連載コラム

第47回 パン小売チェーン

[ 2012年11月2日 ]

パン小売市場について

 パン小売市場は、1991年まで順調に伸びていたが、1994年以降は減少に転じ、2007年は1979年を下回る販売額となった。
 パン小売業は、インストアベーカリー型と、仕入販売型に大別される。これらを比較すると、1972年時点ではインストアベーカリー型の約3倍の販売額だった仕入販売型は、1982年をピークに販売額が減少。一方、インストアベーカリー型は年々販売額を伸ばし、1988年には仕入販売型を逆転。1997年には販売額はピークとなるが、その後は減少しているという状況である。
 近年では仕入販売型は、コンビニ、スーパーマーケットの台頭により事業所数、販売額ともに年々減少しており、今後は特殊な商品を取り扱う店舗以外は衰退していくと予想される。一方、インストアベーカリー型は、焼き立て、フレッシュ感などを訴求することで消費者の心をつかみ、今ではパン小売業界の主流となっている。

パン小売業界の動向

 代表的なインストアベーカリーである、ドンク、アンデルセン、神戸屋、ヴィ・ド・フランスは、主に百貨店や駅ビル、ショッピングセンターなどで展開している。最近ではスーパーマーケット内にも焼き立てを訴求するオリジナルブランドのベーカリーコーナーが設置されたり、コンビニでも店内焼成の実施や大手企業と協力した多頻度小口配送でフレッシュ感を演出したセールスなどを行ったりと、年々業界内の競争が激しくなっている。
 焼き立てを訴求するインストアベーカリーの売上は、冬場はピークになる一方、夏場は停滞するのが一般的であったが、最近では「冷やして食べるパン」などの開発を各社が積極的に行っており、季節需要の平準化に注力している。

パン小売業のFCについて

 直近10年の菓子・パン小売業FCについては、下記のグラフの通り店舗数、売上高ともに減少傾向にあり、パン小売業全体の推移と概ね一致している。代表的なFCチェーンは、リトルマーメイド、ヴィ・ド・フランス、コンセルボ、ロンドンなどであり、パン小売業の売上全体の1/3程度をFCチェーンの売上が占めている状況である。

 前述した通り仕入販売型に関しては、今後は衰退していくと予想されるため、ここではインストアベーカリー型について述べる。
 インストアベーカリーには、スクラッチ方式と、ベークオフ方式がある。スクラッチ方式は、粉から焼成までの全工程を同一店舗内で行う方式である。一方、ベークオフ方式は、工場で製造した冷凍生地を店舗が仕入れ、店内で解凍・熟成させ、焼成を行う方式だ。ベークオフ方式は、スクラッチ方式に比べて味やバラエティーは劣るものの、ミキサー等の設備投資が不要、省スペースでの開業が可能、技術の習得が比較的容易などのメリットがある。FC展開しているのはベークオフ方式が中心であり、本部から冷凍生地を仕入れるというビジネスモデルがほとんどだ。先述した代表的なFCチェーン4社もベークオフ方式でFC店舗の運営を行っている。

 しかし、ベークオフ方式といえども製パン技術や生産管理が不要になるということではない。事前研修のメニューや開店後のスーパーバイザーによるフォロー体制、技術研修などが充実している本部を選択するのがポイントになる。
 また、地域密着が基本となるため、その地域に合わせた商品や販促が必要となることを考慮すると、全国画一ではなく各地域・各店に対応したマーケティング支援があるか、商品改廃に対する加盟店の自由度はあるのか、という点にも注目すべきであろう。以下に代表的なパン小売FCチェーンの研修内容と開店後のフォロー体制を記しておいたので、参考にしていただきたい。

(中小企業診断士 山崎泰央)

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執筆者:フランチャイズ研究会

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