連載コラム

第95回 居酒屋・焼鳥店

[ 2016年11月29日 ]

 今回ご紹介するのは、美味しい焼鳥を存分に食べられる「焼鳥食べ放題店」、店内仕込みの旨さと豊富なメニューで差別化する「大衆居酒屋」、社員独立制度により低リスクに独立できる「大衆酒場」です。

[事例1] 焼鳥食べ放題店「鳥放題」

(フランチャイズ本部:株式会社ダイニングファクトリー)
http://www.kkry.co.jp/fc_info/toriho_fc.html
~オーダーを受けてから焼く旨い焼鳥食べ放題!全国60店(※)~
※2016年11月末現在

工夫を重ね、旨い焼鳥と円滑なオペレーションを実現
 焼鳥に加え、串揚げ、サラダ、ご飯類、デザートなどのサイドメニューも食べ放題の「鳥放題」。用意されている3種類の食べ放題コースは、焼き鳥17種類とサイドメニューを合わせて25品が食べ放題の「限定25品」1480円、創作串、デザートなども含めた55品の「スタンダード」1980円、鳥の希少部位なども含め店の全メニュー75品が食べられる「プレミアム」2480円(いずれも税抜価格)です。
 鳥放題では、主力商品の鳥には原価をかけ、大量仕入れでコストダウンを図る一方、サイドメニューは原価を抑えめにするなど工夫を重ね、美味しい焼鳥を提供しつつ全体的な原価率を抑えています。また、鳥を焼くスタッフには調理研修受講や調理試験合格を義務化、資格制度導入などで、鳥を美味しく焼ける体制を整えています。

 一方で、オペレーションについては、これまで、1回当たりに注文できる商品点数を制限するなどして厨房の混乱を避け、円滑に進めていました。今後は、味が落ちない程度に加工した商品を用いて、一層、調理・提供のスピードを上げ、オーダー制限をなくしても円滑なオペレーションが可能な体制にしていくということです。

「串うちなし・炭焼きなし・(スタッフによる)ドリンクづくりなし」
 一般的な焼鳥店では店舗スタッフが行う串うちは、自社工場と外部業者で実施、未経験者でも比較的早く鳥を焼けるようになる電気焼台やアルコールのドリンクバーを設置し、スタッフの負担と必要な人員数を削減、人手不足に陥るリスクと人件費率を抑えています。

初期投資は通常の7割、加盟者に全国の優良物件紹介
 鳥放題の主な客層は20代~30代カップル、サラリーマン、ファミリーと幅広く、それだけに、オフィス街、繁華街、郊外など多様な立地に出店可能です。平均客単価2700円で標準月商約500万円(30坪)。店舗設計、工事の現場管理を本部で行うため、初期投資は外部業者に依頼した場合の7割ぐらいに抑えられます。大手飲料メーカーの協力で得た全国の優良物件情報の加盟者への紹介も行っています。

加盟店募集エリア 全国
オープン前の主な加盟店研修内容と日数 ホール、キッチン、管理について計10日間実施。
オープン前・後のサポート内容 ・オープン前6日、オープン後10日、本部からスタッフ2名を派遣してサポート
・月1回臨店
・月1回報告
フランチャイズ展開開始年 2015年
直営店店舗数 / 加盟店店舗数(2016年11月末現在) 直営 50店舗/加盟店 10店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人 50% 法人 50%
加盟者全体に占める飲食業未経験者の比率 50%
ロイヤルティ 売上の3% 別途共同販促費1%
標準開業資金(物件取得費込)/標準店舗規模 約1000万円/30坪
加盟店の収益モデル 月商約500万円

加盟店オーナーからひとことコメント!
「旨い焼鳥を焼けるかがキモ。充実研修で、バイトでも場数を踏めばイケる」
■つくば桜店 (茨城県つくば市)オーナー 谷田部 雄二さん

「オープン約半年の30坪の店、平均月商500万円です。鳥を美味しく焼くには、ある程度技術が必要。今は社員に任せていますが、研修はしっかりやってもらえるし、マニュアルも分かりやすいので、アルバイトにも教えてだんだん任せられるようにもっていっているところです。これまでの上達度から見て、経験を積めばバイトでもイケると考えています」

※2016年5月オープン

ダイニングファクトリー代表取締役社長 人見 洋二郎氏
ダイニングファクトリー
代表取締役社長 人見 洋二郎氏
鳥放題
鳥放題

[事例2] 大衆居酒屋「本物の焼きとん 筑前屋」

(本部:株式会社カスタマーズディライト)
http://www.cs-delight.co.jp/
~料理の9割以上が店内仕込み!旨い・安い料理80種類で集客~

国産豚の内臓肉の仕入れ力、抜きんでたメニュー開発力で差別化
 「本物の焼きとん 筑前屋」は、リーズナブルな焼きとんと博多料理が特徴の大衆居酒屋。主力メニューの国産豚を使った『和豚焼きとん』は、ガツ、たん、限定トロたんなど10種類(150円~230円)。本部が、鮮度のいい国産豚の内臓肉の仕入れルートを確保しているため、安くて美味しい焼きとんを提供できます。他にも『とんこつもつ鍋』1人前780円、ポテトフライをタワー上に盛り上げた『バカ盛ポテトフライ』480円、同様にから揚げを盛った『バカ盛からあげ』580円など、博多料理の定番から子どもやグループ客に人気のユニークな料理まで約80種類を提供(メニュー内容、価格は店舗で異なる)。著名な飲食事業プロデューサーが本部の最高顧問としてメニュー開発を支援していることもあり、豊富で充実したメニューが揃っています。串焼きの串打ちをはじめ、料理の90%以上を店内で仕込み、手をかけた美味しさで客の支持を集めています。

 一方、店舗は、大きな赤ちょうちんが目印の、昭和レトロで明るく清潔な店構え。旨い・安い・多様なメニューと入りやすい店の雰囲気から、幅広い客層が高頻度で利用する店になっています。主要客層は30代以上のサラリーマンですが、家族連れ、女性グループ客も珍しくありません。平均客単価はランチ800円、ディナー2300円~2800円、二等~三等立地店舗でも坪売上平均20万円。関東圏の店舗では約30万円を売り上げます。

加盟店の立場に立ってきめ細かく対応
 本部では、加盟店支援の一つとして優良物件の紹介を行っています。本部内に物件開発専任者を置き、子会社である内装会社の全国に広がる支店網などから物件情報を集め、各加盟者に紹介。現在の加盟店の8割は本部紹介物件ということです。加盟者は本部子会社の内装会社を利用して、内装費の抑制もできます。また、食材の仕入れについては、本部から加盟者に業者を紹介しますが、各加盟者は業者と直に取り引きできます。加盟店のメニューやその価格については、各店ごとに地域特性などを踏まえて決めるということです。

加盟店募集エリア 全国
オープン前の主な加盟店研修内容と日数 1カ月で、串のさし方と仕込みなど、主に調理について指導。
オープン前・後のサポート内容 ・オープン前後、各4日間のサポート
・毎月SVによる臨店指導
・半年に1回の焼き師検定など
フランチャイズ展開開始年 2012年
直営店店舗数 / 加盟店店舗数(2016年11月末現在) 直営店 23店舗/加盟店 23店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人 4% 法人 96%
※個人に関しては、直営店社員の独立支援による開業
加盟者全体に占める飲食業未経験者の比率 23%
ロイヤルティ 売上高の3%
標準開業資金(物件取得費別)/標準店舗規模 約1800万円/30坪(飲食店の居抜き)
加盟店の収益モデル 月商約500万円

加盟店オーナーからひとことコメント!
「料理が安くて豊富だから日常的に利用され、売り上げに波がないのが魅力」
■金沢片町店(石川県金沢市)ほか6店舗 オーナー 松原 博紀さん

「関東圏で5店舗、北陸で2店舗運営しています。店内での仕込みは大変ですが、手づくりの旨さはお客様に伝わるもの。生き残っていく上で重要だと考えています。ご飯ものや、おかずになる料理も多く、ファミレス感覚で店を利用されるお客様が少なくありません。常連のお客様も多い。メニューの多さ、クオリティの高さ、手頃な価格で選ばれています」

※2013年8月オープン

カスタマーズディライト代表取締役 中村 隆介氏
カスタマーズディライト代表取締役
中村 隆介氏
本物の焼きとん 筑前屋
本物の焼きとん 筑前屋

[事例2] 大衆酒場「大衆酒場かぶら屋」

(パートナーズチェーン本部:株式会社かぶら屋)
http://www.fcgate.com/
~社員の立場でノウハウを身に付け独立!低リスクの社員独立制度~

「旨い・安い・心地いい」小さな店!常連客に支えられ安定経営
 1万2000人の小商圏でも成立する小さな大衆酒場。安い・旨い料理、足の便がいい1等立地~1.5等立地への出店で、高頻度の利用を促し、経営を安定化させています。主な料理メニューは全品1本80円の串焼き、80円~130円の名物『黒おでん』、100円~280円のフライ・揚げ物、250円~の『ポテトサラダ』、『もつ煮込み』などの一品料理。最高値のドリンクは380円の生ビール、日本酒など。いずれもお手頃価格ですが、串焼きの豚もつは下処理から串うちまで店内で行ったり、黒おでんの出汁は店でとったりするなどして、手づくりの美味しさを出しています。さらに、毎日、スタッフが全商品の味を確認する「検食」を実施、味のレベルを維持しています。

 接客、クレンリネスについても細かいマニュアルに沿って徹底。標準店が約13坪の小型店なので、肩を寄せ合う店内は温かい雰囲気が漂い、客とスタッフとの距離が近いのも特徴。総じて「旨い・安い・心地いい」店として日常利用されており、来店頻度週1回の客は全体の3割、毎日来店する客も1割~2割に達しています。主要客層は近隣の30代~50代のサラリーマンや男性の住民。平均客単価1700円で月商約450万円(13坪)。なお、少人数運営可能な小型店のため、人件費を抑えられます。

契約社員から独立までの平均年数4年、最短7カ月、最長6年の実績あり
 現在、かぶら屋では、東京・千葉・埼玉・神奈川で、社員独立制度に則り加盟店オーナーとして独立したい個人を募集する一方、これら1都3県以外では、エリア本部としてかぶら屋を多店舗展開する法人を募っています。

 社員独立制度では、契約社員としての直営店勤務、直営店店長、直営店の委託運営を経て店舗を買い取り、独立します。委託を経ず買い取ることも可能。これまでに独立した18人の中には入社7カ月で店を買い取り独立した人、店長になるまで時間がかかり、独立まで6年かかった人などがいます。18人中3人が2店舗以上経営、最多店舗数は5店舗。

加盟店募集エリア 東京・千葉・埼玉・神奈川
※エリア本部(法人)は上記の1都3県以外
オープン前の主な加盟店研修内容と日数 実地研修で店長資格取得(目安1年)
オープン前・後のサポート内容 オープン前立上げ支援(約1カ月)、及び定期臨店指導
フランチャイズ展開開始年 2005年
直営店数 / 加盟店数(2016年11月末現在) 直営店 23店舗(内、委託11店)/加盟店 25店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人 70% 法人 30%
加盟者全体に占める飲食業未経験者の比率 70%
ロイヤルティ 売り上げの4%
標準開業資金(物件取得費別)/標準店舗規模 約1500~2000万円/13坪
加盟店の収益モデル 月商約450万円

加盟店オーナーからひとことコメント!
「現在3店舗のオーナー、スタッフを信じて任せるのが多店舗化成功の秘訣」
■立川店(東京都立川市)ほか2店舗経営 オーナー 中島 健さん

「各店に店長を置き、私は経営全般を見ています。3店舗中、2店舗は順調ですが、1店舗は雰囲気づくり、人材育成の点で改善すべき点があり、本来出せる月商までもう一歩というところ。こういう場合でも、適宜アドバイスはしますが、基本的に自分が選んだ店長を信じて任せます。自分が何でもやろうとしないことが、多店舗化成功のコツだと思います」

※立川店は2012年5月オープン

かぶら屋代表取締役社長 内山 九十九氏
かぶら屋代表取締役社長 内山 九十九氏
かぶら屋
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注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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