日経メッセ > フランチャイズ・ショー > 連載コラム > 最新フランチャイズマーケットトレンド > 第48回 JFA「フランチャイズチェーン統計調査2011年度」

連載コラム

第48回 JFA「フランチャイズチェーン統計調査2011年度」

[ 2012年11月27日 ]

 2011年度のFCビジネスに関する統計データが、日本フランチャイズチェーン協会(JFA)から発表された。今回の統計は、2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響を大きく受けたものとなっており、例年とは異なる点を留意したい。特に外食業界は、直接被害に遭った被災地の店舗が休業や廃業に追い込まれただけではなく、首都圏店舗では計画停電で休業を余儀なくされた等の影響もあり、業績が低迷する結果となった。
 全体的には、システムワイドセールス(直営店と加盟店の売上高の合計)は21兆6,166億円で前年比1.1%増(対前年2,352億円増)となり、前年に引き続き2年連続のプラス成長となった。チェーン数は1,260チェーンで前年比2.2%増(対前年27チェーン増)、店舗総数(直営店と加盟店の合計)は23万8,838店舗で前年比2.0%増(対前年4,692店舗増)となっている。ただし、システムワイドセールスからコンビニエンスストアの売上高を除くと、全体では前年を下回る結果となり(前年比2.4%減)、一概にフランチャイズ市場が拡大しているとは言えない情況にある。業種別の統計資料は以下、JFAのHPを参照のこと。
http://www.jfa-fc.or.jp/folder/1/img/20121015163549.pdf

小売業

 小売業全体では、1チェーン減少、店舗数は前年比3.2%増(対前年2,940店舗増)、売上高は前年比1.8%増(対前年2,780億円増)となった。前述のとおり、これにはコンビニエンスストアの高い成長率が寄与しており、ちなみにコンビニエンス抜きでは売上高は前年比4.1%減(対前年2,705億円減)となる。
コンビニエンスストアは全店舗の5%にあたる2,138店舗が震災により甚大な被害を受けたにもかかわらず、全国的な生活インフラとしての欲求の高まりから急速に復旧を遂げた。コンビニエンスストアは、店舗数では前年比4.0%増(対前年1,824店舗増)、売上高は前年比6.5%増(対前年5,485億円増)と高い成長率を示しており、GMSからの顧客流入なども要因として考えられる。
また、震災の影響で「水」の重要性がクローズアップされ、飲料水のルートセールスチェーンが含まれる「各種食料品」も大きな伸びを示した。中古品ビジネスは幅広い分野に拡がっており、ここ数年では「宝石・貴金属の買取り」「携帯電話の買取り」などの増加が目立っている。一方、地デジ効果やエコポイント政策の恩恵が薄れた家電量販店分野は業績が低迷した。

外食業

 2011年度の外食業界は、震災の直接被害に加え、首都圏では計画停電や節電などによる影響、震災後の出控えムードにより中食化が更に進行したことなどもあり、全般的に奮わなかった。特に焼肉関係は、食中毒事件が影響して業績を大きく後退させた。また、居酒屋分野は、消費者のアルコール離れや「家呑み」傾向が強まっていること、さらには低価格路線が強まり売上が上がらないジレンマなどにより、業績が低迷した。ここ数年、前年レベルの売上を維持していたファーストフードも、2011年度は前年を割り込んだ。
売上高は、外食業全体では3兆7,716億円で前年比3.0%減(対前年1,154億円減)となり、5年連続で前年を割り込む結果となった。ファーストフードは3.6%減、居酒屋パブは4.9%減、焼肉店その他は7.5%減となった。ハンバーグレストランやセルフ式うどん店などは比較的高い成長を見せたが、これらの分野はいずれも市場規模が小さいため、外食業界全体を押し上げるまでにはいたらなかった。
 外食フランチャイズ業界は新規参入が活発で、ラーメン、焼き鳥、丼ものなどの新規ビジネスが毎年参入してきており、今回の調査では11チェーンが増え、その内目立ったところでは「から揚げ」チェーン4社が確認されている。これからは居抜き店舗を利用や、小坪数の小型店舗など、低投資型のパッケージが増えると見られており、居酒屋分野を中心とした業界の動きが気になるところである。

サービス業

 サービス業全体では、チェーン数は399チェーンで対前年17チェーン増、店舗数は88,757店で前年比1.9%増(対前年1,711店舗増)、売上高は2兆5,391億円で前年比2.9%増(対前年726億円増)となった。サービス業は幅広い分野でフランチャイズ化が進んでいる。2011年度も前年と同様、学習塾や介護関連の分野で大きな伸びが確認される。また低価格な理容・美容関連も順調な伸びを示している。
サービス業の市場規模は今のところ2兆円程度でフランチャイズビジネス全体の10%程度しかないが、今後生活関連サービスの分野で大きく伸展する可能性がある。教育関連では、これまでの個別指導塾に加えて幼児教室や高齢者向けの新サービスなどが増加している。
介護関係では、予防介護を中心とした介護保険に適合したサービスを提供する業態が大きく伸びているが、常に国の法改正というリスクを背負っているというのも否めない事実である。整体やストレッチなど健康関連分野も好調であることから、介護保険制度に頼らない介護・健康産業の動向にも注目していきたい。

(中小企業診断士 山岡雄己)

最新フランチャイズマーケットトレンド
執筆者:フランチャイズ研究会

バックナンバー

PAGE TOP