連載コラム

第25回 うどん・つけめん

[ 2011年2月3日 ]

今回ご紹介するフランチャイズは、「勝ち抜きグルメ番組」で讃岐うどん部門代表に選ばれた讃岐うどん店、フランチャイズ展開30年の歴史と130店舗の実績を持つうどん専門店、「行列のできる店」として多数のメディアに取り上げられてきたつけめん専門店です。各フランチャイズが、どのようにして、飲食業未経験者でも『プロの味』が出せるようにしているかを確認してみましょう。

[事例1]讃岐うどん店「たも屋」

(フランチャイズ本部:有限会社たも屋 http://www.tamoya.com/)
~開業資金500万円!「勝ち抜きグルメ番組」で認められた味を、独自開発の麺で提供~

 たも屋は、テレビで人気の「勝ち抜きグルメ番組」で、香川・讃岐うどん代表に選ばれたり、地元のメディアに、おいしい店として頻繁に取り上げられたりしてきました。
このおいしさをカンタンに出せるようにしたのが、独自開発の冷凍うどん。通常、冷凍うどんには、つるつるしたのど越しを出すために、でんぷんを用いますが、その結果、小麦の風味が損なわれるといいます。たも屋は、試行錯誤して、でんぷんを使わずに、つるつるしたのど越し、小麦の風味、味わいを保てる冷凍うどんを作り出しました。実験的に、地元、香川県の百貨店の社員食堂で、それまで販売していたうどんの代わりに、この冷凍うどんを取り扱ったところ、うどんの売上が1.5倍になったそうです。冷凍うどんを扱う半セルフ式小型パッケージ店は、2011年3月に東京で一号店(加盟店)をオープン予定です。同店では、客は、まず店に好きなうどんを注文、うどんを受け取ったら、今度は自ら天ぷら、薬味などのトッピングを選んでいきます。商品は、かけうどん(小)250円、カレーうどん(特大)650円、ちくわ天ぷら110円など(予定価格)。客層は老若男女と、幅広い層がターゲットです。小型パッケージ店の運営全般は、未経験者でも容易ですが、調理については、たも屋独自のおいしさを出すために、ひと手間かけています。例えば、冷凍うどんは茹でるだけですが、だしや天ぷらは各店で作ります。瀬戸内海の伊吹島産いりこ、雑節(ざつぶし※)、鹿児島県産鰹節をベースにしただし、てんぷらは、おいしさを引き出しながら、効率的に作れるよう、作り方が簡略化、マニュアル化されています。研修期間は7日間、オープン前後は、スーパーバイザーが店に入ってフォローします。開業後の訪問指導はオプション制にして、ロイヤルティを抑制しています。

ざつぶし:鯖、鰯など多様な魚から取った節。濃厚なだしが出る

<讃岐うどん店「たも屋」>

フランチャイズ展開開始年 2005年
本格手打ち式ロードサイド型店
直営店舗数 / 加盟店舗数(2011年1月30日現在)

半セルフ式小型店
直営店舗数 / 加盟店舗数(2011年1月30日現在)
3店舗 /8店舗


0店舗 /0店舗
(※2011年3月第一号加盟店オープン予定)
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース)
※本格手打ち式ロードサイド型店の場合。
個人約0%、法人約100%
※個人の加盟も可能。
加盟者における業界未経験者の比率
※本格手打ち式ロードサイド型店の場合。
100%
標準店舗規模 / 標準投資額(店舗取得費別)
※半セルフ式小型店の場合。
10坪~20坪/ 約500万円
 
(たも屋代表取締役 黒川保夫妻)
(たも屋代表取締役 黒川保夫妻)
(たも屋店舗)
(たも屋店舗)

[事例2]うどん専門店「手打うどん総本家 得得」

(フランチャイズ本部:株式会社家族亭 http://kazokutei.co.jp/)
~専門店の味と「三玉まで同一価格」のお得感で130店舗に成長!~

 得得では、小麦粉に塩、水を混ぜて練り、熟成させ、うどん生地を作るところまで、本部製麺工場で行います。独自技術により、工場で作っても、グルテン(※)が網の目状に形作られるため、手打うどんに引けを取らない、コシのある生地ができます。(※グルテン:小麦粉に水を加えて、練ると、たんぱく質が絡み合って出来る物質。麺のコシのもと)各店舗では、生地をさらに熟成し、切って麺を作り、茹で、冷水でもみ洗いするなど、客に提供するまでの一連の作業を行います。だしも、店舗で毎日作っています。北海道茅部(かやべ)産の昆布、枕崎産の鰹節など国内産、天然の材料にこだわったものです。専門店の味とともに、同一価格で、うどん三玉まで増量可能なサービスが、特長になっています。商品は、ざるうどん550円、得得うどん1080円など。主力のフルサービスの郊外型店は、サラリーマン、ファミリー層などが主要客層です。
 研修は三週間。マンツーマンの完全指導なので、未経験者でも、うどん作りが一通りできるようになります。研修後は、スーパーバイザー(SV)が、基本的に毎月一回臨店指導を実施します。
 なお得得は、1979年にフランチャイズ展開開始(※)。約30年の歴史と全国130店舗のスケールメリットに基づく、加盟店支援体制を敷いています。例えば、大手メーカーとの直接取引、自社センターを生かした物流システムで食材仕入れコストを削減。折り込みチラシ、ポスターなどの販促ツール類も、大量発注でコストダウンしています。また、食材は全て事業本部と商品部による二重チェックを実施、仕入れ時、入荷後の抜き取り検査などで、安全品質管理を徹底させています。

※株式会社家族亭は、2006年に、前本部からうどん事業を譲り受けた

<うどん専門店「手打うどん総本家 得得」>

フランチャイズ展開開始年 1979年
直営店舗数 / 加盟店舗数(2011年1月24日現在) 28店舗 /102店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース)
個人約90%、法人約10%
加盟者における業界未経験者の比率 50%
標準店舗規模 / 標準投資額(店舗取得費別)
※郊外型店の場合。
約50坪/ 約2,500万円
 
(家族亭FC事業本部副本部長 熊久保勝巳氏)
(家族亭FC事業本部副本部長 熊久保勝巳氏)
(得得店舗)
(得得店舗)

[事例3]つけめん専門店「三ツ矢堂製麺」

(フランチャイズ本部:株式会社インターナショナルダイニングコーポレーション http://idc-inc.jp/)
~対前年度比売上105%増!店内製麺が人気。成長中の「つけめん市場」で注目集める~

 三ツ矢堂製麺では、各店舗で製麺します。独自ブレンドの粉を機械にかけ、塩、水と混ぜて、練るところから、麺にして茹でるまで全て店で行います。大半の作業は機械化されていますが、製麺時の気温、湿度に合わせ、人の手で茹で時間などを微調整します。工場で大量生産されたものと比べると、手間をかけただけ、味、食感、香りにはっきりとした違いが出ます。一方、つけめんのつけ汁は一括生産した、三ツ矢堂製麺オリジナルの「ゆず風味のつけ汁」を使用。こだわりと店舗運営効率のバランスを取り、手作りのプロの味を強調しながらも、利益を出せる事業にしています。また、麺を氷で締めたり、温かいまま提供したりするなど、麺の温度を選べる「締め分け」サービス、小~大盛りまでは同一価格での提供、「濃厚チーズソース」、「とろろ山芋」といったユニークなトッピングなどを特長としています。商品は、ゆず風味780円、大判チャーシューつけめん1030円など。主要客層は、味、サービスにうるさい40歳~45歳男性。テーブル席中心にして、落ち着いて食べられる店作り、接客に力を入れた結果、女性客、年配客、ファミリー層など幅広い客層も取り込めるようになりました。なお、三ツ矢堂製麺では、作業効率第一に、厨房をレイアウトしているため、例えば、スタッフはほとんど移動しなくても、麺を箱から出し、茹で、盛り付ける作業をこなせます。作業効率と客の回転率を向上させ、効率的に利益を生み出す体制を整えています。研修は45日。仕込みはほとんどありません。製麺の微調整は、飲食業未経験者でも、研修でマスターできます。

<つけめん専門店「三ツ矢堂製麺」>

フランチャイズ展開開始年 2008年
直営店舗数 / 加盟店舗数(2011年1月25日現在) 3店舗 /15店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース)
個人約25%、法人約75%
加盟者における業界未経験者の比率 50%
標準店舗規模 / 標準投資額(店舗取得費別) 22坪/ 約2,400万円~2,500万円
 
(インターナショナルダイニングコーポレーション開発部 宮嵜孝文氏)
(インターナショナルダイニングコーポレーション開発部
宮嵜孝文氏)
(三ツ矢堂製麺)
(三ツ矢堂製麺)
注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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