連載コラム

第8回 低価格・高品質系

[ 2009年7月27日 ]

低価格で高品質は、いまや常識。これらの条件を備えるFCもゾクゾク登場中です。2つの条件を両立させるFCの仕組みに注目しましょう。

[事例1]和菓子店「小饅寿本舗」

(FC本部:株式会社ウイリー http://www.komanju.jp
~無添加10円まんじゅうが人気~

FC本部:株式会社ウイリー

 小饅寿本舗は、直営4店、加盟店35店を数えます。主力商品の10円まんじゅうは、添加物ゼロ。ミネラル分が豊富なきび糖や黒糖のみを使い、社会の健康志向にマッチした一口サイズの商品です。自社工場での大量生産により、低価格と高品質を両立させました。
 工場で作られたまんじゅうは、各店舗に運ばれ、店で初めて蒸され、できたての状態で販売されます。一般に店頭で蒸して売っているまんじゅう類は温めなおしているだけなので、できたての10円まんじゅうと食べ比べると、もちもちした食感、味、香りに明らかな違いがあるそうです。この違いと安さが集客の決め手になっています。
 なお、あまりの安さに利益が気になりますが、小饅寿本舗では、2種類の10円まんじゅうを中心に、10円にこだわらない、多様な季節商品を揃えることで、利益を確保し、経営を安定化させています。
 店頭での主な作業は、まんじゅうを蒸したり、接客したりする程度で、調理技術なども不要なので、加盟者の7割は異業種から参入した個人、法人です。この事業で成功するには、和菓子に関する知識や経験より、「あったかごころ」が求められるそうです。「あったかごころ」とは、店舗スタッフや客への思いやりや気配りを指します。「あったかごころ」の度合いは、売上に大きな影響を与えるため、同じ店でも、店長が代わると売上も変わってしまうといいます。そのため、この「あったかごころ」の重要性をしっかり理解してくれることが加盟条件の一つになっています。標準開業資金は1,190万1,000円(標準店舗規模6~12坪。店舗取得費別)。

[事例2]業務用食品スーパー「業務スーパー」

(FC本部:株式会社神戸物産 http://www.kobebussan.co.jp
~安価・美味・安全で一般客も急増中!~

FC本部:株式会社神戸物産

 業務スーパーは、居酒屋、レストランなど飲食業のプロを対象に食材を販売するスーパーです。現在、直営2店、加盟店496店を数え、業務用食品スーパーとしては店舗数日本一。業務スーパーでは、主力の冷凍食品を中心に、漬物、佃煮、缶詰などを販売しています。生鮮食品は扱っていません。取扱商品は、例えば冷凍コロッケが10個で148円など、安価に提供されています。さらにプロ用の商品なので、味付けも申し分ないそうです。
 こうした安価で高品質な商品を大量に提供できるのは、自社で農園から、工場、物流システム、店舗販売まで一元管理する製販一体体制や、世界に張り巡らせた仕入れルートなどがあるからです。製版一体体制を取ることで、オリジナル商品の開発を安全かつ効率的に行っています。また、輸入食品については、社内の品質検査室で、検査を実施、安全・安心な商品提供を徹底しています。最近では、この安全で安く、美味しい商品を求めて一般客の来店が増え、客全体の8割にまで達したそうです。
 主力商品が冷凍食品なので、ほとんどロスがなく、手間がかからないため店舗スタッフの人数も抑制できます。さらに通常の業務用スーパーが掛け売りを行っているのに対し、業務スーパーは、現金販売をしているため、集金などの手間がなく、経営も効率的です。従って、加盟店の主な作業は、仕入れた商品の陳列と販売のみになります。同FCの店舗は売り場面積が都市型店で70坪~80坪、郊外型店で100坪は必要。店舗スタイルが多様なので、開業資金などについては本部までお問い合わせください。

[事例3]産直野菜販売店「農家の八百屋さん わくわく広場」

(FC本部:株式会社タカヨシ http://www.takayoshi-inc.co.jp
~激戦立地でも産直パワーで強力に集客~

FC本部:株式会社タカヨシ

 産直野菜販売店「農家の八百屋さん わくわく広場」では、現在直営54店、加盟店4店を展開中。同FCでは、店舗に登録した農家が直接店に野菜を持ち込み、販売する形を取っています。農家は自ら野菜の価格を設定しますが、万一野菜が売れ残った場合、引き取らなければならないので、結果的に店には高品質で低価格な野菜が並べられるといいます。この産直野菜ならではの鮮度の高さ、安心感、安さ、美味しさがあるので、わくわく広場では、周囲に大型スーパーが複数あるような立地でも、多くの客を呼び込んでいるそうです。
 農家が野菜の持ち込みや値づけを行いますので、加盟店は、農家に場所を貸してレジの管理をするだけで在庫負担もないという、比較的楽な店舗運営ができます。
 ただし店に野菜を持ち込んでくれる農家の開拓は、加盟者の仕事です。もちろん農家開拓に際しては、本部スタッフが加盟者と共に農家を回り、最終的に円滑な野菜の仕入れができるまでフォローするそうです。
 同FCに加盟し、既存店をわくわく広場に業態転換したり、遊休店舗をわくわく広場として新規開業したりする場合、標準開業資金(単独型)は約2,352万円(標準店舗規模は120坪)。なお店舗規模に合わせ、産直野菜以外にも、例えば地元の良質なパン屋、精肉店、鮮魚店、花屋などにも声をかけ、産直野菜と同じ取引形態で商品を持ち込んでもらい、販売していくことも可能です。

注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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