連載コラム

第46回 テーマ「フラワーショップ」

[ 2012年9月25日 ]

フラワー市場の動向

 経済産業省の商業統計によると、平成19年のフラワーショップの数は、5年間で2割ほど減少し、24,228店であった。一方、食品スーパーやホームセンターでの取り扱い店舗と金額は年々増加している状況である。フラワー産業の消費市場は、6,891億円(平成19年商業統計)で、縮小傾向にある。理由として、法人向けおよび高級ギフトの需要減少、そして婚礼宴会向け装花市場の縮小などのためである。デフレ不況のなか、個人向けのフラワー需要も減退しており、客単価も下落傾向にある。総務省の家計調査年報によると、平成22年の切り花の1世帯当たり年間購入金額は9,733円で減少傾向にある。農林水産省の花き産業振興方針によると、切り花および園芸品・同用品を月平均で1度も購入したことのない世帯は、各々6割および7割もあるという。世界的にみても1人当りの消費金額は低く、先進国のなかでも非常に低い位置付けになっている。

フラワー業界の動向

 フラワー業界はまだまだ近代化の余地を残す業界であるが、近年、販売チャネルの多様化が急速に進んでいる。フラワーショップからスーパーやホームセンターなどの量販店へのシフトが進んでおり、またネットおよび通販での販売も急速に伸びている。
 個人経営のフラワーショップが苦戦しているなか、チェーン型フラワーショップが増加している。日比谷花壇、青山フラワーマーケットなどの全国展開系、小田急フローリストなどの鉄道系、花やSTINGなどの仲卸業系など様々だが、都市部を中心に店舗を増やしている。
 チェーン店が増えているなかで、フラワーショップのFC店はまだ少ない。そのような環境下、フラワーショップのフランチャイズ展開を進めているのは、モンソーフルール、きりしまフラワーなどがある。ただし直営店が主体となっているところが多く、フランチャイズの形態も多様で、フランチャイズビジネスの仕組みが未整備なチェーンもみられる。現在、日本フランチャイズチェーン協会に加盟しているFC本部はない状況である(平成24年8月末現在)。

フラワーショップFCへの期待と判断ポイント

 フラワーショップの経営で利益を出すことは簡単ではない。平均的な店舗では、販売価格は仕入価格のおよそ2.5~3倍、ロス率はおよそ2割、最終粗利益率は30~40%くらいと言われている。ここから家賃、人件費、水道光熱費、ガソリン代などの経費を負担しなければならない。開店のための建設費用など銀行からの借り入れをしているとさらに負担が大きくなる。一方、現在のフラワー業界では、中央市場への統合と電子化および機械化が進んでいる。日持ち保証販売実現するための物流改革や消費者マーケティングによる商品・サービス開発もこれからである。
 以上のような経営特性や外部環境の変化に対応するのは個人経営ではますます厳しくなっている。そこで、仕入の一元化、戦略的な店舗展開、競争力のある企画や商品開発、人材教育などの機能を持ったフラワーショップFCのさらなる出現が待たれるところである。
 フラワーショップの業務は未経験者には非常にきついものであるため、FC本部の教育および支援体制が重要になる。直営店でのOJT、のれん分け制度を設けているFC本部もある。加盟検討にあたっては、本部による一括集中仕入れなどの業務支援でFC店が販売に集中できる体制になっているかを確認したい。
 また、フラワー市場規模が伸びていないにも拘らず、量販店、ネット、通販など新規参入が多く競争が激しくなっている。この厳しい環境下でも変化に対応した経営ができているのか、競合との差別化された商品力やサービス力はあるのか、繁忙期に本部の人的支援はあるのか、発注、品揃え、売場作りへの定期的な指導はあるのか、なども考慮したい。

(中小企業診断士 神吉耕二)

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執筆者:フランチャイズ研究会

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