連載コラム

第9回 ヘアケア関連

[ 2009年8月26日 ]

理美容院などヘアケアサービス業は、身だしなみのひとつとして老若男女を問わず必要とされるものです。最近では、時代の需要に対応し、低価格化と専門化の傾向があるようです。

[事例1]低価格美容室「イレブンカット」

(フランチャイズ本部:株式会社エム・ワイ・ケーhttp://www.11cut.com
~カット11分1,575円!93店盛業中!~

フランチャイズ本部:株式会社エム・ワイ・ケー

 低価格美容室「イレブンカット」は現在直営54店、加盟店39店。一般に美容室でのカット料金は4,000円程度かかりますが、「イレブンカット」では1,575円。しかも基本的に11分で終了というスピード仕上げ。さらに客が持ち込んだヘアカラー剤で髪を染める「持込カラー」サービス、パーマなどにも低価格で対応。その一方で、店舗は程よくオシャレなデザイン。安いだけでは満足しない現代の客が、価格、サービス内容、店の雰囲気、接客など、総合的に納得できる店になっています。このため厳しい景況下でにあっても、店舗数、客数ともに伸びているそうです。
 同フランチャイズが店舗数を伸ばしているもう一つの理由は、美容師不足を解消した点にあります。そもそも美容院は美容師が集まらなければ成立しない事業ですが、最近の新卒の美容師離職率は、2年間で7割とされるほど高く、美容師の確保が美容院の大きな経営課題となっています。そこで「イレブンカット」では、「給与の安定化・教育の徹底・積極出店」で美容師に安心と夢を与え、大幅に定着率をアップさせる仕組みを築きました。この仕組みに基づき、加盟店の美容師募集から、開業前の美容師研修、開業後の継続的教育などをサポートしていくため、加盟者の円滑な多店舗化を実現できたそうです。実際、加盟者の中には5~6店を経営しているケースもあります。
 同フランチャイズは未経験からの加盟も可能。現在の法人加盟者は全て美容業界未経験で参入しています。標準開業資金2,000~2,500万円(店舗取得費別。標準店舗規模20~30坪)。

[事例2]頭皮・髪専門エステサロン「ベルシュヴー」

(フランチャイズ本部:株式会社スカルプラボhttp://www.belle-cheveu.com
~副業OK!富裕層向けヘアケア店~

フランチャイズ本部:株式会社スカルプラボ

 ヘッドスパ(頭皮・髪のエステ)専門店「ベルシュヴー」は直営1店を展開。第1号加盟店は、2009年9月オープン予定。
昨今、ストレスや不規則な生活などが原因で、女性の間でも抜け毛や薄毛に悩む層が増えているといわれます。ヘッドスパは、こうした悩みに対応するサービスです。一般の美容室の中にも、ヘッドスパをサイドメニューとして、20分2,500~3,000円程度の料金で施術しているところもあります。しかし専門店はほとんど見当たらないそうです。「ベルシュヴー」では、頭皮ケアを行うスキャルプケアコースなど6コースを用意。料金は50分7,800円~95分1万9,800円ですが、現在、土日は1ヶ月先まで予約が入っており、平日もほぼフル稼働状況。平均客単価は1万円。客層の8割が女性で30代以上の比較的富裕な層だといいます。
 フランチャイズ本部では、当面は首都圏中心の出店を考えています。施術は美容師の資格を持ったスタッフに任せられるので、未経験でも加盟可能。加盟店は、基本的に施術台1台を置いたプライベートサロン形式。本部はインターネットを使っての集客、顧客の予約管理、現場スタッフの技術指導などを一括して実施。従って加盟者の役割は、スタッフへの目配りだけ。このように施術台は1台で、サービスメニューは限られており、店舗運営がシンプルなので、個人加盟者の場合、スタッフに店を管理させ、副業として取り組むことも容易です。ちなみに第1号加盟者は、サラリーマンを続けながら副業として「ベルシュヴー」を始めるそうです。標準開業資金は400万円から(店舗取得費別。標準店舗規模6~10坪)。

[事例3]低価格カット専門美容室「イッツ!」

(フランチャイズ本部:株式会社トライアングルhttp://www.tri-angle.co.jp/
~待ち時間の見える化が好評で顧客拡大~

フランチャイズ本部:株式会社トライアングル

 低価格カット専門美容室「イッツ!」は、現在直営のみ20店展開中。
カット料金1,300円(通常の美容院では4,000円程度)と低価格で客を引きつけるとともに、独自開発のWeb-posシステムによる待ち時間の見える化で顧客満足を高めています。「イッツ!」では客のパソコンや携帯電話、店頭のタッチパネルで予約ができるほか、それぞれの客の順番や待ち時間などが確認できます。特に待ち時間の確認機能は、イライラの解消と時間の有効活用につながるため、多くの客から評価されているそうです。
 このシステムにより客自ら受付をすませるようになっていますが、これが店舗経営に大きな二つのメリットをもたらしています。一つ目は来店頻度など客のデータが自動的に手に入るため、これらを基礎に、出店時の立地診断、販促活動、接客力の評価など的確な加盟店指導が行えるようになりました。二つ目は、受付の手間や人件費カットなど、店舗運営の効率化と経費削減ができたことです。ちなみに店で洗髪しないのでシャンプー台の設置費用は不要、店内のパーテーション、棚、台などをキット化して海外で生産、開業資金も抑制しています。なお美容院経営の課題とされる美容師の確保については、専門誌などでの求人に加え、フランチャイズ本部が立ち上げた人材派遣業を通じ、必要に応じ人材を派遣する体制を整え、対応しています。同フランチャイズでは未経験での加盟可能。美容師の技術チェックなどは、本部中心に行っていきます。標準開業資金1,590万円(店舗取得費別。標準店舗規模15坪)。


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執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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