連載コラム

第12回 高齢者ケア

[ 2009年11月25日 ]

拡大する高齢者ケア市場。フランチャイズ業界の中にも、サービスの個性化、運営の効率化、教育の充実などで成長しているチェーンが登場してきています。

[事例1]訪問介護サービス(※1)「やさしい手」

(フランチャイズ本部:株式会社やさしい手http://www.yasashiite.com
~IT化で業界平均を超える売上達成~

フランチャイズ本部:株式会社やさしい手

 訪問介護サービス「やさしい手」は、加盟事業所46ヶ所、直営事業所48ヶ所を展開中。やさしい手では、IT化の推進により、加盟事業所と本部との情報共有や、業務の効率化を図ってきました。
 まず情報共有については、本部と加盟事業所が利用者についての詳細な情報を、独自システムによって共有しているため、本部は加盟事業所に対し、迅速で的確な指導が行えます。これにより、加盟事業所運営の適正化と利用者満足向上を実現しています。また業務管理システムが整っているため、事務処理の効率化を実現、最小のスタッフ数で、事業運営が行えるようになっています。このため、都市部の一般的訪問介護事業者の平均月商が280万円~300万円であるのに対し、やさしい手では430万円~450万円を達成しています。
 加盟事業所の主な業務は、ケアマネージャー(※2)への営業、介護ヘルパーの募集・教育・管理、介護保険に関連した事務処理などです。やさしい手本部では、研修や、指導を充実しているため、大半の加盟者が異業種からの参入ということです。同FCの標準開業資金は約600万円(標準事業所規模15坪。店舗取得費別)。また開業に際しては、12ヶ月~18ヶ月の運転資金1500万円~2000万円が必要になります。なお、やさしい手では、平成22年度から新たにデイサービス(※3)フランチャイズチェーン「ゆめふる」の加盟者募集を本格的に開始するということです。

1訪問介護サービス:ヘルパーなど、サービス提供者が、サービス利用者の自宅に赴いて、入浴、食事、散歩など、日常生活をサポートするサービス。
2ケアマネージャー:個々の要支援者や要介護者(要介護認定で支援や介護が必要と認定された人)に合わせて、ケアプランを作成したり、自治体や各種サービス事業者などとの間で連絡調整などを行うケアマネジメントの専門職。一般に高齢者ケア事業においては、ケアマネージャーに営業をかけ、自社の存在やサービスを知ってもらう。
3デイサービス:要介護者を必要に応じて預かる施設。


[事例2]リハビリデイサービス「nagomi」

(フランチャイズ本部:イー・ライフ・グループ株式会社http://www.ii-life.co.jp
~リハビリに特化し、顧客満足アップ、投資額ダウン~

フランチャイズ本部:イー・ライフ・グループ株式会社

 nagomiは、介護の度合いが軽い人を対象に、リハビリ(機能訓練)を指導するリハビリ特化型デイサービス(※1)です。現在加盟施設16ヶ所、直営施設4ヶ所を展開中。
 従来のデイサービスは、一般に要支援者や軽度~重度の要介護者(※2)を総合的に受け入れ、主に入浴・食事・昼寝・レクリエーションといったサービスを提供してきました。そこでnagomiは、介護の度合いが軽い人へのリハビリに絞り込むことで、これまでのデイサービスでは飽き足らなかった人を集め、評価を得てきたと言います。
 リハビリのプログラムは、標準化されているので、特別な資格がなくともインストラクターになれます。また効果が実証された新しいプログラムが、毎月本部から提供されるため、施設利用者は飽きることなくリハビリを続けられます。リハビリに特化した結果、nagomiの施設には食事提供に不可欠な水回りの設備などが不要なので、投資額を軽減、またスタッフの労働時間も限られており、システム化された事務処理は手間がかからないなど、心身の負担が比較的少ないため、スタッフ採用は容易だと言います。  
nagomiは標準利用者数を100名に設定していますが、直営施設では、これを平均3ヶ月~4ヶ月で達成しており、加盟施設も含め、全施設が概ね事業計画書通りの運営をしているそうです。
 加盟施設の主な業務は、ケアマネージャー(※3)への営業、スタッフの募集・教育・管理、介護保険に関連した事務処理などです。現在の加盟者16社中、異業種からの加盟者は10社を数えるそうです。同フランチャイズの標準開業資金は1380万円(標準店舗規模30坪。店舗取得費別)。運転資金は1000万円~1500万円。

1デイサービス:要介護者を必要に応じて預かる施設。
2要支援者、要介護者:要介護認定で支援や介護が必要と認定された人
3ケアマネージャー:個々の要支援者や要介護者に合わせて、ケアプランを作成したり、自治体や各種サービス事業者などとの間で連絡調整などを行うケアマネジメントの専門職。一般に高齢者ケア事業においては、ケアマネージャーに営業をかけ、自社の存在やサービスを知ってもらう。


[事例3]デイサービス(※1)「茶話本舗(さわほんぽ)」

(フランチャイズ本部:株式会社日本介護福祉グループhttp://www.sawahonpo.com
~開業資金約300万円!198施設盛業中!~

フランチャイズ本部:株式会社日本介護福祉グループ

 デイサービス「茶話本舗」は直営施設17ヶ所、加盟施設181ヶ所を数えます。同フランチャイズは在宅で生活している要介護者(※2)のうち、医療行為の必要がない層をターゲットにしたデイサービス事業です。
 茶話本舗では、一般の民家を改装し、施設として用いています。また1施設当たり定員10名と小規模な上に、スタッフ数4名と同規模の一般的デイサービスの2倍の人員を配置しているため、個々の利用者に合わせたサービスが可能です。そのため利用者からは「自宅にいるようで寛げる」と評価が高いそうです。
 こうした特徴は、事業展開上のメリットにもつながっています。民家を活用することで標準開業資金を約300万円に抑制(25坪~30坪の民家が標準施設規模。民家の取得費別)、運転資金も低く抑えられます。こうして抑制した費用を人件費に充て、スタッフの給与水準を業界平均より上げることで、人手確保を容易化しているのです。加えて本部は、スタッフの初期研修からステップアップ研修まで行う「茶話介護大学」を開設、同大学を通じ、サービスの品質向上を促すことで、加盟施設の競争力を強化しています。また、独自システムにより、煩雑な事務処理を効率的にこなせる体制を取っています。このような本部のバックアップ体制があるため、加盟者の99%が異業種からの参入、7割が複数の施設を展開しています。なお、加盟施設の主な業務は、ケアマネージャー(※3)への営業、スタッフの募集・教育・管理、介護保険に関連した事務処理などです。開業に際しては、開業資金のほかに1200万円の運転資金が必要。
1デイサービス:要介護者を必要に応じて預かる施設。
2要支援者、要介護者:要介護認定で支援や介護が必要と認定された人
3ケアマネージャー:個々の要支援者や要介護者に合わせて、ケアプランを作成したり、自治体や各種サービス事業者などとの間で連絡調整などを行うケアマネジメントの専門職。一般に高齢者ケア事業においては、ケアマネージャーに営業をかけ、自社の存在やサービスを知ってもらう。

注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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