連載コラム

第17回 個別指導塾

[ 2010年5月26日 ]

少子化で、一人の子どもに手をかけて育てる傾向が強い昨今、それぞれの子どもに合わせて指導する個別指導塾は、保護者の支持を集めてきました。手堅い需要を狙って、新規参入する個別指導塾フランチャイズが相次いでいます。

[事例1]個別指導塾「城南コベッツ」

(フランチャイズ本部:株式会社城南進学研究社http://www.johnan.co.jp/fc/index.html
~成績保証と大学受験対応力で中高校生を集める~

フランチャイズ本部:株式会社城南進学研究社

 城南コベッツは、小・中・高校生(高卒生含む)対象に、講師1名対生徒2名までの形式を取る個別指導塾。2006年よりフランチャイズ展開を開始しました。2010年5月現在、直営教室51校、加盟教室38校です。加盟教室のうち、脱サラなど個人加盟者が運営するのは23校、法人加盟者は15校です。加盟者の大半は教育分野未経験で参入。
 城南コベッツの母体は、昭和36年に設立され、現在首都圏で10校舎を数える城南予備校です。城南予備校で蓄積してきた指導ノウハウの上に、城南コベッツは開発されました。  
 城南コベッツでは、小中学生の場合、教科書に準拠したオリジナルのWeb教材「城南マナビックス」を使った予習、個々の生徒に合わせた授業、学校別・生徒別に実施する定期テスト対策などで成績をアップさせます。指導への自信を示すものとして、公立中学生向けに「成績保証コース」まで設けています。成績が上がらなかったら授業料全額免除というのが特徴で、コースの設置で中学生の入塾が増えたそうです。  
 高校生の場合、城南予備校で培った指導力をベースに大学受験に対応しています。ちなみに一般の個別指導塾では、高校生を教える技術が不十分なために、本格的な受験指導までは難しいと言われています。一般の個別指導塾の平均客単価は25,000円程度ですが、城南コベッツでは生徒全体に占める高校生の割合が高いため、35,000円になっています。標準開業資金(標準教室坪数20坪~25坪)は350万円(物件取得費込み。加盟金0円+割賦の場合)から。


[事例2]個別指導塾「個太郎塾」

(フランチャイズ本部:株式会社個学舎http://www.kotaro-juku.co.jp/
~加盟者に講師紹介、迅速で・きめ細かい受験情報を提供~

株式会社個学舎

 個太郎塾は、小・中・高校生(高卒生含む)対象に講師1名対生徒2名までの形式を取る個別指導塾。2007年よりフランチャイズ化、2010年5月現在、直営教室72校、加盟教室119校です。加盟者のうち脱サラなど個人加盟者は65%、残り35%が法人加盟者、加盟者の60%が教育業界未経験者です。
 個太郎塾は市進教育グループに属しています。市進教育グループは、首都圏で小中学生向け進学塾「市進学院」を117教室、現役高校生向け大学受験予備校「市進予備校」を18校展開しています。個太郎塾の根幹には、市進教育グループの実績・経験・ネットワークがあるわけです。これらに基づく、個々の生徒に合わせた丁寧な指導で、生徒を伸ばしています。
 同様に、加盟者に対しても、強力にバックアップします。支援策の一つが、講師紹介です。市進グループでは、予備校の卒業生に働きかけたり、ネットを活用して、グループとして講師を一括募集、学力テスト・面接を経て採用するため、量、質ともに満足のいく人材確保が比較的容易だといいます。個太郎塾では、加盟者が希望すれば、この講師たちの中から、例えば、「理系に強い」や「女性」など、それぞれの条件に沿った人を紹介しています。実際、無駄な費用をかけずに良質な講師を採用しやすいので、加盟者の大半が、講師紹介を利用しています。講師一人当たりの紹介料は35,000円です。さらに、長年築いてきた学校関係者や卒業生との情報ネットワークがあるので、加盟者に受験情報などがいち早く、きめ細かく提供できる点も強みとなっています。
 標準開業資金は(標準教室坪数約20坪。物件取得費別)Aタイプ(加盟金一括納入)707万5,000円、Bタイプ(加盟金分割納入)587万5,000円。なお、現在、「プロ講師による授業」のネット配信を核にした個別指導塾の新業態を準備中とのことです。


[事例3]個別指導塾「トライプラス」

(フランチャイズ本部:株式会社TRGネットワークhttp://www.try-plus.com/fc/
~抜群のブランド力と全国約10万人の登録講師紹介で差別化~

株式会社TRGネットワーク

 トライプラスは、小・中・高校生対象に、原則的に講師1名対生徒2名の形式で教える個別指導塾です。2007年よりフランチャイズ展開をスタートさせ、2010年4月末現在、直営教室4校、加盟教室56校を数えるまでに成長しています。加盟者のうち、脱サラなど個人加盟者が全体の8割、また未経験で参入した加盟者が9割近くになっています。
 トライプラスは、ユニークなCMで著名な「家庭教師のトライ」が始めた塾。指導システムには、トライでの85万人の生徒指導経験が生かされています。トライプラスでは、授業の前半に、担任講師がそれぞれの生徒の性格、学力などに合わせた個別指導を実施、後半になると、生徒はチュータールーム(自習室)で、オリジナルの単元別演習教材「苦手発見・克服テスト」に取り組みます。演習により、授業前半に習ったことなどを定着させ、問題が解ける力を身につけます。もしわからないことなどがあれば、単元別映像授業「オンデマンド講義」を受講します。チューター(インストラクター)に尋ねることもできます。
 独自の指導方法に加え、「家庭教師のトライ」のブランド力が信頼感を与え、生徒確保を促しているそうです。またトライプラスでは、加盟者が希望すれば、登録講師を一人当たり31,500円で紹介しています。一般に1人の講師を雇うのに、最低でも広告費(年額)10万円はかかるといわれます。効率的な人材募集ができるため、多くの加盟者が講師紹介を利用しています。標準開業資金(標準教室規模約25坪。物件取得費別)880万円。


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執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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