連載コラム

第39回 「年間3000店出店時代のコンビニ経営」

[ 2012年2月29日 ]

 コンビニエンスストア本部各社は3月からの新年度、大手4チェーンだけで3500店以上の出店を予定している。すでに何度となく飽和説が流れてきたコンビニチェーン。我が国におけるフランチャイズビジネスを考えるには避けては通れないコンビニが今、さらなる大競争時代を迎えている。
 新たにコンビニ経営を目指そうとする皆様に向けて、これからの出店時のポイントを考えていこう。

さらなるコンビニ大競争時代へ

 2012年度のコンビニ大手の新規出店計画は過去最大級。今年から出店は攻めに転じている。年間でみると、既存店の客数や客単価が5%前後伸長しているため、売上が好調に推移しているからだ。今まで得意としていた若者客、男性客に加え、主婦層やシニア層の取り込みなど客層の拡大や商品力に対して本部が自信を持ち始めたことが最大級の出店計画につながっている。出店計画の中心は、国内に限らず、海外も視野に入れたものだ。
 新たにコンビニ経営を目指す場合、常に競合が出るのではないかという意識を持っておくとともに、競合への対応力を高めていく必要がある。

狭商圏で勝ち残る個店づくりを意識しよう

 店舗数の増加=限られた商圏での戦いにつながる。今まで、コンビニの商圏は、一般的に10分圏と言われてきた。徒歩、自転車、車などを使って10分である。しかし、最近ではその時間が5~6分になってきている。それぐらい店が密集して立地していることになる。当然、店の商圏もせまくなり、その店を使ってくれる人の数も減少する。さらには、ライバルはコンビニに限らず、スーパーマーケット、ドラッグストア、ミニスーパーなどが狭い商圏にひしめき合うことが多い。そのような中では、自店のコンビニならではの品揃え、サービスの提供が必要になってくる。これからコンビニ加盟を希望する方にもそういった意識の経営が求められる。

地域密着の第一歩は商圏を知ること

 商圏に住む人、働く人がどれだけ存在し、どういう動きをしているのか。これを細かく知ることが第一歩だ。新規出店時、加盟店サイドでもその商圏のお客(見込み客)がどこにいるのか、どう動いているのかをしっかり知ることが必要だ。ただ地図上で見るだけではなく、出店前に実際に足で地域を歩いて確認していきたい。その上で、出店を決める前にどのくらいの来店客数の可能性があるのか、競合店との比較の中でしっかり見極めよう。自社のスーパーバイザーや出店担当者の力を借りることも必要だ。

お店の力で商圏のお客に働きかけよう

 新店の出店に対して、競合店も気が気ではない。今まで以上に多くの取り組みを行ってくるはず。大競争時代の新店は、頑張って営業していれば、いずれ知ってもらえて、お客になって頂けると考えるというのが難しい時代。チェーン本部の販売促進をただやっているだけの「待ちの姿勢」であると、いつになっても「地域になくてはならない店舗」にはなっていけないだろう。
 そこでのポイントは、お客に「投げかける」売場・接客を行い続けることだ。売り込みと言い換えても良い。地域のお客に合った商品、オーナーや発注担当者のお勧め商品、地域の人に使って欲しいサービスなど、来店されたお客にむけて、店で独自に販売促進を行っていく。一人ひとりのお客と店舗がつながりを感じさせる付き合い方を望む地域も増えてきた。主婦層やシニア層が多い地域等、地域の状況や商圏の広がりによっては、ポスティングや御用聞きを行って商圏を深堀りするのも効果的だ。

 めざすべきは、地域のお客にとって「普段の買い物といえば?」と問われた時、真っ先に思い出して貰える店になること。そのためにも常に商圏のお客を知り、自店のお客に投げかけを続けられる店舗になっていくことが重要なのだ。皆様にも常にこのような意識でコンビニ経営を目指すべきか、この出店でよいのかという点を考えて頂きたい。

中小企業診断士  山崎泰嗣


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執筆者:フランチャイズ研究会

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