連載コラム

第36回 カフェ(2)

[ 2011年12月26日 ]

 せわしない日々だからこそ、コーヒー一杯くらいはゆっくり楽しみたい。カフェチェーンは「プチ癒し需要」に応え、支持されています。今回は、ほとんどアイドルタイムがない住宅街立地の喫茶店、40代~70代が主要客層のリラックス系カフェ、一日5回の売り上げ拡大チャンスがあるカフェ&バーです。

[事例1]喫茶店「珈琲所コメダ珈琲店」

(フランチャイズ本部:株式会社コメダhttp://www.komeda.co.jp/index.php
~ほとんどアイドルタイムなし!くつろげるから人気、住宅街の喫茶店~

 珈琲所コメダ珈琲店チェーンでは、いつ行っても混み合っていて、週末にはウェイティング客が出る店舗が珍しくありません。人気の秘密は、気軽に足を運べて、くつろげる店作り。店舗は、主に郊外に広がる住宅街の生活道路沿いに立地しています。標準店は、60坪(※1)、100席。吹き抜けの天井が広々とした印象を与え、明るい店内には、ゆったり腰掛けられるソファと大きめのテーブルが並びます。フルサービス、20~40種の新聞雑誌が読み放題、営業時間7:00~23:00(※2)という特長も、人気の秘密です。メニューは88品。デザートから軽食まで揃えたフード類は、いずれもボリューム満点。例えばハンバーガーは、女性の手のひらからはみ出すほどの大きさです。フィッシュフライバーガー400円、ビーフシチュー890円と、やや高めの価格(※3)ですが、ボリュームがあるので、お得感があります。さらに開店から11:00までは、全てのドリンクにトーストとゆで卵が無料で提供されるモーニングサービス。その他のメニューは、ブレンドコーヒー400円、温かいデニッシュにソフトクリームを乗せた、コメダの看板スイーツ「シロノワール」590円など。客層は子供から高齢者まで幅広く、平均客単価は600円~700円(※4)。珈琲所コメダ珈琲店は、アイドルタイムがほとんどないため、スタッフの募集、シフト組みが効率的で、また生活道路沿いに出店するので、駅前立地と比べ、家賃を抑制できます。開業前の店長及び社員研修は約3カ月で、マネジメント、調理などを指導。高度な調理技術は不要なので、飲食業未経験者でも調理ノウハウを習得可能。開業後のスーパーバイザーによる訪問指導は基本的に月一回程度。

※1:店舗面積
※2、3:首都圏の店舗の例。商品価格はエリアよって、営業時間は店舗によって異なる。
※4:首都圏の平均客単価

フランチャイズ展開開始年 1970年から愛知、岐阜、三重中心に加盟店募集。2008年頃より全国展開
(北海道、九州、沖縄除く)
直営店舗数 / 加盟店舗数
(2011年12月末現在)
5店舗/ 424店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人:約80% 法人:約20%
業界未経験者の加盟比率 約70%〜80%
ロードサイド型店:標準敷地面積・店舗面積 / 標準開業資金(店舗取得費別) 約350坪・60坪/ 約7,850万円

(コメダ横浜事務所長 田中啓文氏)

(コメダ店舗)

[事例2] カフェ「元町珈琲」

(フランチャイズ本部:株式会社スイートスタイル http://www.sweetstyle.co.jp/index.html
~主要客層は40代~70代。住宅街のリラックス系カフェ~

 元町珈琲は、リラックスして過ごせるよう配慮されたカフェ。標準店舗は80坪、100席以上、郊外の住宅街立地です。周囲の声が気にならない程度に、テーブルとテーブルの間を広めに取ったり、店内の照明を絞り気味にしたり、畳を使った座敷を設けたりなどして、落ち着ける雰囲気を作り出しています。店舗スタッフも、やや声を落として接客します。メニューは103品。元町ブレンド400円、海老フライ3本を使用した元町サンド790円、ハヤシドリア790円、ワッフル490円など。注文を受けてから焼き上げるワッフルをはじめ、フード類は、オーダーを受けてから調理するので、できたてのおいしさを提供できます。フルサービス、約40種類の新聞雑誌読み放題、営業時間7:00~23:00(※1)です。落ち着いて過ごせる雰囲気があるためか、主要客層は、40代~70代の男女。平均客単価は530円~620円。
 元町珈琲では、店長が顔を覚えているような常連客が客の約6割を占めます。店舗が日常的に利用されるため、経営は安定しやすくなっています。なお、住宅街立地のため、売り上げに対する家賃比率は抑えられます。モーニングサービスのパンやラスクなどについては、同じ本部が展開するオールスクラッチ方式(※2)のベーカリー業態から、おいしい商品を安く仕入れるようにしています。元町珈琲の開業前研修は30日間、直営店にて実施。営業オペレーション、コスト管理などを指導。高い調理技術は求められないので、飲食業未経験でも調理ノウハウは習得可能。開業後のスーパーバイザーによる訪問指導は、月一回。


※1:店舗によって異なる
※2:オールスクラッチ方式:パンの仕込みから焼成まで店舗で行う方法。冷凍生地を使わないので、パンが新鮮でおいしいと言われる。

フランチャイズ展開開始年 2008年
直営店舗数 / 加盟店舗数
(2011年12月16日現在)
5店舗/ 8店舗
加盟者における個人加盟者、法人加盟者の比率
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース、個人事業主含む)
個人50% 法人50%
加盟者における業界未経験者の比率 50%
標準敷地面積・店舗面積 / 標準開業資金
(店舗取得費別)
約350坪・70坪~80坪/約600万円※
(※加盟金300万円、加盟保証金200万円、
オープン支援費(研修費含む)100万円)

スイートスタイル代表取締役社長 田中保成氏(中央)
元町珈琲事業担当部長 平田泰志氏(左)
同担当部長 藤澤博氏(右)

(元町珈琲店舗)

[事例3]カフェ&バー「プロント」

(フランチャイズ本部:株式会社プロントコーポレーション
http://www.pronto.co.jp/
~カフェ&バーならでは!一日5回の売り上げ拡大チャンスで効率経営~

 プロントは、日中はセルフ式カフェ、夜はフルサービスのバーとして営業。モーニング、ランチ、ティータイム、バー、パーティー需要に対応し、5回の売上拡大機会を作ります。メニューは、カフェ:ホットコーヒー(M)250円、海老とアボガドのジェノベーゼフェットチーネ780円、バー:赤グラスワイン420円、フィッシュ&チップス680円、3種チーズのピザ730円など。主要客層は20代~40代の男女。平均客単価は昼400円、夜1,500円。
 本部は、特に商品開発と店舗スタッフ育成に力を入れています。商品開発については、アイスコーヒーやパスタなどが、雑誌やテレビのグルメランキングで高い評価を得るなど、その開発力が認められてきました。なお、ケーキは、商品開発に加え、商品陳列の仕方などを研究し、販売数を拡大。2011年11月の売り上げは前年同月比7.2%増でした。また著名なスイーツ、話題の映画などとのコラボ商品を販売し、集客につなげています。一方、スタッフ育成は、開業前研修と、開業後の多様な研修を中心に実施します。バーには高度な接客力が求められます。プロントは、大手酒類メーカーのグループ会社なので、グループ内で得たバーの接客ノウハウを基に、独自の接客方法を築き、研修でスタッフに指導しています。ちなみに、バーに必要な接客ノウハウの確立が難しいためか、現時点では、強力な競合チェーンは見当たりません。研修のほかに各種コンテストを用意して、スタッフのやる気を引き出しています。開業前研修は26日間で、接客、商品知識などを習得。コックレスなので、調理はカンタン、アルバイトスタッフに任せられます。スーパーバイザーの訪問指導は随時実施。加盟店の業績拡大を目指した、業績検討会を月1回開く。

フランチャイズ展開開始年 1989年3月
直営店舗数 / 加盟店舗数
(2011年12月末現在)
45店舗/ 118店舗
加盟者における個人加盟者数、法人加盟者数
(※個人加盟者=脱サラなどから加盟したケース)
個人1名 法人87社
業界未経験者の加盟 約24%
標準店舗規模 / 標準開業資金(店舗取得費別) 40坪/約4,525万円

(プロントコーポレーション常務代表取締役
プロント・イルバール事業部長 綾野喜之氏)

(プロント店舗)

注目のFC分野・制度紹介!
執筆者:松本陽子

ツーウェイコミュニケーションズ代表。米国オベリン大学留学を経て桜美林大学英語英米文学科卒業。FCプランナー。加盟店、及び顧客開発に的を絞ったWebサイトコンテンツ、各種販促PR企画などの立案・制作・実施を中心に、FC本部のサポートを行う。「日経MJ」などの経営専門誌のほか「レタスクラブ」女性向けサイト「21Lady.com」など一般向け媒体にも寄稿。「フランチャイズ関連セミナー」などのコーディネーター、テレビ番組出演などを通じFC事業の啓蒙活動も行う。主な著書「中高年のためのFC店開業講座」「妻と夫のためのFC店開業講座」(いずれも共著・日本経済新聞社刊)

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