連載コラム

第51回 岐路に立つエリア・フランチャイズ制度

[ 2013年2月28日 ]

 今年3月にセブンイレブンが四国に初進出する。2018年度までに四国4県で約520店を展開する計画である。ハイスピードな出店計画であるが、その内訳をみると、他コンビニチェーンのエリア・フランチャイザーによる鞍替えが約100店舗含まれている。エリア・フランチャイズ企業がチェーンを変更するとチェーン勢力図が大きく変わる。本稿では、エリア・フランチャイズ制度の効果や課題について解説したい。

エリア・フランチャイズとは

 エリア・フランチャイズとは、特定エリア(地域)で加盟店募集する権利を他社(エリア・フランチャイザー)に与えることである。エリア・フランチャイザーはその見返りとして一定の対価をFC本部に支払う。加盟店募集だけでなく、加盟店へのスーパーバイザーによる巡回指導や定例研修など、FC本部機能の一部を委譲することが多い。チェーンによってエリア・フランチャイザーの呼称は異なる。「~地区本部」「~エリア本部」などと呼ばれる場合が多い。
 エリア・フランチャイズ制度を導入する効果は、「離れた場所は、そのエリアに詳しい法人に任せたほうが効率的」「全国をエリア分割することにより店舗展開スピードが速くなる」などが挙げられる。
 下図のように、コンビニをはじめとする小売業から飲食業、サービス業まで幅広い業態のFC本部でエリア・フランチャイズ制度が導入されている。


(筆者調べ)

最近のエリア・フランチャイズ関連の話題

 エリア・フランチャイズをめぐる最近の主なニュースは下記の通りである。なかでも、日本一の店舗数を誇った弁当チェーンのほっかほっか亭から、九州・山口・東日本の地域本部の地位を占めた㈱プレナスが脱退し、新しいブランド(ほっともっと)で直営店・加盟店を転換したことは、FC本部のあり方を考えさせられる事例であった。現在も係争は続いている。
 コンビニ業界は商品開発力に勝る大手3チェーン(セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート)への寡占化が進んでいる。サンクス(現サークルKサンクス)はエリア・フランチャイズを活用して店舗拡大を図ってきたが、大手3チェーンとの競争力格差が広がるに従い、これが弱点となって露呈した。エリア・フランチャイザー3社の店舗(約300店)が他チェーンに鞍替えしたのである。これにより、総店舗数の5%弱を失った。なお同社では、他のエリア・フランチャイザーを相次いで子会社化、吸収合併して店舗基盤強化を図っている。


(筆者調べ)

これからの課題

 エリア・フランチャイズ制度は、FC本部が迅速な店舗拡大を図るうえで有効な手段である。しかし、最近の事例のように弱点もある。契約面で見直すことも有効だが、自社のビジネスモデルを常にブラッシュアップし、競争力を高めることがエリア・フランチャイズ制度を安定的に維持するうえで最も重要である。
 FC本部は、過度にエリア・フランチャイザーに依存せず、FC本部の果たすべき役割を認識して、あるべき本部機能を磨き続けることが必要である。そのうえで、エリア・フランチャイザーやフランチャイジー(加盟店)と共存共栄を図ることが望ましい。
加盟希望者は、エリア・フランチャイザーの傘下となる場合がある。その場合は、FC本部とエリア・フランチャイザーが各々どこまで分担するのか、店舗指導などの本部機能を十分に果たし得るかどうか、確認することが必要である。
 なお、エリア・フランチャイズ制度については、フランチャイズ研究会(東京都中小企業診断士協会認定)の調査報告書(『エリア・フランチャイズ制度に関する調査報告書』)でFC本部、エリア・フランチャイザーの実態を調査・解説しているので参考にされたい。

(中小企業診断士 高橋利忠)

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執筆者:フランチャイズ研究会

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