊介氏

葬儀会館ティア
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- 執筆者:松本陽子
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ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)
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