連載コラム

第26回 レンタルサービス

[ 2011年2月28日 ]

「買うより借りる」生活スタイルの定着で、レンタルサービスは、より細分化してきました。今回は、「チャリ通」(※)需要を追い風にする中古自転車レンタル・販売店、100店舗のスケールメリット生かす介護用品・福祉用品レンタル・販売店、ネットワークの強みで価格競争回避するイベント用品の総合レンタルショップをご紹介します。

チャリ通:自転車通勤、通学

[事例1]中古自転車レンタル・販売店「エコチャリ」

(フランチャイズ本部:株式会社ほっとステーション http://ecochari-fc.com/)
~中古商品管理力で、仕入れ先との信頼関係築き、安定経営・差別化図る~

 中古品を扱う事業の生命線は、仕入れ。エコチャリは、商品管理力で、大学、不動産管理会社、大型商業施設などの仕入れ先を確保、事業を安定拡大しています。基本的に、仕入れ先の放置自転車を回収、専用工場で修理・メンテナンスして、中古品として店頭に並べます。ここで重要なのが、盗難車が紛れ込むリスクへの対応。エコチャリでは、トラブル防止の視点に立って、回収から商品化までの作業工程を確立、徹底させています。まず、張り紙や、告知看板などで、放置自転車所有者に、1カ月後に回収する旨を告知、所有者が現れなかった場合は回収します。回収後は車体番号をチェックして、POSシステムに登録、POSで管理できるようにします。これで万一、盗難車などの確認依頼があった場合でも、車体番号から、即、対応できます。従来は廃品回収業者などが、放置自転車を処理していましたが、商品管理の点が充分ではありませんでした。放置自転車回収に関しては後発の、エコチャリが、商品管理力で評価され、仕入れ先を確保してきたというのも頷けます。また、回収から商品化までの作業は、手間がかかるため、中古自転車市場への参入障壁にもなっており、現在のところ、強力なライバルと呼べる同業他社は見当たりません。
 なお、各店舗では、開業時は中古品を本部から仕入れますが、開業後は原則的に、店舗で客から買い取る形で仕入れます。売上における販売とレンタルの比率は7対3。よく出るレンタル商品は、月額780円(自転車交換・修理費込)のママチャリ。売れ筋は、7,500円程度の商品。一週間の座学と実技研修、オープン前一週間の研修で、マネジメント、接客、中古品の買い取り・販売価格設定、自転車の修理・メンテナンスを習得できるようになっています。開業後のSV(スーパーバイザー)訪問は必要に応じて随時実施。

<中古自転車レンタル・販売店「エコチャリ」>

フランチャイズ展開開始年 2010年
直営店舗数 / 加盟店舗数(2011年2月10日現在) 2店舗 /6店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース)
個人約16%、法人約84%
加盟者における業界未経験者の比率 100%
標準店舗規模 / 標準投資額(店舗取得費別) 15坪/ 約650万円
 
(ほっとステーション)
(ほっとステーション 東京営業本部チーム長 窪木安明氏(左)、
 エコチャリ相模原北里店店長 榎田淳氏(中央)、
 同店スタッフ三浦裕之氏(右))
(エコチャリ店舗)
(エコチャリ店舗)

[事例2]介護用品・福祉用品(※)レンタル・販売店「ダスキンヘルスレント」

(フランチャイズ本部:株式会社ダスキン http://www.duskin.co.jp/fc/hr/index.html)
~対前年度比売上高112%増!メーカーを巻き込み研修充実、営業機会を拡大~

 ダスキンヘルスレントでは、在宅の個人対象にサービスを提供しています。売上におけるレンタルと販売の比率は、85%対15%。レンタルの主力商品は、介護用ベッドと車いす。販売商品としては、シャワーチェア、浴槽手すり、浴槽台などの入浴補助用具がよく出ています。介護保険が適応される介護ベッドの中で、人気があるのは、レンタル料(月額)が9,000円~1万4,000円のもの。この内、利用者が実際に負担するのは、レンタル料の1割に当たる、900円~1,400円。スタンダードタイプの車いすは、月額レンタル料が2,900円、利用者負担290円。
 加盟者の仕事は、まず、ケアマネ(ケアマネージャー※略称)への営業。利用者への商品お届け、設置。また3カ月に1回、利用者の身体状況に用具が適しているかどうかを点検し、ケアマネに報告します。利用が終了したら、商品を引き取り、消毒・補修・点検などを実施。商品を倉庫で保管します。100店舗を数えるダスキンヘルスレントは、業界内での知名度も高く、メーカーとのつながりも深いため、これを加盟店支援にも反映させています。例えば、メーカーの商品担当者が、加盟店対象の会議や、各店舗レベルでの勉強会に出席、説明してくれるため、中身が濃い、分かりやすいと好評です。こうした勉強会に近隣のケアマネを招き、コミュニケーションを密にし、営業機会を拡大しています。12日間の研修で、店舗運営オペレーション、マネジメント、介護事業に必要な基礎知識を学びます。開業後のSV(スーパーバイザー)訪問は原則毎月1回。

<介護用品・福祉用品レンタル・販売店「ダスキンヘルスレント」>

フランチャイズ展開開始年 2004年
直営店舗数 / 加盟店舗数(2011年2月8日現在) 2店舗 /98店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース)
個人0%、法人100%
※法人のみ募集。
加盟者における業界未経験者の比率 100%
標準店舗規模 / 標準投資額(店舗取得費別) 40坪以上/ 約878万円
 

介護用品・福祉用品:介護用品とは、介護を必要とする高齢者や障害者の生活を支援するための機器。福祉用品とは、心身の機能低下により、日常生活を営むのに支障のある高齢者や心身障害者の、介護やリハビリのために使用する機器。

ケアマネージャー(ケアマネ):個々の要支援者や要介護者(要介護認定で支援や介護が必要と認定された人)に合わせて、ケアプランを作成したり、自治体や各種サービス事業者などとの間で連絡調整などを行うケアマネジメントの専門職。一般に高齢者ケア事業者は、ケアマネに営業をかけ、自社の存在やサービスを知ってもらう。知ってもらうことで、要介護者などがケアマネに相談した際、紹介してもらったり、ケアプラン作成時に利用を検討してもらったりする機会をつくる。

(ダスキン)
(ダスキン レントオール事業部部長 西本敬洋氏(左)、
 広報・広告部 東京広報室主任 古屋洋氏(右))
(ダスキン ヘルスレント店舗)
(ダスキン ヘルスレント店舗)

[事例3]イベント用品の総合レンタルショップ「レントオール」

(フランチャイズ本部:西尾レントオール株式会社 https://www.rent-all.jp/bosyu/kameiten.html)
~行政機関、自治会、企業が顧客。人脈生かせる加盟社は、本業との相乗効果あり~

 レントオールの主な業務は、スポーツイベント、季節の祭り、展示会など、行政機関、自治会、企業が催す行事やイベントに、必要な用品や機材をレンタルすること。イベントの企画、運営、会場設営・施工を請け負う場合もあります。レンタルする商品は、集会用テント(1日当たりの標準レンタル料1万円)、会議用テーブル(同1,000円)、折りたたみ椅子(同250円)など。
 加盟社は、利用者開拓、機材の搬入、搬出、メンテナンス、倉庫での保管・管理など、一連の作業を担います。地元での営業が重要なので、加盟社としては、ネットワークを築いている法人が理想的。本業との相乗効果も期待できます。仮にネットワークを持たない場合、本部は飛び込み営業の指導、同行営業などで、加盟社を支援します。イベント用品レンタル業は、価格競争に陥りがちですが、レントオールでは、チェーンの強みを生かし、これを回避しています。強みの一つが、情報の共有。例えば、加盟社が国体などの大きなイベントの仕事を受注した場合、本部は、見積もりや工程表など総合的ノウハウを、加盟社と共有します。別の加盟社が同様の案件を請け負う際には、本部から、そのノウハウを提供し、チェーン全体で高品質なサービス提供が出来るようにしています。さらに必要に応じて、加盟社同士でイベント用品の貸し借りを行い、加盟社の商品保有の負担を軽減しつつ、顧客の要求に対応したり、全国ブランドのネームバリューで信頼感を得るなどの強みがあります。開業前には、レンタル業の基礎知識を学ぶ本部での4日間の座学研修、開業前後の1週間は加盟店舗で接客、同行営業などの研修。開業後のSV(スーパーバイザー)訪問は原則年2回。同行営業などは加盟店の要望に応じて随時実施。

<イベント用品の総合レンタルショップ「レントオール」>

フランチャイズ展開開始年 1981年
直営店舗数 / 加盟店舗数(2011年2月21日現在) 6店舗 /55店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース)
個人0%、法人100%
※法人のみ募集。
加盟者における業界未経験者の比率 約33%
標準店舗規模 / 標準投資額(店舗取得費別) 150坪~200坪/ 約2,000万円
 
(西尾レントオール)
(西尾レントオール レントオールフランチャイズ本部部長代理
中岡崇氏)
(レントオール店舗)
(レントオール店舗)
注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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