連載コラム

第78回 焼鳥・串焼

[ 2015年6月29日 ]

 今回ご紹介するフランチャイズは、新鮮食材のおいしさで集客する「串焼・もつ焼店」、独自教育でアルバイトでも炭火焼師になれる「炭火串焼専門店」、客の6割が女性という異色の「焼鳥店」です。

[事例1] 串焼・もつ焼店「串焼 げん」

(フランチャイズ本部:株式会社スケール)
http://www.s-cale.com/
~朝締め豚もつが翌夕には店舗に。独自仕入れと手厚い支援が特長~

客の8割が30代~50代の男性
 串焼 げんでは、午前2時頃に処理された豚もつが、翌日の午後4時までには全店にチルド状態で毎日納品されます。人気の高いブランド鶏「北王鶏」も毎日店舗に配送。鮮度の高い食材を使っていることもあり、串焼 げんの串焼・もつ焼は、ジューシーで程よい歯応えがあっておいしいといいます。主力商品は、「レバ」、「シロ」、「バラ」などの豚もつ串焼(各151円)、「もも」、「手羽焼」などの鶏串(各194円)など(価格はいずれも税込)。串焼 げんは、うまい串焼が手頃な価格で食べられて、しかも庶民的な雰囲気がある店舗なので、サラリーマンに支持されています。平均客単価は、2,800円~3,200円、加盟店の年商モデルは約4800万円です。

独自の仕入れルートにより、高い鮮度のもつを全店に供給
 食材の鮮度の高さは、串焼 げんの差別化要因の一つ。中でも、豚もつは、食肉処理場から本部のセントラルキッチンへの直送仕入れルートがあるため、新鮮な状態での供給が可能になっています。なお、現在は、埼玉、東京、神奈川、仙台に出店していますが、来期(2016年5月~17年4月)にはセントラルキッチンを2カ所に増設、全国に新鮮なもつを供給できる体制を整え、全国出店する予定です。

約1カ月の研修、トレーナーが店舗に常駐して行う指導などで徹底サポート
 オープン前の加盟店研修は約1カ月。座学やOJTで経営理念から調理、接客など店舗運営全般を指導。アルバイトスタッフ研修は7日間で接客など指導。なお、豚もつなどの串焼については、各店舗に串打ち済みで届けられるため、加盟店での調理は、主に焼くこと。温度管理がラクな電気グリラーを使うので、多くの場合、飲食業未経験者でも研修で焼く技術の基礎を身に付けられます。オープン後は、スーパーバイザーによる臨店指導、店長会議、調理技術学習用ネット動画、トレーナーが店舗に常駐して行う約1カ月の指導(有料)など、加盟店の必要に応じた様々なサポートを用意しています。

フランチャイズ展開開始年 2005年
直営店舗数 / 加盟店舗数(2015年6月24日末現在) 2店舗 / 19店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人21% 法人79%
加盟者全体に占める飲食業未経験者の比率 37%
標準開業資金(物件取得費別) / 標準店舗規模 約2,000万円 / 約20坪

加盟店オーナーからひとことコメント!
「本部紹介の物件で約5カ月前に開業。リピーターもつき、売り上げ上昇中」
■大山店(東京・板橋)オーナー 内野 貴広さん

「周囲にはカウンター席中心の店が多いのですが、大山店はテーブル席もあって、比較的広くてきれい。この店以外、女性が入りやすい店が見当たらない立地なので、サラリーマンに加え、女性のお客様にもよくご利用いただいてます。こじんまりした本部なので、加盟店との距離が近く、物件紹介でも、経営指導でもこちらの立場に立って考えてくれます」

※2015年1月オープン

スケール開発本部 部長代理 青木 幸裕氏
スケール開発本部 部長代理
青木 幸裕氏
串焼 げん
串焼 げん

[事例2] 炭火串焼専門店「紅とん」

(フランチャイズ本部:株式会社紅とん(※))
http://www.beniton.jp/
~炭火焼の風味、味わいで差別化。研修でアルバイトも炭火焼師に~
※株式会社紅とんは株式会社ヴィア・ホールディングスの子会社

サラリーマンが気軽に立ち寄れる「昭和」風の店づくり
 紅とんの炭火串焼は、ひと串50グラムで食べごたえあり。しかも大半のフードメニューは大体140円~380円ぐらい、ドリンクメニューは250円~480円のものが目立つのでお得感があります。主力商品は、「絶品レバテキ串」180円、「ハラミ」、「かしら」の焼きとん 各140円、「名物ガツぽん」180円、「もつ煮込み」380円など (価格は税抜き) 。赤ちょうちんが揺れる店内は、30代~50代のサラリーマンの談笑する声が響き、どこか昭和の酒場を思い出させる温かい雰囲気があります。平均客単価は2,300円前後で、加盟店の年商モデルは約6,600万円。

安全・良質な食材の安定供給体制
 美味しい炭火串焼は、安全・良質な食材の安定供給があってこそ実現できます。紅とんでは、全国の食肉市場から食肉処理や保管状態などの点で優れた食材を厳選、日曜を除く毎日、チルド状態で串打ち済みのものを店舗に配送しています。ちなみに紅とんの串打ちには、例えば、最初の一口でボリューム感を印象づけるために、串の頭の部分を大きめにつくるなど、独自の演出ノウハウがあるそうです。

炭火焼師の半数はアルバイト、パートスタッフ
 肉を炭火で焼く技術は、独自のトレーニングで飲食業未経験者でも、アルバイト、パートスタッフでも習得できるようになっています。試験合格者を焼師に認定する焼師認定制度を設け、資格を取ったスタッフを優遇するため、スタッフはスキルアップに積極的に取り組むといいます。現在、直営26店で活躍する50人の焼師中、25人がバイト、パートスタッフです(※)。なお、加盟店店長は、35日間のオープン前研修で炭火焼などの調理技術のほか、各種帳簿作成実習、従業員教育など店舗経営全般を学びます。スタッフ研修は原則的にオープン前後に合計12日間、実務的教育訓練を実施。加盟店オープン後、本部は毎月の臨店指導で加盟店をサポートします。
 ※焼師認定制度は2009年頃スタート。現在の加盟店は焼師認定制度導入前に加盟しているため、加盟店の中にまだ焼師はいない。

 なお、紅とんは、都内や横浜などのサラリーマン集積駅を狙って出店し、サラリーマンの間での認知度を高め、彼らの取り込みに拍車をかけています。現在のところ、加盟店も東京近郊のエリアで募集しています。

チェーン展開開始年 2005年
直営店舗数 / 加盟店舗数(2015年6月24日末現在) 26店舗 / 6店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
法人100%
加盟者全体に飲食業未経験者の比率 25%
標準店開業資金(物件取得費別) / 標準店舗規模 ※約3,315万円(ビルイン店舗。新規物件) / 約25坪
※居抜き物件の場合2,125万円

加盟店オーナーからひとことコメント!
「最近特に、お客様の間で『紅とん』が浸透しているのを感じます」
■桜木町店(横浜市)ほか2店舗オーナー 野口 大介さん

「最近、お客様のご様子やお話から、東京で『紅とん』体験した方が、美味しかったからと私どもの横浜の店をご利用いただくケースが目立ちます。認知度アップは集客面でプラスです。もう1点、本部に感謝しているのは基本的なことですが、年1回の衛生管理。徹底的にやってくれるので助かっています。いい場所があれば、4店舗目を出したいです」

※1号店は2006年1月オープン

ヴィア・ホールディングス総合企画担当 黒岩 里実氏
ヴィア・ホールディングス
総合企画担当 黒岩 里実氏
紅とん
紅とん

[事例3] 焼鳥店「やきとり家 すみれ」

(フランチャイズ本部:株式会社すみれ)
http://y-smile.co.jp/sumire/index.html
~客の6割が女性という異色の焼鳥店。新市場開拓し売り上げ伸ばす~

「鶏・居心地・立地」へのこだわりで女性、ファミリー客の支持集める
 やきとり家 すみれでは、ジューシーでプリプリした肉質が人気の銘柄鶏「大山どり」を使用しています。大山どりは、おいしいだけでなく、飼育から食鳥処理、販売まで一貫して行う体制が取られているため、安全性が高いといわれています。この大山どりを使った主なメニューには「王様レバー」290円、「ひなトロ」240円、「特製つくね」240円など (税別料金)があります。

 また、店舗は、テラス席や、縁側が設けられたり、古材や間接照明を用いたりなどしているため、ちょっとおしゃれでありながら、落ち着ける雰囲気があります。さらに、地域住民の利用を前提にしているので、商店街など住宅地の近隣に出店しています。その結果、やきとり家 すみれは、「おいしくて安心できる焼鳥を、心地いい空間で食べられる」新しいタイプの焼鳥店として、これまでの「男性客でごった返している焼鳥店」には足を運んでいなかった女性客、ファミリー客などを含む幅広い客層を集めるようになっています。同店の客単価は3,000円前後、加盟店の年商モデルは約9,000万円。加盟社14社中6社が2店舗以上のやきとり家 すみれを運営しています。

全国への配送体制整備。専任講師による店長研修など指導も充実
 やきとり家 すみれでは、加工場で串打ちをした大山どりを、毎日、全国の店舗にチルド状態で配送できる体制を整えています。約40日間の店長研修では、専任講師が調理、接客など店舗運営全般を研修店舗で指導。約10日間の加盟店のアルバイト・パートスタッフ研修では、店長が本部のサポートを受けながらスタッフに鶏の焼き方などの調理や接客などを指導します。また、本部トップ自ら、アルバイト・パートスタッフに商品知識や企業理念などを語り、共感してもらって店舗全体で一貫して良質な接客ができるようにしています。オープン後は、毎月の臨店指導などで加盟店をサポートします。

チェーン展開開始年 2011年9月
直営店舗数 / 加盟店舗数(2015年6月末現在) 21店 / 22店※
※2015年6月30日オープン予定1店舗含む
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
法人100%
加盟者全体に占める飲食業未経験者の比率 約21%
標準開業資金(物件取得費別) / 標準店舗規模 約3,000万円 / 30坪

加盟店オーナーからひとことコメント!
「新型の焼鳥店で今が伸び盛り。約3年半で5店舗出店しました」
■明大前店(東京・世田谷区)ほか4店舗オーナー 溝呂木 良一さん

「本業は建設業です。すみれ本部について評価している点は、対応の速さ。メニュー、ユニフォーム、店舗デザインなど、お客様の嗜好に合わせ速やかに変更します。例えば店舗デザインは、弊社の約3年半前に出した一号店は居酒屋風でしたが、今月末(2015年6月)に出す店舗はカフェ風。女性客が多いので、女性の好みを反映させているようです」

※1号店店は2011年9月オープン

すみれ代表取締役社長 湯澤 忠則氏
すみれ代表取締役社長 湯澤 忠則氏
やきとり家 すみれ
やきとり家 すみれ
注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

バックナンバー

PAGE TOP