連載コラム

第87回 スクールビジネス

[ 2016年3月31日 ]

 今回ご紹介するのは、小資金開業と充実した加盟者サポートの「1対1~3の個別指導塾」、大学受験まで対応できる指導力の高さで差別化「1対1~2の個別指導塾」、通信教育大手ならではのマーケティング力で生徒を集める「個別学習教室」です。

[事例1] 1対1~3の個別指導塾「ITTO個別指導学院」

(本部:NOVAホールディングス株式会社)
http://www.nova.co.jp/hd/
~小資金開業!ベテランスタッフによる運営サポートなど支援充実~

オリジナル模試、講師認定制度などで学習指導に力を入れる
 「ITTO個別指導学院」は小・中・高校生対象、講師1名が生徒1名~3名を指導する個別指導塾。個別指導塾としては22年の歴史があります。日々の学習の定着具合をチェックするオリジナル模試「ITTO模試」、「SS(special select)講師認定制度」などによる独自の講師育成システムなどで、高品質な指導に力を入れる一方、必要に応じて指導教科や授業を増やせる各種チケット制などの導入で、生徒にとっての利便性も提供しています。平均客単価は約2万5000円、標準月商約150万円(20坪~30坪教室)。教育業未経験でも加盟可能です。

小資金開業・コスト抑制で加盟者の負担軽減
 ITTO個別指導学院の事業としての特徴の一つは、スペシャルチャージ制度など開業資金やコストを抑える制度。スペシャルチャージ制度とは、加盟金は0円で、開業後、ノウハウ提供の対価として、一定の生徒数達成ごとに50万円ずつ、合計200万円(税別)を 支払うというものです。また、「生徒数20名未満はロイヤルティなし」。開業資金やコストを抑えることで、教室経営のハードルを下げています。

多様できめ細かい加盟校運営サポート
 さらに、開業後の加盟者支援も手厚くなっています。例えば、開校前後3カ月間、教室運営に精通したオープニングマネージャーを加盟校に派遣する「オープニングマネージャー派遣制度」。マネージャーは保護者対応、講師育成など、教室運営全般についてサポートしながら、加盟者に必要なノウハウを指導します。また、「電話代行受付システム」では、教室の営業時間外も含め、ベテランの受付専門オペレーターが専用フリーダイヤルで電話に対応し、生徒獲得チャンスがあれば来校へと導きます。その他にも授業料引き落とし、講師給与の振込依頼、授業の日程調整などの事務をオリジナルプログラムで処理する「事務代行受付システム」(TMS) 、各種マニュアルや他教室の成功事例などの情報が入手できる加盟者専用サイト、3カ月に一回のSV(スーパーバイザー)による加盟校訪問指導などが用意されています。このようなサポートに加え、オープン前研修も実施して、順調な加盟校運営へと導きます。

 なお、ITTO個別指導学院では、本部が運営する1歳から中学生対象のこども英会話「こどもジオス」の併設により、早期の生徒の囲い込みも図れるということです。

加盟校募集エリア 全国
オープン前の主な加盟校研修内容と日数 3日間の教室長研修、1週間の現地研修で、教室運営全般を指導
オープン後のサポート内容 電話代行受付システム、3カ月に一度のSVによる加盟校訪問指導、各種研修、勉強会など
フランチャイズ展開開始年 1996年
直営校数 / 加盟校数(2016年3月1日現在) 直営 87校 / 加盟校 744校
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人 39.6% 法人 60.4%
加盟者全体に占めるスクール事業未経験者の比率 約80%
ロイヤルティ(生徒数20名達成時から) 授業料7.0%、入会金50.0%、年会費50.0%、特別講習費10.0%
標準開業資金(物件取得費別)/標準教室規模 約460万円/20坪~30坪
加盟校の収益モデル(20坪~30坪教室) 月商 約150万円

加盟店オーナーからひとことコメント!
「はじめての塾経営、いちばん助かったのはクレーム電話への対応サポート」
■柏豊四季校(千葉県柏市)ほか57校オーナー 喜多野 正之さん

「塾経営に不慣れだった頃、保護者から『なぜ、学校で習っていないことまで教えるのか』という電話があった時は動揺しました。その時の本部サポートは助かった。最初に電話を受けた本部オペレーターは相手をなだめ、ベテランSVは私に具体的な対応方法を指導。おかげで、私は落ち着いて保護者に指導理由などを話し、納得してもらうことができました」

※1校目は2003年オープン

NOVAホールディングス 開発部長 市川 由佳氏
NOVAホールディングス 開発部長
市川 由佳氏
ITTO個別指導学院
ITTO個別指導学院

[事例2] 1対1~2の個別指導塾「ベストワン」

(本部:株式会社ECC)
http://fc.ecc-kobetsu.com/
~大学受験まで対応できる指導力が強み、数十年の経験で講師育成~

大学受験情報収集・分析、高い指導力を備えた講師育成で差別化
 「ベストワン」は、講師1名に生徒1名~2名のスタイルで小・中・高校生を教える個別指導塾です。本部は、50年を超える英語教育に加え、グループ内の進学塾などでの35年以上にわたる中・高校生の指導経験があります。ベストワンでは、これらの経験に基づき、個々の生徒に合わせてカスタマイズした教材を使って予習型の授業を行います。公立中学生の英語・数学については、定期テストでの成績アップを保証する成績保証制度を設けています。大きな差別化要因は、個別指導塾では珍しく大学受験まで指導可能なこと。長年、大学受験に対応してきたため、大学受験指導に必要な高い指導力を備えた講師育成、受験情報収集・分析ができるからです。平均客単価は約2万8000円~3万円、平均月商約150万円。教育業未経験からの加盟も可能ですが、自助努力は必要です。

研修、加盟校訪問指導などで加盟校をバックアップ
 ベストワンでは、未経験者でも個別指導塾経営の基礎が身につくよう、加盟校の責任者である学校長・加盟者向けに6日間の運営基本研修が開かれます。研修では、商品知識から生徒や教室の安全管理、接客・電話応対、事務処理、保護者への適切な応対などまで指導します。また、講師も年3回の研修で、指導方法、カリキュラムのつくり方などを習得するようになっています。

 さらに、加盟校の立ち上げ時と年6回~12回実施する加盟校訪問指導では、SVがそれぞれの生徒の学習目標と使用教材、カリキュラムなどを確認、目標達成のためにより良い教材などがあれば提案し、一層、指導効果を高めるようにします。加えて、必要があれば、学校長、講師に対し実地研修も行います。

子ども英会話教室「ECCジュニア」で磨いた運営力とブランド力をフル活用
 本部が展開する子ども英会話教室「ECCジュニア」の教室数は1000万強。本部は、これだけの数のECCジュニア運営で鍛えたマーケット調査力、教室用物件選定力、効果的な生徒募集広告宣伝ノウハウをもとに加盟校を指導します。ECCジュニアは2歳児以上を対象としているため、ベストワンにECCジュニアを併設すれば、幼児期からECCジュニアの利用者として加盟校に入塾させたり、ECCジュニアの高い知名度による信頼感でベストワンの生徒獲得につなげたりできるとのことです。

加盟校募集エリア 全国
オープン前の主な加盟校研修内容と日数 学校長・加盟者対象運営基本研修6日間。商品知識、接客、事務処理など指導
オープン後のサポート内容 年6回~12回のSVによる加盟校訪問指導、年3回の講師研修
フランチャイズ展開開始年 2008年2月
直営校数 / 加盟校数(2016年3月1日現在) 直営 5校 / 加盟 153校
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人 65% 法人 35%
加盟者全体に占めるスクール事業未経験者の比率 87.4%
ロイヤルティ 売り上げの10%
標準開業資金(物件取得費別)/標準教室規模 約1000万円/20坪
※ECCジュニア併設の場合30坪
加盟校の収益モデル 月商 約150万円

加盟店オーナーからひとことコメント!
「本部研修を受けた講師は自ら工夫して指導。おかげで"紹介入塾"が多い」
■三ノ輪校(東京都台東区)ほか2校オーナー 小沼 勝彦さん

「研修では『生徒第一・誠心誠意』など、生徒指導の根本的なところから講師に教えてくれる。そのため、私どもの講師の中にはテスト前に生徒に手書きのテスト対策を渡すなど、指導熱心な人が目立ちます。そういう講師の姿勢は生徒からの友人紹介、入塾につながります。なお、大学受験指導については本部研修に加え自主的な講師研修も実施しています」

※1校目は2009年7月オープン

ECC 新規事業・新型FC開発課 ゼネラルマネージャー 阿部 淳一氏
ECC 新規事業・新型FC開発課
ゼネラルマネージャー 阿部 淳一氏
ベストワン
ベストワン

[事例3] 個別学習教室「クラスベネッセ」

(フランチャイズ本部:株式会社ベネッセコーポレーション)
http://class-benesse.jp/fc/
~「進研ゼミプラス」のマーケティング力活用、効率的に生徒開発~

デジタル教材と独自システムで自宅学習の状況把握
 「クラスベネッセ」は、本部が手がける通信講座「進研ゼミプラス」の教材を使って指導する小・中学生対象の個別学習教室です。クラスベネッセの生徒は、進研ゼミプラスの受講者であることが条件ですが、クラスベネッセと合わせて進研ゼミプラス受講を申し込むことも可能です。

 クラスベネッセでは、生徒それぞれの目標を決めてカリキュラムを作ります。生徒は、教室で不明点があればコーチ(講師)に質問しながらカリキュラムに沿って学習します。さらに2016年4月以降は、進研ゼミプラスのデジタル教材をクラスベネッセ教材として取り入れ、この教材と生徒の学習状況がわかるシステム「クラスベネッセ教務画面」により、コーチが生徒の自宅学習の状況を把握できるようになります(※対象はデジタル教材を利用した進研ゼミプラスの受講者のみ)。その結果、コーチは複数の生徒の自宅学習の進み具合、理解度を確認し、それぞれに合ったより的確な指導が可能になります。

 クラスベネッセの平均客単価は月額2万円、平均月商は225万円。基本的にクラスベネッセの月謝は、進研ゼミプラスの月謝と合計して、一般的個別指導塾の月謝と同等になるよう設定されています。クラスベネッセでは教育業未経験での加盟も受け付けています。

45年を超える通信教育事業経験を生かし加盟者支援
 本部は、45年を超える通信教育サービスで培ったマーケティング力で加盟校をサポートします。具体的には、加盟者に進研ゼミプラス受講者が多い地域をクラスベネッセの開校候補地として提案したり、進研ゼミプラス受講者にクラスベネッセについてのDMを発送したりするなどして、効率的な生徒開発を促します。また、開校前の約2週間の研修では、教室運営全般についてのクラスマネージャー(教室長)研修、生徒・保護者への対応などを学ぶコミュニケーション研修、教材の使い方や生徒管理などのシステムについての進研ゼミプラス研修などが行われます。講師研修は、クラスマネージャーが映像付きマニュアルを使って実施します。

 なお、クラスベネッセでは、2017年3月までロイヤルティを営業支援金として加盟校に返金するということです。

加盟校募集エリア 全国
オープン前の主な加盟校研修内容と日数 約2週間で、クラスマネージャー研修(教室運営全般)、コミュニケーション研修(生徒・保護者への対応など)、進研ゼミプラス研修(教材の使い方など)など指導
オープン後のサポート内容 毎月の加盟校訪問指導予定
フランチャイズ展開開始年 2016年
直営校数 / 加盟校数(2016年3月1日現在) 直営 7校 / 加盟校 1校
※2016年3月末には直営10校、加盟校3校予定
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人 約33% 法人 約67%
加盟者全体に占めるスクール事業未経験者の比率 100%
ロイヤルティ 月商の12%
※ロイヤルティは2017年3月まで営業支援金として加盟校に返金
標準開業資金(物件取得費別)/標準教室規模 約1000万円/25坪
加盟校の収益モデル 月商 約225万円

加盟店オーナーからひとことコメント!
「新しいフランチャイズだから、業態を本部といっしょに育てる醍醐味あり」
■苦楽園教室(兵庫県西宮市)オーナー 日野 泰輝さん

「加盟者の意見も取り入れてもらいながら、これまでにない塾をつくることに面白さを感じ、異業種から加盟しました。従来は把握が難しかった生徒の自宅学習の進み具合を、デジタル教材とシステムで確認できるようにしたり、進研ゼミプラス受講者が多い地域への開校や受講者へのDMで生徒を効率的に集めたりする手法も、新鮮で期待できます」

※2016年オープン

ベネッセコーポレーション FC開発部 部長 辰巳 和功氏
ベネッセコーポレーション FC開発部 部長
辰巳 和功氏
クラスベネッセ
クラスベネッセ
注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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