連載コラム

第85回 ラーメン店

[ 2016年1月26日 ]

 今回ご紹介するのは、約5割が女性客という「中国ラーメン店」、店名、サポート内容を選べる「個性派ラーメン店」、中国6店舗の実績踏まえ、海外加盟店募集中の「富山のご当地ラーメン店」です。

[事例1] 中国ラーメン店「揚州商人(ようしゅうしょうにん)」

(本部:株式会社ホイッスル三好)
http://www.whistle-miyoshi.co.jp/
~客の約5割が女性!女子会などグループ客多く、口コミ率高い~

こだわりの味と店舗空間で実現、一般的ラーメン店より高い客単価
 揚州商人の特徴は、伝統的中華料理と麺の融合でつくり出す味わい深くバラエティ豊かなラーメンと、まるで中国にいるような雰囲気の店舗空間。料理は、例えば、「スーラータンメン」(910円※)と「タンタン麺」(910円※)で、それぞれ別の種類のラー油を使うなど、一品ごとの味わいを重視してつくっています(※いずれも税込)。ラーメンは3種類の麺から好みのものを選べるようになっており、季節メニューも含み、20種類以上を用意、そのほか炒飯、小籠包、餃子など約70種類のメニューを扱っています。また、店舗内外装には、本場中国の料理店の姿をそのまま反映させ、中国らしさを打ち出しています。独特の店づくりの結果、一般的ラーメン店の客単価は820円~830円程度といわれる中、揚州商人では、ランチ1000円、ディナー1250円を実現、加盟店の収益モデルは月商約700万円(店舗規模約30坪)になっています。

 美味しさ重視のため原価率は低くありませんが、アルコール、デザートなども含んだ多様なメニューによる客層の拡大、宴会需要の取り込みで売り上げをアップさせる一方、オペレーションの簡素化、人件費抑制などでコストを削減、利益を確保しています。

"女性客約5割"がもたらす強み
 多様なメニューにはさっぱり系ラーメンが多く、店内は明るく華やかで清潔、全34店舗の半数が女性店長などの理由から、ラーメン店には希ですが、女性客が全体の約5割、店によっては6割近くになっています。女性客は女子・ママ会などグループでの来店が目立つほか、SNS利用者が少なくないため、口コミによる販促効果も期待できるといいます。男性客中心の通常のラーメン店とは一線を画しているので、他ラーメン店との競合を回避しやすいといえます。

セントラルキッチンの設置で、店舗での仕込みは1日当たり2〜3時間
 取り扱いメニューは多いものの、仕込みの95%はセントラルキッチンで実施。店舗では、仕込み済み具材やスープなどをマニュアルに沿って合わせていけば、味ブレなく美味しい料理を完成できます。加盟店は、調理、接客、マネジメントなどについて学ぶ45日間のオープン前研修に加え、スタッフ教育カリキュラム、売上管理、勤怠管理などを行う独自のITシステムの提供などを受けられます。

加盟店募集エリア 東京、千葉、埼玉、神奈川
オープン前の主な加盟店研修内容と日数 座学4日、OJT41日でオペレーションを行いながら店長業務の基礎を身につける。
オープン後のサポート内容 オープン後2週間立ち上げのフォロー、月1回臨店指導
フランチャイズ展開開始年 2013年5月
直営店舗数 / 加盟店舗数(2016年1月21日現在) 直営 30店舗/加盟店 4店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人 0% 法人 100%
※法人のみ募集
加盟者全体に占める飲食関連業未経験者の比率 0%
ロイヤルティ 月商の1%
標準開業資金(物件取得費別)/標準店舗規模 約1920万円/30坪
加盟店(30坪)の収益モデル 月商約700万円

※「加盟店オーナーからひとことコメント!」は掲載していません。

ホイッスル三好 店舗開発・建築メンテナンス FC本部次長 人見 正氏
ホイッスル三好 店舗開発・建築メンテナンス
FC本部次長 人見 正氏
揚州商人
揚州商人

[事例2] 個性派ラーメン店「味友会(あじともかい)」

(本部:株式会社MGホールディングスグループ※)
http://www.matsunogundan.co.jp/kaigyo/
~店名、サポート内容を選べるフルサポートシステムで自分流に開業~
※2016年2月1日よりウルトラフーズ株式会社に社名変更

加盟店は92店舗、約25%の加盟者が2店舗以上経営
 味友会はフランチャイズチェーンではありませんが、加盟店運営をトータルに支えるフルサポートシステムを採用しています。味友会本部の手がける国内直営ラーメン店9店舗(20坪)は、いずれも平均月商1,000万円。これらの直営店の味と経営ノウハウを学んだ加盟店は92店舗を数え(2016年1月19日現在)、約25%の加盟者が2店舗以上を経営しています。

 味友会の特徴は、まず、シンプルオペレーション。例えば、通常、20時間以上かかるというスープの仕込みですが、加盟店では、本部提供の冷凍ストレートスープを解凍するだけ。本部から納品される麺、タレ、チャーシュー、メンマなども仕込みの手間はほとんどなし。その結果、味ぶれのない美味しいラーメンを安定的に提供できます。加えて、仕込み時間の短縮から、水道光熱費の削減、食材ロスの抑制もできるため、利益率が高くなりやすいといいます。

サポート内容など自由、加盟金・契約金・ロイヤルティは不要
 もうひとつの特徴は、店舗名、メニュー、店舗デザイン、サポート内容などを加盟店が自由に選べること。加盟店は、無料サポートとして、オープン前研修、物件紹介、臨店指導、出店エリアに合わせた店づくりの提案などを受けられます。有料サポートは店舗設計管理、数値管理についての経営指導など。フランチャイズではないため、加盟金、契約金、ロイヤルティは不要、加盟条件は取引保証金(加盟契約終了時に全額返金)の支払いとスープ、タレなどラーメンに不可欠な指定食材の仕入れです。そのため、加盟者は自らに最適なサポート内容、開業資金、店舗運営費で個性的なラーメン店を経営できるといいます。

 なお、加盟店サポートの中で最も重要といえるオープン前研修は、参加人数、期間にかかわらず無料。加盟者はもちろん、アルバイトスタッフにも繁盛店になるためのノウハウを指導します。なお、加盟者が繁盛店ノウハウを体で覚え込むには、2カ月ぐらいの研修は必要ということです。

 店舗規模、メニュー、商品価格などは加盟店で異なります。標準的な加盟店は13坪~20坪で平均月商約350万円~1000万円、主要メニューは「醤油豚骨ラーメン」680円~780円、「味玉ラーメン」830円、「チャーシューラーメン」950円 (いずれも並)、平均客単価は900円~950円になります。

加盟店募集エリア 全国
オープン前の主な加盟店研修内容と日数 店長、スタッフ対象に直営店でオペレーション、接客、クレンリネス、マネジメントなどを習得。参加人数、期間にかかわらず無料。※1カ月~3カ月の研修を受ける加盟店が多い。
オープン後のサポート内容 無料(臨店指導など)・有料(店舗設計管理など)サポートあり
フランチャイズ展開開始年 2007年10月
直営店舗数 / 加盟店舗数(2016年1月19日現在) 直営 9店舗/加盟店 92店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人 80% 法人 20%
加盟者全体に占める飲食関連業未経験者の比率 50%   
ロイヤルティ なし
標準開業資金(物件取得費別)/標準店舗規模 約500万円(居抜)~1800万円/13坪~20坪
※加盟金、契約金不要、取引保証金100万円必要(加盟契約終了時に全額返金)
加盟店(13坪~20坪)の収益モデル 月商約350万円~1000万円

加盟店オーナーからひとことコメント!
「2週間の無料研修受けたバイトはピーク時も的確対応、お客様を逃さない」
■まこ家(神奈川県川崎市)店長 坂本 奈緒さん

「居抜きで500万円で開業、カウンター席のみの14坪店です。チャーシュー1枚25gなどを測ってからラーメンをつくりますが、研修済みバイトはピーク時でもきちんと測ってスピード提供。おかげでお客様も逃さず、コスト管理もできます。月商は、昨年夏、店が空いている時の販促などについて本部指導を受けてから、300万円が480万円に増えました」

※2012年10月オープン

MGホールディングスグループ 営業課係長 番匠谷(ばんじょうや) 謙治氏
MGホールディングスグループ 営業課係長
番匠谷(ばんじょうや) 謙治氏
まこ家(味友会加盟店)
まこ家(味友会加盟店)

[事例3] 富山のご当地ラーメン店「麺家いろは」

(フランチャイズ本部:株式会社天高く)
http://www.menya-iroha.com/
~海外加盟店募集!多様なメニュー開発力で地域に合わせて店づくり~

中国6店舗盛業中、ご当地ラーメン「富山ブラック」が海外でも人気
 富山発の麺家いろはは、国内6店舗、中国では現地パートナーと協力して香港1店舗、上海2店舗、武漢3店舗を展開中。2016年3月にはタイ・バンコク店、4月に中国・成都店、初夏には上海3号店、武漢4号店の出店を予定しています。

 本部によると、現地パートナーは、麺家いろはのラーメンの美味しさと個性、都内最大規模のラーメンイベント「東京ラーメンショー」で過去5回にわたり売上数トップ達成という実績などを認め、パートナー契約に踏み切ったといいます。特に、真っ黒い黒醤油スープのご当地ラーメン「富山ブラック」をメインにした店舗の個性を、高く評価したそうです。麺家いろはの看板メニュー「富山ブラック黒醤油らーめん」は、見た目は強いインパクトを与えますが、スープはあっさりした深いコクのある味わいで、海外で主流の豚骨ラーメンと差別化しやすくなっています。

 上海2号店(40坪)を例に挙げると、主要メニューは「富山ブラック黒醤油らーめん」48元(約912円、1元=約19円)、「激辛みそらーめん」55元(約1045円)など。経済的にややゆとりのある20代~30代の男女が主要客層で、客単価は60元(約1140円)、昼はサラリーマンでにぎわいますが、夜はちょっと贅沢なディナーを提供する店になっています。パートナーの経営する加盟店なので月商は非公開ですが、損益分岐点約25万元(約475万円)は既にクリアしています。

海外加盟店、エリアパートナーの基本条件
 ご当地ラーメン「富山ブラック」の印象が強い麺家いろはですが、ほかにも「白エビ塩らーめん」「激辛タンタン麺」「魚介つけ麺」など、多くのユニークなメニューを開発・販売してきました。その開発力で、世界各地の需要にあったメニューを提供できるため、現在、中国に限らず全世界で加盟店、及びエリアパートナーを募集しています。エリアパートナーは、決められたエリア内での直営店経営、加盟店募集・指導などを行います。加盟店、エリアパートナーの基本条件は現地の事情に精通していることで、個人・法人は不問。なお、日本国内での加盟店希望については、条件が合えば検討するということです。詳細は本部まで。

加盟店募集エリア 全世界
オープン前の主な加盟店研修内容と日数 日本で約30日間、調理、接客、クレンリネス、マネジメントなどを指導
オープン後のサポート内容 最低1年に1回の定期訪問指導。それ以外に訪問指導を行う場合は、基本的に交通費など実費を加盟店が負担。
フランチャイズ展開開始年 2011年
直営店舗数 / 加盟店舗数(2016年1月19日現在) 直営6店舗/ 加盟店6店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
※日本の場合、個人、法人ともに加盟可能
加盟者全体に占める飲食関連業未経験者の比率 ※日本の場合、未経験者の加盟可能
ロイヤルティ 加盟店は月商の6%
加盟店の標準開業資金(加盟金+保証金)/標準店舗規模 4万5千USドル(=約535万円、1USドル=約119円。加盟金:3万USドル(約357万円) +保証金1万5千USドル(約178万円)/約30坪
加盟店(30坪)の収益モデル(中国・上海の場合) 月商約600万円

※「加盟店オーナーからひとことコメント!」は掲載していません。

天高く 代表取締役会長兼社長 栗原 清氏
天高く 代表取締役会長兼社長
栗原 清氏
麺家いろは
麺家いろは
注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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