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連載コラム

第104回 加盟者事例(34)「36歳で日本そば店5店舗経営、スタッフ教育は率先垂範で行っています」(株式会社マキシム 代表取締役 大村 悠さん)

[ 2018年1月17日 ]

千葉県習志野市にある株式会社マキシム。代表取締役の大村 悠さんは、24歳で最初の加盟店を出店しました。大村さんに、今日までに学んだフランチャイズ事業運営について伺いました。

「ゆで太郎」5店舗を千葉県内で運営

マキシム代表取締役 大村 悠氏
マキシム代表取締役 大村 悠氏

――株式会社マキシムのご紹介からお願いします。

大村 マキシムは2006年設立、日本そば店フランチャイズ「ゆで太郎」の加盟店5店舗を千葉県内で運営しています。社員10名、パート・アルバイトは約45名、直近年商は約3億4900万円です。

――10名の社員は、どのように配置されていますか。

大村 まず店長として5店舗に一人ずつ置き、残りの5名は店舗ごとの広さや忙しさに合わせて割り振っています。

――2006年に第一号店を出店されてから約11年半、現在、経営されている加盟店5店舗の売り上げや運営状況などは、加盟時の目標などと比較していかがですか。

大村 郊外型店舗で苦労したり、私より年上のスタッフの教育に気を使ったりと、今日まで平たんな道のりではありませんでしたが、概ね目指していたことを実現しています。

「駅近2店舗は好発進だったが」

一号店の船橋北口店
一号店の船橋北口店

――フランチャイズ事業を始めようと考えた理由をお聞かせください。

大村 以前、私は、父の経営する弁当店フランチャイズの加盟店を手伝っていました。それがきっかけで知り合ったのが、ゆで太郎本部の代表。ゆで太郎のそばは、食べてみると、「挽きたて・打ちたて・茹でたて」をウリにしているだけあって美味しいし、ボリューム満点なのに安い。当時、盛りそばが220円でした。おまけに収益性は高い。この事業はイケると感じました。本部代表も長年の知り合いで信頼できる方でしたし、加盟してゆで太郎を始めることにしました。

――はじめての加盟店経営は、いかがでしたか。

大村 1号店は2006年7月に出した千葉県・船橋北口店。船橋駅から徒歩5分のビル1階にある店舗です。千葉県初のゆで太郎だったため、オープン当初は、「『ゆで太郎』?何屋さん?」って感じでした。まだ、ゆで太郎が認知されていない状態だったので、近隣の住宅に折込チラシをまいたり、ポスティングなどを行って、お客様を呼び込みました。集客に手間はかかりましたが、目標だった平均月商はオープンから1年未満で達成。ほぼ予測通りにいきました。

 それから2号店の船橋南口店も、北口店同様、船橋駅から徒歩5分の路面店。駅を挟んで北と南に出店し、ゆで太郎の名前がある程度は知られていたこともあり、2号店は予測を上振れするぐらいの結果を出せました。しかし、2009年9月に出店した3号店の東鎌ヶ谷店は厳しかった。先ほど触れた「苦労した郊外型店舗」というのが、この店です。

2号店の船橋南口店(1)    2号店の船橋南口店(2)
2号店の船橋南口店

「苦労した郊外型店舗、今では5店舗中トップの売り上げ」

はじめての郊外型店舗、「東鎌ヶ谷店」
はじめての郊外型店舗、「東鎌ヶ谷店」

――東鎌ヶ谷店は、どういう点で苦労されたのですか。

大村 店舗が認知され軌道に乗るまでに、想定以上に時間がかかった点です。

 1号店、2号店は、人目に付きやすい駅近の路面店。周りにオフィスや住宅があり、売り上げの見込みも立てやすい。一方、東鎌ヶ谷店は郊外型の路面店。周囲に住宅街が広がっているものの、店舗が面している道路を通らない限り、地域住民の皆様はなかなか店舗の存在に気づかない。また、売り上げを上げていくには、地域の方々だけでなく、車などで店舗の前を行きかう人たちにも、ゆで太郎を知ってもらい取り込んでいかなければならない。東鎌ヶ谷店は、こういう立地上の難しさに加え、2008年のリーマンショックの影響もあり、売り上げが読みにくい点があったと思います。ただし、苦戦した東鎌ヶ谷店は、今では弊社が運営するゆで太郎5店舗中トップの売り上げを出すまでに成長しています。店舗の近隣には、幸楽苑やかっぱ寿司など、競合はけっこうありますが、軌道に乗ってからは、ずっと右肩上がりで売上を伸ばしています。
 
――店舗運営を上向かせるために、効果的だった手法などはありますか。

大村 オープン記念の「盛りそば100円」、「全品半額」、「クーポン付折込チラシ」など、いろいろ販促は行いましたが、どれも、すぐ売り上げに結び付くわけではありません。結局、一番効果的だったのは、ゆでたての美味しいおそばを出すこと。この地道な作業を続けたこと、これしかないと思います。それが、お客様に評価され、だんだんと集客に結び付いていったのではないでしょうか。

――軌道に乗ってから、一貫して売り上げが伸びている原因は何でしょう。

大村 理由の一つは、メニューの多様性かなと考えています。おそばだけでなく、かつ丼やカレーなどとおそばのセットメニューが豊富にあったり、アルコールも扱ったりしていますから、軽めの昼食や小腹がすいた時にも、ガッツリ食べたい夕食にも利用できる。また、バラエティ豊かなメニューなので幅広い客層にも対応できます。小さいお子様や食べ盛りのサラリーマンの方からご年配の方まで、店舗をご利用いただいています。平日のランチはサラリーマンの皆さん、週末は三世代でご来店されるファミリーのお客様でにぎわっています。私のアイデアで東鎌ヶ谷店に設けた「小上がり」も、お子様連れのご家族に喜ばれ、使われています。

経営者も、スタッフ教育・管理に関わる

――多様なメニューは店舗の魅力ですが、オペレーションを複雑にします。ゆで太郎の場合、注文を受けてから、そばをゆでますし、ランチタイムなどのピーク時は、オーダーへの対応が大変ではないですか。

大村 確かに、都市部の繁盛店などは、けっこう大変です。うちも、駅近の2店舗、中でも船橋南口店はランチタイムが混み合うので、なかなかハードな時があります。揚物も、海老天やかき揚げ、豚カツなど種類がありますし、厚みのあるカツは揚げるまでに時間がかかりますから。ピーク時でも、お客様をお待たせすることなく、美味しいできたてのおそばをちゃんと出すには、ある程度オペレーションに慣れたスタッフが必要になります。そうしたスタッフが揃っていれば、多忙な時間帯も的確に店を回せます。

――そうなるとスタッフ採用・教育・管理が重要になってきます。これらの点は、現在どういう状況ですか。

大村 他の飲食店同様、採用は厳しいですね。ですから、ご縁のあったスタッフに長く働いていただけるようにしなければなりません。一方で、スタッフには、マニュアルに沿った調理を徹底してもらう必要があります。うっかり自分流の調理をしてしまうと、必要な品質に達していない商品になってしまったり、歩留まりが悪くなったりすることも考えられます。調理のブレは、お客様からの評価や店舗の利益を下げかねませんから、調理面の教育・管理は非常に大事。そのため私自身も関わって、行うようにしています。

――具体的に、どのように関わっていらっしゃるのでしょう。

大村 まず、日ごろから、店舗に足を運んで、社員はもちろん、パート・アルバイトも含めスタッフ全員とよく話をするよう心掛けています。ちょっとした世間話から、「最近どう?売れてる?」「新しいメニューはできそう?」など、コミュニケーションで人間関係をつくりつつ、特に調理面などで困ってないか、きちんとマニュアル通りに行えているかを把握しています。指導が必要な場合は、多忙な店長の補佐役として、私が実際に店舗に入って調理のやり方を教え、マニュアル通りの調理の徹底を図っています。

――中には、36歳の大村さんより年長のスタッフもいると思います。年長者を指導する際、気を付けている点などがあればお聞かせください。

大村 店長はほとんど年長者ですし、24時間営業の店舗では、深夜の時間帯に年配の男性スタッフが活躍してくれています。年配のスタッフは、私にとっては人生の先輩。彼らを指導する時には、先輩への敬意を表しつつ、率先垂範で行っています。私も深夜に店舗に入って、どうすれば決められた時間内にちゃんとつくれるかをやって見せて、よく理解してもらい実践するようお願いしています。
 

今後の計画とアドバイス

――今後の計画についてお聞かせください。

大村 出店したいと狙っている場所があるので、そこか空いたら新しい店を出したいですね。

――フランチャイズ事業をはじめたいと考えている人に、アドバイスなどお願いいたします。

大村 そのフランチャイズの商品・サービスに対し、「これなら(お客様に喜んでいただけるという)自信を持って提供できる」と感じられるかどうか。それを基準にフランチャイズを選ばれたら良いと思います。

――ありがとうございました。

注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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