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連載コラム

第16回 「安い・美味い・ボリューム」フード系

[ 2010年4月27日 ]

不況知らずの「安い・美味い・ボリューム」フード系フランチャイズ。フランチャイズ本部が、これらの3大要素を満たした商品を提供しながら、どうやって充分な利益を確保しているのか、その仕組みに注目してみましょう。

[事例1]鉄板マル鍋専門店「鉄板マル鍋やみつきのした」

(フランチャイズ本部:株式会社やみつきのしたhttp://www.yamitsukinosita.com/index.html
~肉・野菜がたっぷり取れる独自商品と客とのコミュニケーションで長期繁栄~

フランチャイズ本部:株式会社やみつきのした

 鉄板マル鍋とは、牛肉・牛もつ・豚・鶏と野菜をたっぷり入れて、秘伝のダシで炊き上げるすき焼き風のオリジナル鍋料理。鉄板マル鍋店は21年前に誕生、口コミで人気が高まり、店舗数を11店舗(直営店)にまで拡大。この実績をもとに、フランチャイズ本部として株式会社やみつきのしたを新たに設立、2009年3月からフランチャイズ展開を開始、2010年4月現在、加盟店8店舗を出店しています。
 鉄板マル鍋は、1人前1,180円(豚・鶏、もつ)~1,380円(肉4種)などがあります。ボリューム満点で肉、野菜をバランス良く食べられるので、割安感があるそうです。鉄板マル鍋は、店舗スタッフが各テーブルで料理して提供します。その間の客とのコミュニケーションが、リピーター化を促す重要な要素となっています。他にない商品とコミュニケーションの力で、不況の影響もほとんどないということです。ちなみに客とのコミュニケーションは、スタッフのモチベーションも上げるため、スタッフ定着はとても良いということです。なお鍋以外のメニューも充実させることで、夏の売上を保持しています。
 秘伝のダシ、鉄板マル鍋、一品料理などはセントラルキッチンで調理したものを店舗に配送するため、調理経験の少ないスタッフでもプロの味が出せます。標準開業資金2,380万円(標準店舗規模22坪。店舗取得費別)。居抜き物件でPOSレジなどをリースにした場合、開業資金はおよそ半額。自社で生産することで、原価率を抑制、また、販促ツールを客に手渡しすることで、費用を抑えながら、販促効果を高めるなど、コスト圧縮努力を重ね、標準営業利益率23%、初期投資回収20カ月を実現しました。飲食業未経験での加盟可能。現在の加盟者7社のうち、未経験で加盟した法人は2社、個人1名。


[事例2]ステーキハンバーグ専門店「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」

(フランチャイズ本部:株式会社エムグラントフードサービスhttp://mgfood.co.jp/fc/
~割安感で圧倒的支持!居抜き物件活用で初期投資圧縮、標準投資回収2年以内!~

フランチャイズ本部:株式会社エムグラントフードサービス

 「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」(以下けん)の前身となる業態は、1984年に誕生、これをベースにフランチャイズ業態を開発、2007年10月よりフランチャイズ加盟店の公募を開始。2010年4月現在、直営店23店、加盟店28店、社内独立制度による業務委託店16店を展開中。
 けんの最大の特長は、お手ごろ価格でバラエティ豊かなステーキ、ハンバーグと、時間無制限の食べ放題でサラダバー、ライス、スープ、カレー、フルーツが楽しめること。ステーキについては、価格を抑える一方で、肉をほぼ店内でカットして品質を保持。ハンバーグステーキ980円、けんステーキ1,300円、国産牛ヒレステーキ2,560円など多様なメニューを揃えています。割安感が支持され、リーマンショック以降も、売上は右肩上がりで伸びています。
 郊外型の居抜き物件を狙って出店し、標準開業資金を店舗取得費込みで2,453万円(標準店舗規模70坪~100坪)に抑制、その結果標準的な投資回収は2年以内となっています。さらに、通常30%と言われる原価率を敢えて38%にまで上げ、食べ放題メニューなどを充実、一層顧客満足を上げ、リピーター化促進、競合他社を引き離す攻めの経営を行っています。なお現在加盟者の9割が飲食業経験者です。けんでは、調理もシンプルなので、職人不要でオペレーションも簡素ですが、月商1,000万円を一つの基準としているため、加盟店に飲食店マネジメントやQSC(Quality:品質・Service:サービス・Cleanliness清潔さ)などへの知識、経験が不可欠になっています。その結果、飲食業経験者が多くなっているわけです。未経験でも加盟は可能ですが、この場合、飲食業経験者を店長にするなどが条件になります。


[事例3]丼店「伝説のすた丼屋」

(フランチャイズ本部:株式会社アントワークスhttp://www.antoworks.com/fc.htm
~客の8割が注文するオリジナル丼「すた丼」!創業以来39年間不採算店ゼロ~

株式会社アントワークス

 現在直営店24店、のれん分け店3店。フランチャイズ募集を2010年3月から開始したばかりなので、2010年4月現在、加盟店はありません。
 すた丼とはスタミナ丼の略称。秘伝のにんにくしょう油ダレを、北イタリア産のホエー豚と絡め、強力な火力で一気に炒めたオリジナル丼。北イタリア産ホエー豚には、飼料として穀物などを与えるほか、すぐれた健康食品と言われるホエー(乳清)を飲ませ、通常の豚より長い時間をかけ、大切に育てます。そのため肉質が柔らかで、臭みがなく、調理してもジューシーさ、柔らかさが保たれるので、美味いすた丼には欠かせない食材です。主なメニューは、すた丼(580円~600円※地域によって価格が異なります)、生姜丼(580円~600円)、すたカレー(630円~650円)など。独自の美味さ、お手ごろ価格、圧倒的なボリュームが人気で、既存店売上は前年度比105%増と不況の影響は全く見られないそうです。
 火加減などは重要ですが、高度な調理技術は不要なので、45日間の研修を受ければ飲食業未経験でも加盟可能。秘伝のたれは調理されたものを店舗に配送します。標準開業資金(店舗取得費別)は2,190万円(10坪16席)~2,398万円(17坪25席)。券売機導入による人件費削減、スピーディーな調理時間、客の回転も速いなど高効率経営で標準的な投資回収は19.1カ月。なお、客とふれあう機会が多い業態ではないので、逆に、客へのあいさつなどちょっとしたコミュニケーションをしっかり取ることが顧客満足アップのために重要になります。そのため研修では接客を重視して、好感度の高い、元気が伝わる店を作れるように指導します。現在、加盟店募集地域は、東京・神奈川・千葉・埼玉ですが、順次、地域を拡大し、全国に出店する予定です。

注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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