連載コラム

第7回 粉もん(粉物、コナモン)系

[ 2009年6月25日 ]

一般に、お好み焼、たこ焼など、小麦粉を使った食品は、粉もん(粉物、コナモン)と呼ばれています。これらは、低価格で長く広く親しまれてきたものなので、安定した需要が見込まれるといわれています。

[事例1]いか焼き店「大阪名物いか焼き みなせん」

(FC本部:芙蓉フーズ株式会社 http://www.2422.jp/
~小資本!B級グルメいか焼き店~

FC本部:芙蓉フーズ株式会社

 いか焼きとは、いかを生地で包み、プレス機で焼き上げ、ソースをつけて食べる和風ファストフード。もちもちした食感が人気で、関西ではたこ焼、お好み焼同様、広く知られた粉もんです。このいか焼きを売る「大阪名物いか焼き みなせん」は、現在直営1店(店舗型)、車両を用いる移動販売型加盟店120店、店舗型加盟店20店を展開中です。
 みなせんは、FC開始からわずか2年半程度の間に、急速に店舗数を伸ばしました。その理由は、独自の美味さ、シンプルな店舗運営、小投資と低い原価率などにあるようです。まず、独自の味ですが、小麦粉、昆布、かつお、山芋など15種類の素材を配合した生地、30種類の果物と野菜で作ったソースが決め手になっています。しかも、調理はプレス機で一気に焼き上げるだけなので、研修も基本的に2日間。さらに、移動販売型店の標準開業資金は、192万3,669円(車両をレンタルする場合)。原価率はわずか30%。
こうした事業特性があるため、加盟者の6割が個人ですが、そのうち脱サラして開業したケースが7割。残り3割の加盟者は、会社勤めを続けたままバイトスタッフや妻に店を任せる副業型加盟者ということです。
 なお移動販売型店の場合、集客力のある出展場所の確保が非常に重要ですが、この点については、本部が全面的にバックアップしています。本部は、加盟店の売上動向を見ながら、必要に応じて出店場所を変えるといった指導も行っています。しかし、本部が紹介する場所以外にも、例えば地元の夏祭りなど、高い集客が見込める出店場所はあります。加盟者自らもこうした場所を開発する努力が、業績の安定拡大につながるそうです。


[事例2]ばくだん焼店「ばくだん焼本舗」

(FC本部:有限会社ウッドボーイ http://bakudanyakihonpo.co.jp/
~テレビ取材相次ぐ!ばくだん焼~

FC本部:有限会社ウッドボーイ

 ばくだん焼は、一見すると「華やかにトッピングされた巨大なたこ焼」。その強いインパクトと他にない新食感で、これまで多数のテレビ番組で紹介されてきたそうです。
 ばくだん焼本舗では、現在直営3店(うち車両を用いる移動販売型店1店)、加盟店27店(うち移動販売型店7店)を展開中。
 同FCの最大の強みは、やはり商品力。ばくだん焼は、直径8センチ、重さ200グラムで、たこ焼8個分のボリュームがあります。コーン、あさり、もち、ウインナーなど10種類以上の具材を閉じ込め、たこ焼のように包み焼きにして、外はカリカリ、中はトロリとした状態に仕上げます。メーカーに発注して作ったオリジナルソースをかけ、お好みでキムチやチーズなどのトッピングを乗せて食べます。また、"ちょっとオシャレな粉もん"というイメージを打ち出すため、テイクアウト用の箱も、鮮やかなオレンジ色を基調にファッション性を重視して作っています。
 こうした商品特性から、主要客層は10代の若年層ですが、どこかお好み焼を思い出させるような味わいもあるため、店舗の立地によっては、幅広い年齢層が来店しています。ばくだん焼のメニューは15種類。平均客単価は440円。サイフにやさしい手頃な価格なので、景気低迷の売れ行きへの影響はほとんど見られないそうです。
 現在、首都圏をはじめ、北海道、東北、九州など地方の小都市にも出店していますが、オンリーワンの美味さで、安定経営をしています。調理も簡単なので、既存加盟者は、コンビニエンスストア、不動産業など大半が異業種参入。標準開業資金は、店舗取得費込みで1,250万円(標準店舗規模は6~7坪)。

[事例3]お好み焼店「大阪梅田お好み焼本舗」

(FC本部:株式会社物語コーポレーション  http://www.monogatari.co.jp/shop/okonomi.html
~ガソリン高でも客足絶えず!郊外型お好み焼店~

FC本部:株式会社物語コーポレーション

 お好み焼市場は、1,915億円もの規模がありながら、店舗の大半が中小・零細店。だからこそ、これから参入して事業を大きく伸ばせる可能性があるといいます。
 お好み焼店「大阪梅田お好み焼本舗」は、直営15店、加盟店29店を展開しています。同FCでは、郊外立地に絞って出店しています。郊外は、街中に比べ、競合する飲食店が少なく、建物や看板が目立つので、これらだけで容易に集客できるなどのメリットがあるからです。また店作りについては、幅広い層が多様な形で楽しめる店を目指しているそうです。お好み焼には、客が自分たちで焼いて盛り上がれる「客焼き」メニューと、店舗スタッフが焼いてプロの味を提供する「店焼き」メニューを用意。さらに、お好み焼のほかに、鉄板焼、サラダ、デザート、ドリンクバーなど豊富なメニューを揃える一方、ひとくち餃子、海老生春巻きなど凝ったメニューを用意して、酒のつまみを充実させ、カップル、ファミリーからビジネスパーソンの宴会需要まで取り込んでいます。満腹しても客単価1,400~1,500円とお手頃価格である点も厳しい時代に支持される理由のようです。加えて、割引き特典付きDMなどの販促策、人材教育の徹底を行ってきました。ちなみに人材教育は、店長のオープン前研修が2ヶ月、社員の場合が1ヶ月と時間をかけて実施、飲食業未経験者でも一人前になれるようにしっかり教え込んでいます。同FCの加盟者は、法人に限定していますが、この教育体制があるため、異業種から参入する加盟者が多いそうです。
 こうした魅力ある店作りに力を入れてきたためか、ガソリンが高騰した時期にも、客足への影響はほとんど見られなかったということです。同FCの標準開業資金は5,259万6,000円(標準店舗規模70坪。店舗取得費別)。

注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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